個人投資家の「株で勝つ!」投資手法を徹底解剖!

仕事は午前中の2時間だけデイトレで毎日稼ごう!

【第4回】 2012年2月2日公開(2025年3月21日更新)
ザイ・オンライン編集部
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株価が上がらない日本株市場。しかし、デイトレの技術をマスターすれば、下げ相場でも、市場が大きく動かないときでも、小銭を稼ぐことができる。デイトレは、個人投資家として、ぜひ身につけておきたい投資法のひとつだ。とはいえ、かつて「デイトレはやるな!」といっていた吉川英一氏。なぜ吉川氏はデイトレを始めたのか、そして、どうやって勝てるようになったのか――。

【第1回】実は誰でもなれる!個人投資家という夢の職業
【第2回】稼げる投資家になるための3つのスキル
【第3回】あなたはどのタイプの投資家?
     自分に合ったスタイルを見つけよう!

【第4回】仕事は午前中の2時間だけ デイトレで毎日稼ごう!
【第5回】不動産投資を始めて毎月の安定収入を確保しよう!
【番外編】個人投資家という生き方を実践できる人、できない人

最初は失敗だらけ!
支払った授業料は軽く500万円

 デイトレードなんて、そもそも丁半博打なんだから、絶対に勝てるわけがない、というのが一般的な意見かと思います。私もずっとそう思っていました。

 私がデイトレードを始めたのは、「ゆきゆ」さんという方のブログと出会ったことがきっかけでした。

 当時、「ゆきゆ」さんのブログは株式人気ブログランキングの4位前後に常に食い込む人気ぶりで、ファンも多かったと思います。ちなみに、URLは (http://blog.livedoor.jp/yukiyu1218/) ですが、現在は残念ながら休止中です。

 「ゆきゆ」さんのやり方は、日立、旭硝子、東芝、三洋電機など、誰もが知っている王道銘柄の空売りが主体でした。月収100万円以上の勝ちを何年間も続けてこられた方なので、多くのデイトレーダーの方が知っていると思います。

 私は低位株の中長期投資が主体でしたので、デイトレーダーのブログはほとんど見たことがなかったのですが、はじめて見たときは衝撃でした。

 自分がなぜその銘柄を選んだかや、何時何分にいくらの値段で何万株エントリーしたかが克明に書かれていたのです。もちろん、利益の大きさにもびっくりでしたし、デイトレ中の心理状態が伝わってくるところにとても興味をひかれました。いつも、ほとんど午前中、しかも早い時間帯の取引だけ、せいぜい2回程度のエントリーというのも魅力でした。

 さっそく自分も「ゆきゆ」さんのまねをしてトレードを始めたのはいうまでもありません。「ゆきゆ」さんの1回のエントリーは2万~4万株だったため、さすがにそこはまねしませんでしたが、まったくの素人にもかかわらず、1万株単位でデイトレを始めてしまったのです。

 私が狙ったのは、値動きの比較的激しいGSユアサや商船三井、損保ジャパン(現NKSJホールディング)などです。

 やはり最初は踏み上げられてもなかなか損切りできず、勝率もさっぱりでした。小さく勝って大きく負けてしまうパターンが続いたため、900万円の資金が1年も経たないうちに400万円に減ってしまいました。

 とにかくデイトレなんて、何度もエントリーして慣れるしかないと思っていた私は、読んだ本も2冊程度。始めたときは、普通に取引市場や株数、取引暗証番号を打ち込んでエントリーしていましたので、これでは勝てるわけがありません。

 トレードツールやパソコン環境など、もう少しいろいろ勉強してからやるべきだったと反省しています。みなさんは決してこんな無茶しないでくださいね!(笑)

デイトレ時間は午前中の2時間だけ
究極の高額時給が稼げる

 デイトレーダーは場中ずっとパソコンを見ていないといけないので、労働時間は意外と長いのではないかと思う方もいるでしょう。

 でも、そんなことはありません。私も含めて、多くのトレーダーは午前中の2時間だけという方が多いのです。というのも、株価が勢いよく上下に動くのは、寄りつきからせいぜい1時間程度だからです。

 証券会社のディーラーさんもこの時間帯に利益をなんとか得ようと必死になりますから、出来高も多く、株価も大きく動く傾向にあります。

 この時間帯を過ぎると、次は午前中の前引け間際の11時15分から11時半までの時間帯に、再び取引が活発になります。昼休みの時間帯にどんなニュースが飛び出すかわからないので、とりあえず、ポジションを閉じておこうという動きで商いが増えます。

 あとは、後場寄りつきから1時までの30分間も取引が活発になりますが、これは欧州からの注文が入る時間帯になります。もちろん、証券会社のディーラーさんは後場もう一勝負ということで、新たな売りや買いを入れてきます。

 この時間帯を過ぎると、大引け間際の2時45分から3時までの15分間が手じまいと翌日に向けたポジション取りでにぎわう時間帯です。

 デイトレを始めた当初から、10時を過ぎた途端に動かなくなることを実感していましたので、私は、寄りつきから10時までが勝負と割り切ってトレードしてきました。この時間帯にエントリーしてエグジットできないときは、たいてい負け込んでいて損切りできなくなっています。

 デイトレを始めるきっかけとなった「ゆきゆ」さんも前場のみで勝負していましたし、『超入門 2億円稼いだ株之助の世界一受けたいデイトレ授業』(主婦と生活社)でおなじみの株之助さんも午前中しか取引していません。

 私の場合も、トレードの8割は午前10時までに手じまいしていますし、すべてのトレードの5割程度は9時半までに結果が出ています。

 ですから、極端な話をすると、デイトレは9時半までの時間帯が勝負だということです。デイトレは時間効率が悪いとおっしゃる方がいますが、決してそんなことはありません。

 寄りつきで売り買いした場合は、1分で結果が出ることさえあります。やり方次第では、デイトレは究極の高額時給を稼ぎ出せる職業だと思います。

 デイトレをやってみたいけど、日中働いているサラリーマンには無理とおっしゃる方は、日経225のイブニング取引をおすすめします。取引時間が16時30分から翌朝3時まで延長されましたので、帰りの遅い方でも取引できるようになりました。

デイトレに最適なのは
どんな銘柄か?

 最初にデイトレを始めた頃は、どんな銘柄がいいのかわからず、ブログランキング上位のカリスマトレーダーが取引しているのと同じ銘柄をトレードしてみました。

 2年前に人気化していたGSユアサはよく動いたので、どのデイトレーダーのブログを見ても、この銘柄は必ず書かれていました。でも、私には値動きが激しすぎて、さっぱり勝てませんでした。

 次に、日経225銘柄でもある商船三井、損保ジャパン(現NKSJホールディングス)を取り引きしてみたのですが、こちらは値動きが比較的ゆっくりでしたので、初心者の私でもやりやすかったのを覚えています。

 これらの銘柄でも最初は思うような結果を出せず、株之助さんが取り引きしている銘柄をやってみることにしました。サイバーエージェント、ケネディクス、アコーディア・ゴルフなどをよく取り引きされていたので、やってみたところ、動きが早く、商いも比較的薄いため、ついていけませんでした。

 このような銘柄は突然大きく乱高下するので、株之助さんのようなスキャルピング派には適した銘柄なのですが、私はじっと我慢して持ってしまい、大変なことになりました。

 いろいろ試してみた結果、デイトレも自分のトレード手法に合った銘柄じゃないと勝てないということがよくわかりました。自分との相性が比較的よく、ときどき勝てたのは、商船三井や損保ジャパンのような日経225採用銘柄だったのです。

 これらの銘柄はサイバーエージェントのように、何ティック(売買が成立するごとに示される株価の動き)も一気に動くことはないですし、板も比較的厚いので、動きについていけないということはまずありません。

 あとデイトレの場合、取り引きしやすい価格帯というものがあります。

 例えば2011年9月13日現在、みずほフィナンシャルグループの株価は112円前後ですが、この銘柄の最近の値動きはせいぜい日中1円から2円です。こんなに値幅がないと、いくら優秀なデイトレーダーでもさやを取ることは不可能です。

 これに対して商船三井は326円ですが、8月の1ヵ月間をみると日中平均値幅は11.17円もありました。NKSJホールディングスも集計してみましたが、価格424円に対して1ヵ月間の日中平均値幅は10.3円ありました。

 商船三井は1日4%以上動いていますし、NKSJホールディングスでも2.4%の値動きがあります。これだけ毎日動いてくれれば、デイトレードがやりやすい銘柄だといえるでしょう。

 ぜひ2%以上、平均値幅10円以上を目安に、デイトレに適した銘柄を探してみてください。

 野村ホールディングス、丸紅、伊藤忠、シャープなども、デイトレーダー好みの銘柄だと思います。  

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