「Jリート(J-REIT)」が2年9カ月ぶりの高値圏まで上昇中で、分配金利回りも平均で約3.9%と高利回りを維持している。そんな絶好調な「Jリート」の中で、専門家がおすすめする2銘柄を紹介!
ダイヤモンド・ザイでは、記者が集めたマネー・経済関連の最新トピックを「ZAi NEWS CHANNEL!」で毎号紹介している。今回は、発売されたダイヤモンド・ザイ>から、「米金利の低下で高利回りのリートに見直し買い 外国人投資家の買いが入り2年9カ月ぶりの高値! いま買ってもいい銘柄は⁉」と題した記事をピックアップ!
世界中で高利回りの「Jリート」が買われている!
背景にあるのは、米国の金融政策の”方針転換”
「Jリート」(不動産投資信託)の価格が上昇している。東証リート指数は、2019年の年初は1750ポイントだったのが、3月末には1900ポイントを超えた。実に2年9カ月ぶりの高値という水準だ。
なぜここまで「Jリート」が買われているのか。理由はいくつかあるが、最大の要因は米国の金融政策の方針転換だ。
今年になってから、米国のFRB(連邦準備制度理事会)は、利上げ反対派のハト派に転じた。米国は2018年までは積極的に利上げを進めたが、2019年は利上げしない可能性が濃厚になっている。米国10年債の利回りは、2018年に3%を超えていたのが、足元では2.5%台にまで下落している。これを背景に、高い利回りを享受できる「リート」に世界中のお金が流れ込んでいるのだ。
「いまは世界中でリートが買われていて、この流れで日本の『Jリート』も一緒に買われています」(SMBC日興証券シニアアナリストの鳥井裕史さん)。つまり、外国人投資家による買いが増えているということだ。
さらに、鳥井さんは日本固有の事情もあると言う。例年「Jリート」は1~3月は物件取得とそれに伴う増資が多い。「3月は『Jリート』のスポンサー企業の決算期末にあたり、スポンサー企業が利益を出すために保有物件を売却して、それを『Jリート』が買っていました」(鳥井さん)。
ところが、2019年は不動産価格が高騰しており、「Jリート」による物件取得が少ない。このため市場からお金を調達する増資の必要もなく、「Jリート」市場で例年ほどお金がダブついていないという。
物流系の「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス」や、
総合型ながらオフィス比率が高い「投資法人みらい」に注目!
こうした要因が重なって、「Jリート」価格は上昇し、それに伴い分配金利回りも下がっている。分配金利回りは節目の4%を割ったが、いま買っても大丈夫だろうか。
アイビー総研代表の関大介さんは、「『Jリート』の業績は過去最高の水準で絶好調です。それに伴い分配金も増えてきました。現在は東証リート指数が2000ポイントの水準でも、分配金利回りは3.7%取れます」と指摘する。
過去には2015年1月頃と2016年4月頃に東証リート指数は1900ポイントをつけているが、そのときの分配金利回りは3.0~3.2%だった。それと比べると、いまは指数が2000ポイントになっても割高感がないという。
そこで財務内容がよく、分配金利回りが高い銘柄を中心に、2019年4月時点でもおすすめの「Jリート」を関さんに選んでもらった。ダイヤモンド・ザイ6月号では6銘柄紹介しているが、ここではそのうちの2銘柄を抜粋してみよう。
まずは、2019年4月5日時点で、分配金利回り4.75%の「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(3493)」。
「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人」は、3月に2物件を取得。分配金を上方修正して価格が上昇しているが、まだ割安感がある。借入金を長期化・固定化しており財務は保守的。また価格が低迷しているときは増資による拡大を急がない方針。「最近価格が下落して割安になっている物流銘柄は、買い場が到来しています」(関さん)。
続いては、スポンサーの信用力が高い総合型「Jリート」で、2019年4月5日時点の分配金利回りが5.73%の「投資法人みらい(3476)」。
「投資法人みらい」は投資対象が多岐にわたる総合型であるが、オフィスが55%を占め、好調なオフィス市況の恩恵を受けられる。借入金比率(LVT)は比較的高いが、金利を長期化・固定化している。2020年末までに45%に低下させる方針。長期保有に向いている。
【※関連記事はこちら!】
⇒Jリートで、プロが注目の2銘柄を紹介(2019年・春)商業施設を扱う利回り4.35%の「阪急阪神リート」、5.5%超と高利回りの「CREロジスティクス」に注目!(https://diamond.jp/zai/articles/-/197521)
ダイヤモンド・ザイ6月号では、プロが推奨する
注目すべきJリートをあと4銘柄公開中!
今回は、4月20日に発売されたダイヤモンド・ザイ6月号の「ZAi NEWS CHANNEL!」から、Jリートの市況分析と、プロの推奨銘柄をピックアップした。誌面ではほかに4つの注目銘柄を紹介しているので、「Jリート」への投資に興味があるなら、併せて参考にしてみてほしい。
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