闇株新聞[2018年]

主要国直近1年の株式パフォーマンス上昇率1位は意外にも「あの国」だった!?闇株新聞が点検する世界の市場心理

2017年7月7日公開(2022年3月29日更新)
闇株新聞編集部
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
闇株新聞プレミアムメールマガジン 20日間無料!

 世界のどの国も総じて景気は回復していませんが株価だけは上げています。リーマンショック後から継続している異例の金融緩和・量的緩和による資金が、ほかに行きも場なく株式市場に流入しているためですが、最近は量的緩和の縮小を示唆する発言が各国要人から出てくるようになりました。実際に行われるかはともかく市場心理がそれをどう受けとめているかは気にしておく必要があります。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』が各国市場の立ち位置を検証します。

主要国直近1年の株式パフォーマンス 上昇率1位は意外にも「あの国」だった!? 闇株新聞が点検する世界の市場心理

市場の反応を正確に読むことが
向こう数年の投資パフォーマンスを決める

 世界の金融市場はドイツの物価上昇を受け、ECBが量的緩和縮小に踏み切る可能性に大きく反応したようです。イングランド銀行も遠くない時期に利上げに追い込まれるでしょう。

 これまでの株高は、各国中央銀行による金融緩和・量的緩和によるものでした。その方向性が変わるとしたら……市場の反応を正確に読むことが向こう数年の投資パフォーマンスを決定づけるはずです。

 とはいえ、無意味に弱気になる必要はありません。株式市場はイベント(突発的な悪材料)にどんどん鈍感になっているからです。金融緩和・量的緩和を後退させる「示唆」くらいなら、市場はこれを「イベント」として消化してしまうでしょう。

 いつからイベントに対する耐性が強くなったのか――ちょうど1年前、英国のEU離脱の是非と問う国民投票までは、市場はイベントに対してそれなりの反応を見せていました。その後トランプ当選や北朝鮮問題などでは下げ幅はどんどん小さく、戻りは早くなっています。

 そこで、英国の国民投票直後の安値から先週末(2017年6月30日)までの各国株式市場の上昇率を比較してみました。上昇率が低いほど悪材料に弱い、上昇率が高いほど悪材料に強い市場と判断することができます。

 比較対象には新興国を含む、主要18か国・20市場を選びました。米国にはNYダウとNASDAQ、中国には上海総合とハンセンが含まれます。まずは上昇率の下位・10市場からです。

【国別上昇率 ワースト10】
①南アフリカ(TOP40 -0.3%)
②ロシア(RTS 9.6%)
③メキシコ(IPC 11.0%)
④中国(上海総合11.8%)
⑤オーストラリア(ASX 11.9%)
⑥サウジアラビア(SASEIDX14.2%)
⑦スイス(SMI 14.9%)
⑧インド(SENSEX 17.1%)
⑨英国(FTSE100 19.1%)
⑩インドネシア(JCI 20.5%)

 原油価格の下落を受けた資源国(オーストラリア、サウジアラビア)、トランプに目の敵にされているメキシコ、経済不安の中国、大幅なマイナス金利の弊害が出ているスイス、EUを混乱させた張本人の英国、新興国でもとりわけ人口が多い(消費が経済の大きな割合を占める)インドやインドネシアなどが「下位組」に名を連ねています。

この1年で世界でもっとも上昇率が
高かったのは日経平均(+34.0%)!

 では上昇率の上位・10市場はどうでしょう?

【国別上昇率 ベスト10】
①日本(日経平均 34.0%)
②トルコ(ISE 33.2%)
③イタリア(FTSEMID 30.9%)
④米国(NASDAQ 30.4%)
⑤ドイツ(DAX 28.9%)
⑥中国(ハンセン 27.1%)
⑦ブラジル(Bovespa 25.5%)
⑧フランス(CAC40 24.7%)
⑨韓国(KOSPI 24.2%)
⑩米国(NYダウ30 22.7%)

 なんと、潜在成長率も長期金利も低い日本がベスト1でした。ほかにも問題山積のトルコが2位、欧州トップがイタリアであるなど、ベスト10はやや首を傾げたくなる顔ぶれです。とはいえ、ここはまず「過去1年の株式相場はそういうものだった」と眺めてください。後付けの解釈は無意味ですが、今後を考える時のスタートラインとしては重要です。

 ここから資源価格が大きく上昇することはなさそうです。米国やユーロ圏の長期金利がさらに上昇するのであれば、資源国を含む新興国の経済や株式市場が動揺し、先進国の株式市場にも跳ね返ってくる恐れがあります。

 また、現時点だけ見ればユーロ圏経済の優位性は続くと思われるものの、過熱とかインフレ高進といった状態にはならないはずです。

 となるとECBが量的緩和の縮小を無謀に急がない限り、その影響が世界に波及することはありません。またFRBも極端に利上げや資産縮小を急がなければ、本年後半の株式市場もそれほど心配はないでしょう。

 しかし、政治的要素も含めていろいろ不確定な部分も多く、最大限の注意を払っておかなければなりません。リーマンショック以降初めて金融緩和・量的緩和の後退を、世界が懸念し始めているからです。

 ここからは、世界の政治情勢が株式市場に与える影響も無視できません。ユーロ圏の政治情勢が米国に比べ落ち着いている状況が変わってくる可能性も含めて、検証しておく必要がありそうです。

金融緩和・量的緩和縮小の「示唆」くらいではまだ心配する必要はなさそうですが、好調なときこそ油断が怖い。つねに注意を怠らず市場心理に目配りをしていくことが必要です。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』では、株式、為替、債券、商品、政治経済の動向を入念にチェックして、毎週1回皆さんに解説記事をお届けしています。

闇株新聞PREMIUM

闇株新聞PREMIUM
【発行周期】 毎週月曜日・ほか随時  【価格】 2,552円/月(税込)
闇株新聞PREMIUM 闇株新聞
週刊「闇株新聞」よりもさらに濃密な見解を毎週月曜日にお届けします。ニュースでは教えてくれない世界経済の見解、世間を騒がせている事件の裏側など闇株新聞にしか書けないネタが満載。
お試しはコチラ

 

DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

●DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)とは?

金融・経済・ビジネス・投資に役立つタイムリーかつ有益な情報からブログに書けないディープな話まで、多彩な執筆陣がお届けする有料メールマガジンサービス。
初めての方は、購読後20日間無料! 


世の中の仕組みと人生のデザイン
【発行周期】 隔週木曜日  【価格】 864円/月(税込)
世の中の仕組みと人生のデザイン 橘 玲
金融、資産運用などに詳しい作家・橘玲氏が金融市場を含めた「世の中の仕組み」の中で、いかに楽しく(賢く)生きるか(人生のデザイン)をメルマガで伝えます。
お試しはコチラ

堀江 貴文のブログでは言えない話
【発行周期】 毎週月曜日、水曜、ほか随時  【価格】 864円/月(税込)
堀江 貴文のブログでは言えない話 堀江 貴文
巷ではホリエモンなんて呼ばれています。無料の媒体では書けない、とっておきの情報を書いていこうと思っています。メルマガ内公開で質問にも答えます。
お試しはコチラ

 


UI銀行の「金利&手数料」はなぜお得なのか?詳しくはこちら!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強株主優待
人気投信をズバ斬り!
最新iDeCo入門

4月号2月20日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[最強株主優待/投信格付]
◎巻頭特集
人気20銘柄の売買診断も!
最新決算でわかった2025年の大本命株28

●トランプ追い風株
●来期も好業績株
●好調の中小型株株
●配当を増額修正した株

◎第1特集
優待の達人25人が選んだ!
合計利回り30%超も!
最強株主優待ベスト150

桐谷さんの愛してやまない推し優待株
「優待+配当利回り」「最低投資額」2大ランキング
●多種多様なお店が並ぶ!外食
●押しグルメを探そう!食品
●家計の救世主!日用品
●いろんな買物に使える!百貨店・家電量販店
●化粧品や洋服でキレイに!美容・アパレル
●心躍る体験を!エンタメ・レジャー
●欲しいものが選べる!カタログ
●自由度が高い!金券・ポイント
●優待新設・廃止の最新ニュース
●優待弁護士が指南!優待株の失敗しない選び方
●女性優待ブロガー3人の座談会

◎第2特集
★★★の数を見るだけでOK!
人気投信をズバ斬り!
2年目NISAで買うべきは?
投信格付242【2025年春版】

2年目NISAの投信の選び方!
●コストの引下げアリ!インデックス型
●市場環境の変化が影響!アクティブ型
●株式比率の高い投信が好調!バランス型
●最高利回りは36%超!毎月分配型100

◎第3特集
手数料比較はもう古い!
大手ネット証券7社を徹底比較!
NISAで最強の証券会社セレクトガイド

基本サービスの充実度
ポイントのオトク度
●資産管理のしやすさ

【別冊付録】
今スグ始める?やめとくべき?
改正ポイントがわかる!最新iDeCo入門

iDeCoの何がスゴイ?
●受取のルールをマスター
●運用商品は何がオススメ?
●出口戦略こそ考えどころ
●手数料と買える投信で金融機関を選べ!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆おカネの本音!VOL.32
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報