【今回のまとめ】
1.先週のニューヨーク市場は調整もようだった
2.中国と欧州の購買担当者指数(PMI)の悪化が印象に残った
3.中国のリーダーシップ交代が金融政策に影を落としている
4.米国の住宅市場の回復も心もとない
5.ガソリン価格の高騰は消費・金融政策に悪影響を及ぼす
6.世界の中央銀行がそろって緩和するという強気シナリオにほころびが出ている
先週のNYダウは3ヵ月ぶりの大きな下げ幅に
先週(3月19日~)の米国株式市場では、ダウ工業株価平均指数は-1.15%、S&P500指数は-0.5%、ナスダック総合指数は+0.41%となりました。
このうち、ダウ工業株価平均指数は週間ベースで、2011年12月16日に終わる週以来となる大きな下げ幅を記録しました。
このように株式市場が軟調に推移した背景として、先週発表された経済統計で、中国と欧州の購買担当者指数(PMI)がそろって悪化したことが印象に残りました。
中国経済の鈍化が目立ってきた
まずは、中国のHSBC製造業購買担当者指数ですが、結果は48.1となりました。2011年11月以来の低水準です。
さらに、景気拡大と縮小の分岐点となる50.0を、5ヵ月連続で割り込んでいる点も市場関係者を不安にさせています。

なお、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の4ヵ国の中で製造業購買担当者指数が50.0に達していないのは、現在は中国だけです。その点からも中国経済の弱さが目立ちました。
せっかく、中国のインフレは鎮静化してきているのだから、今はソフトランディングを演出するために、もっと金融緩和すべきです。中国政府の腰は重い感じがします。
ちなみに、中国は新旧のリーダーシップの交代期にさしかかっています。そのような状況下で一部の地方では、毛沢東時代の古い価値観を持ち出すことにより、庶民の歓心を買って勢力を伸長しようとする政治家の動きが見られます。
このようなポピュリズム的な勢力の台頭を抑えるにあたって、中国政府は、国民の間で不満の多い不動産価格の高止まりの問題に対し、厳しい態度を示す必要があります。
以上のようなことが、中国の金融緩和が後手に回っている理由だと思います。
欧州の回復も勢いに陰りが見え始めた
さて、2度の「LTRO(3年物流動性供給オペ)」で実質的な量的緩和政策を打ち出した欧州ですが、こちらも回復の勢いに陰りが見えています。
ドイツの3月の製造業購買担当者指数は…
ドイツの3月の製造業購買担当者指数(2012年3月のみ速報値)は48.1で、市場予想を下回っただけでなく、2月の水準をも下回りました。下のグラフでご確認ください。
これで、ドイツは2ヵ月続けて製造業購買担当者指数が前月よりも下がったことになります。

(※2012年3月は速報値)
なお、ユーロ圏の製造業購買担当者指数の速報値も、同様の鈍化が見られました。
また、先週はスペイン経済の鈍化が久しぶりに市場参加者の間で話題になりましたし、ギリシャに関しては、5月頃に実施される総選挙を不安視する声が聞かれました。
米住宅市場の息切れとガソリン高騰は悪材料
最後は米国です。先週は、2月の住宅着工件数が69.8万件、2月の中古住宅販売件数が459万件、2月の新築住宅販売件数が31.3万件という結果が発表されました。いずれも市場予想を下回っただけでなく、1月と比べても数字が減少していました。
このところ、米国の10年債の利回りが上昇していますが、これは住宅ローン金利が上昇することを意味するため、ようやく上向き始めた住宅市場に冷水を浴びせるリスクがあります。
一方、全米平均レギュラー・ガソリン価格の高騰は続いており、先週末の3月23日(金)には、1ガロン当たり$3.889となりました。昨年高値に肉薄しています。

いつも申し上げていることですが、ガソリン価格の高騰はいずれ消費に悪影響を及ぼします。
株高のシナリオが崩れた
私は、2011年末に書いた「2012年世界市場の見通し」の中で、「今年は理想的な環境の中で世界的に株高が期待できる!」と主張しました。また、相場上昇は上半期に集中するということも申し上げました(「【2012年世界市場の見通し】理想的な環境で世界的な株高が期待できる!」を参照)。
残念ながら、私がこのように考えた前提の1つがここへきて崩れています。その前提とは、先進国と新興国の中央銀行がそろって積極的緩和政策を打ち出すというシナリオです。
米国では、ガソリン価格高騰によるインフレ懸念から、FRB(米連邦準備制度理事会)は目先的に身動きが取れなくなっています。
中国人民銀行は預金準備比率をチョッと下げただけでお茶を濁し、政策金利をほとんど下げていません。
これらは明らかに、私の年初の想定とは違う展開です。
このようにシナリオが狂ってしまった以上、昨年の年末時点での見方に固執する意味はないと思います。
今は、利食いできるものはしっかり利食い、ポジションを極力軽くして様子を見たいと思います。
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
| ※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2025年12月1日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
| ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約4900銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
|
【SBI証券のおすすめポイント】 |
|
| 【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
| ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシアなど)と幅広い銘柄がそろっており、米国株の信用取引も利用可能! 指定の米国ETF15銘柄については買付手数料が無料で取引ができるのもお得。米ドル⇔円の為替取引が0円と激安! さらにNISA口座なら、米国株の売買手数料が完全無料(0円)。米国株の注文受付時間が土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。米国株式と米国株価指数のリアルタイム株価、米国株オーダーブック(板情報)、さらに米国決算速報を無料で提供。ロイター配信の米国株個別銘柄ニュースが、すぐに日本語に自動翻訳されて配信されるのもメリット。米国株の積立投資も可能。米国株の貸し出しで金利がもらえる「貸株サービス」も行っている。 |
|
| 【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
| ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【マネックス証券のおすすめポイント】 外国株式の取り扱い銘柄数はトップクラス! また、米国株の買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)となるキャンペーンが長期継続しており、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」の対象22銘柄は、実質手数料無料(キャッシュバック)で買付が可能。米国株の積立サービス「米国株定期買付サービス(毎月買付)」は25ドルから。コツコツ投資したい人に便利なサービス。米国株は、時間外取引に加えて店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。しかもNISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」「銘柄スカウター中国株」が無料で利用できる。 |
|
| 【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
| ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5000銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【松井証券のおすすめポイント】 米国株の売買手数料は他の大手ネット証券と同水準なうえ、為替手数料は完全無料(0円)とお得!さらにNISA口座では、米国株の取扱手数料が無料に! 米国株でも信用取引が可能で手数料が業界最安水準。2025年7月から米国株のプレマーケットに対応し、日本時間18時(夏時間は17時)から取引が可能になったのもメリット。さらに投資情報ツール「マーケットラボ米国株」や専用の取引ツール、リアルタイム株価が無料、夜間での取引に便利な返済予約注文(IFD注文)、米国株専用ダイヤル「米国株サポート」や「株の取引相談窓口(米国株)」などが特徴となっている。また、米国株専用の「松井証券 米国株アプリ」は、リアルタイム株価の表示に加え、米国株の情報収集から資産管理、取引までスマホで対応可能だ。 |
|
| 【関連記事】 ◆【松井証券のおすすめポイントは?】1日50万円以下の株取引は手数料0円(無料)! その他の無料サービスと個性派投資情報も紹介 ◆「株初心者」におすすめの証券会社を株主優待名人・桐谷広人さんに聞いてみた! 桐谷さんがおすすめする証券会社は「松井証券」と「SBI証券」! |
|
| ◆moomoo証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約6300銘柄以上 | <現物・信用取引>約定代金の0.132%(上限22米ドル) |
| 【moomoo証券のおすすめポイント】 米国やカナダ、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなどグローバルにサービスを展開するネット証券。米国株には特に力を入れており、取扱銘柄数は業界トップクラス。売買手数料も大手ネット証券の4分の1程度だ(ただし売買手数料の上限は22米ドルと他社と同水準)。さらに、為替手数料が無料なので、米国株の売買コストのお得さでは頭ひとつ抜け出している。米国株に関するデータや情報も充実。最大上下60本の板情報や過去20年分の財務データ、大口投資家の売買動向など、銘柄分析に役立つさまざまな情報が無料で利用できる。24時間取引に対応しているので、日本時間の昼間にも売買が可能。1ドルから米国株を買うこともできる。取引アプリには対話型AIの「moomoo AI」を搭載。米国株の基礎知識から米国市場の動向、銘柄分析まであらゆる質問に答えてくれるので、米国株初心者には力強い味方となるだろう。 |
|
| 【関連記事】 ◆【moomoo証券のおすすめポイントを解説】米国株投資家には特におすすめの米国生まれのネット証券! プロレベルの高機能ツールやAIツールも魅力! |
|
| ※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |




































