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米大統領選挙の「トランプリスク」は急激に低下!日経平均株価が「カンカンの強気」を維持する中、クリスマス・年末ラリーが本格化する前に仕込め!

2016年11月8日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 先週末11月4日の日経平均株価は、11月2日終値比229.32円安の1万6905.36円と大幅続落し、10月19日以来、半月ぶりに終値で1万7000円の大台を割り込みました。

 これは、11月3日のNYダウが6日続落し、前日比28.97ドル安の1万7930.67ドルと、7月7日以来、およそ4カ月ぶりの安値を付けたことが嫌気された結果です。11月3日までのNYダウ下落の主因は、トランプ政権誕生への警戒感が強いことでした。

 しかしながら、週明け7日の日経平均株価は、前週末比271.85円高の1万7177.21円と、3日ぶりに反発して1万7000円の大台を回復しました。

日経平均株価チャート(日足・半年)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより
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 この反発の背景は、日本時間で11月7日の朝方に、「FBIがクリントン氏の私用メール問題に関して、7月の訴追を求めない方針に変わりがないと議会に書簡で伝えた」との報道を受け、「トランプリスク」が急激に低下したためです。

 そして、11月7日のNYダウは8日ぶりに急反発、前週末比371.32ドル高の1万8259.60ドルでした。これも、FBIがクリントン氏の私用メール問題で訴追を求めない方針を示したことが好感された結果です。そして、11月7日の米ドル/円相場は、1円35銭円安・ドル高の1ドル=104円40~50銭でした。

米大統領選の次は、12月に控えたFOMCと
日経平均先物オプションのメジャーSQに注意

 このように、これまで日米株式市場もドル/円相場も、米国の大統領選挙を材料に右往左往しましたが、それもいよいよ日本時間で明日9日には終わるはずです。

 米国の政治的な重要イベントを消化したマーケットは、12月13~14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や、12月9日の日経平均先物・オプションのメジャーSQを意識する局面に入ります。

 10月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比16万1000人増と市場予想(17万5000人増)に届かなかったものの、8~9月分が上方修正されて失業率が低下し、賃金の伸びも加速しました。このため、現時点では、12月の利上げは揺るがないと思われます。また、その利上げに市場が動揺する様子はみられません。

 一方、メジャーSQに関しては、日経平均ボラティリティー・インデックスが30以下で推移する限り、下方向に大きく振れることはないでしょう。

日経平均株価の想定レンジは
ボリンジャーバンドで判断

 当面の日経平均株価の想定レンジは、26週移動平均線ベースのボリンジャーバンドプラス1σ(11月7日現在1万7062.78円)~26週移動平均ベースのボリンジャーバンドプラス2σ(同1万7580.14円)です。プラス1σを割り込んだら、26週移動平均線(同1万6545.42円)を目指すでしょう。一応、この26週移動平均線が「押し目限界」であり、逆に、26週移動平均線を割り込むようだと、相当深刻な調整局面に入るとの認識に変更はありません。

 また、52週移動平均線(同1万7003.95円)を上回って推移する限り、「カンカンの強気」を維持し、割り込んだら「強気」に下方修正し、26週移動平均線を割り込んだら、「弱気」転換します。

好調な日経平均株価に比べ
マザーズ指数は依然として冷え込んだまま

 このように日経平均株価に関しては堅調推移が見込めますが、信用取引を駆使して小型株を積極的に売買する「アクティブ個人」の体感温度の指標となる東証マザーズ市場は、依然として冷え込んだままです。

マザーズ指数の7日終値は880.29ポイントと、25日移動平均線(7日現在938.20ポイント)、75日移動平均線(同929.85ポイント)を下回っています。多くのアクティブ個人が評価損を抱え、追証リスクに怯えていると推察されます。

東証マザーズ指数チャート(日足・半年) *チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 また、マザーズの流動性枯渇も相変わらずです。マザーズ活況の目安は売買代金1000億円とされていますが、これを上回った最後の日は10月21日です。その後、11月7日まで10営業日連続で1000億円を下回っており、なんと10月31日には435億円にまで落ち込みました。

 ちなみに、10月31日の日経平均株価の終値は1万7425.02円でした。つまり、日経平均株価が高くても、マザーズは全く盛り上がらず、完全に物色の蚊帳の外に置かれていたのです。

東証マザーズ市場の復活のカギは
そーせいグループの株価底打ち

 このマザーズ市場の低迷を象徴する銘柄が、そーせいグループ(4565)だと考えています。同社株は、マザーズ指数が4月21日に1230.82ポイントの年初来高値を付ける際の主役でした。そーせいグループの株価は、5月9日に2万6180円の年初来高値を付けました。

 しかし、5月13日に17年3月期業績見通しを発表したことで、好材料出尽くしとなり、そーせいグループの株価は急落。その後、長い調整を今まで続けています。7日の終値は前週末比380円(2.71%)高の1万4390円でした。高値から値幅1万1790円、率にして45.03%の下落です。

 足元の株価低迷は、5月の高値圏で買い建てた玉の期日を迎え、信用組からの処分売りが断続的に出ていることが主因とみられています。そして、この損切り決済の影響が、他のマザーズ銘柄や小型材料株の換金売りに波及しているもようです。

 以上のことから、そーせいグループの株価が底打ちしないと、当面の新興市場・小型材料株は、厳しい調整が続く可能性が高いと考えています。

 ただし、そーせいの信用の高値絶対期日である11月9日通過後は、そーせいグループの信用需給は徐々に改善するでしょう。その結果、そーせいグループの株価が底打ちし、同時に、マザーズ指数の底打ちも実現するとみており、早晩、その「底打ちタイミング」がやってくると考えています。

12月のクリスマス・年末ラリーに先んじて
11月のうちに仕込んでおきたい

 米大統領選挙が終わって「トランプリスク」が消滅し、国内では決算が一巡し、「決算リスク」もなくなることも、小型株にはポジティブ材料と考えます。

 米大統領選挙結果判明後は、いよいよ、クリスマス・年末年始ラリー発生を期待した「仕込み好機」とみています。これまでのヤラレを取り返すチャンスがやってくると考えています。12月に入れば、これまでの鬱憤を晴らしたいアクティブ個人の参加が本格化する展開を想定します。

 だから、それを見越し、まだ本格的に動いていない11月中に、好業績のテーマ性のある銘柄を仕込みたい。今は、そんなタイミングでしょう。ただし、日経平均株価が万が一26週移動平均線を割り込んだら、前言を撤回します。そのときは、全額キャッシュにして、買い場を待ちましょう。

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