「ほぼ日」や「一風堂」といった、今年新規上場を果たした注目の銘柄を人気アナリストが激辛診断! 2017年に新規上場したIPO株の多くで、初値が公開価格以上に上昇し、上昇率は平均100%を超えている。
では、そのなかでも特に注目を集めた「ほぼ日」や「一風堂」を運営する「力の源ホールディングス」の今後の株価について、アナリストはどう予測しているのか? 4月21日(金)発売のダイヤモンド・ザイ6月号から抜粋して公開する!
IPO数の急増で投資熱が急騰!
これから買うなら下げ切るタイミングまで待て
2017年の株式市場はIPO(新規株式公開)ラッシュで幕開けた。1~3月に新規上場を果たした企業は前年同期より約2割多い27社。そのうち25社の初値が公開価格を上回り、公開価格から平均2倍以上もの値をつけた。
「2016年の初値上昇率は平均70%強だったので、今年に入ってから、IPOがいかに盛り上がっているのかがわかります」と語るのは、フィスコのアナリストの小林大純さん。
昨年後半から年初にかけて東証2部、ジャスダック、マザーズなど中小型株の相場が好調だったことに加え、3月に入るとIPO数が急増したことから投資熱が一気に高まったようだ。
しかし、「中には業績の伸びが年1~2割程度しか期待できないのに、ブームに乗って初値が2倍を超えるなど、買われ過ぎの銘柄もあります。いったんは手仕舞い売りで値を大きく下げる銘柄も多いはずなので、これから買うなら、下げ切るところまでタイミングを見極めてから買ったほうがいい」(小林さん)。
「ほぼ日」の株価は、今後の株主優待次第で上がる!
もちろん、業績拡大期待や事業の将来性など、実力を伴って初値が跳ねたのなら、まだまだ株価が上がる可能性はあるが、そうでもないニューカマーも散見される。1~3月にIPO済みの人気銘柄を個別に検証してみよう。
まずは3月16日にジャスダックに新規上場した「ほぼ日(3560)」。社長が著名コピーライターの糸井重里氏ということから、同社のIPOは投資家以外にも大きな関心を集めた。
「初値は公募価格の2.3倍に跳ね上がりましたが、あくまで物販がメインですし、糸井社長自身、さほど急激に事業を拡大する考えもないようなので、市場の期待が大きすぎた」(小林さん)
ただし、糸井社長はインタビューの中で、今後、株主優待制度を設けることも検討すると言っており、人気の高い手帳などの商材が株主優待品として提供されるようになれば、株価の上げ材料になるはず。
「注目度が高く、人気分のプレミアムを考えるとPERは25~30倍程度で推移することが予想され、PER25倍となる3700円付近まで下げたら、買うのもありです」(小林さん)。
一方で、クォンツ・リサーチの西村公佑さんは「既存ビジネスは安定収益源として評価できるし、上場資金を活用した新規事業にも期待できる。株価は調整しているので、今後の成長を前提とすれば割高感はありません」と評価する。
初値が公募価格の3.7倍と過熱気味の「一風堂」、
これから買うなら、下値リスクに注意!
もうひとつ、投資家以外にもなじみが深く注目を集めたのが、3月21日に上場した人気ラーメンチェーン「一風堂」を運営する「力の源ホールディングス(3561)」だ。
こちらも初値が公募価格の3.7倍と急伸。その後も株価はぐんぐん上昇し、一時はPERが200倍を超えた。
「国内のみならず、米国など海外でも幅広く店舗展開しており、世界的な日本食ブームにより、特に海外での成長力が高いのが魅力です。もっとも、足元でもPER100倍前後というのは、外食産業の平均値と比べると明らかに買われすぎ」(西村さん)
これから買うなら、株価がいったん下げ止まり、25日移動平均線を上回るなど、チャートで上昇トレンド入りを確認してからがおすすめだ。
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