人気の「Jリート」の中でも分配金利回りが4%以上で、アナリストも注目している「投資法人みらい(3476)」と「ザイマックス・リート投資法人(3488)」は、高値圏の今からでも長期保有ができる“おすすめ銘柄”だ!
発売中のダイヤモンド・ザイ2020年1月号の大特集は、「何歳からでも始められる【高配当株】で、あんしん老後」! 「老後に年金収入しかない状態は不安……」と感じるのなら、配当や分配金がもらえる金融商品を保有し、副収入(=じぶん年金)が得られる体制を整えたい。そこで、この特集では「配当利回りが高い日本株」や、利回りの高さに定評のある「Jリート」「米国株」などのジャンルにおいて、おすすめの銘柄を紹介している。
今回は、その中から注目の「Jリート」を2銘柄紹介! 高値圏で推移する「Jリート」を選ぶときのコツも抜粋するので、銘柄選びの参考にしてほしい!
「Jリート」の魅力は利回りの高さだが、現状は高値圏!
割高になっている銘柄も増えているので、銘柄選びに注意が必要
「Jリート」は上場投資信託の一種。投資家から資金を集めて、オフィスビルや商業施設、マンションなどの不動産(多くは国内の不動産)を取得し、家賃収入や売買益を分配金として投資家に還元する仕組みだ。数万円から不動産投資ができるとして大人気だが、最大の魅力は、平均して株式よりも分配金利回りが高い点にある。
ただし、「Jリート」市場は今、歴史的な高値圏にある。東証REIT指数は2019年10月に2250ポイントを突破し、リーマンショック後の最高値を更新した。値上がりの背景には「賃貸市場の好調」や「低金利の継続」があるが、値上がりしすぎて、いつ下落に転じてもおかしくない水準となっている。
「『東証REIT指数』が2000ポイントを超えていたのは、2007年中の半年しかありません。今のような低金利も、今後10年続くとは考えにくい」(アイビー総研代表の関大介さん)
「Jリート」は不動産を取得するために資金を借り入れる。近い将来、金利が上昇するとなると、金利負担が増えるために「Jリート」の利益は減り、分配金も減らされるリスクがある。しかも、現時点では価格の上昇により、「Jリート」全体の利回りがダウンしている。これは「割高」になっている「Jリート」が多いということで、「『Jリート』の魅力が薄れて、これから長期で投資するのは難しい状況」だと関さんは指摘する。
とはいえ、銘柄を個別に見れば、なかには長期で持てるものもある。
「たとえば『物流系』は、景気に左右されずにテナントの需要がついてくる数少ない投資先で有望です。『住居系』も賃料が下がりにくいのがメリットです。これらの『Jリート』は全般に価格が上がってしまっていますが、探せば一部にまだ割安感のある銘柄も残っています」(関さん)
さらに、「現在のインバウンド需要が維持されれば」という但し書きが付くが、「ホテル系」も割安で注目だという。業績絶好調の「オフィス系」はかなり割高な水準だが、それらを組入れた「総合型」は利回りが高く、狙い目だ。
【※関連記事はこちら!】
⇒「Jリート」おすすめの2銘柄を紹介!【2019年・秋】分配金利回り4.5%で長期保有向きの「CREロジスティクス」、増資時がチャンスの「阪急阪神リート」に注目!
今から「Jリート」を買う場合に押さえておくべき3カ条とは?
利回りに加えて「時価総額」や「固定金利比率」をチェックせよ!
こうした背景を踏まえて、高値圏の今買っても長期で保有できる「Jリート」選びの3カ条を以下にまとめた。
【ポイント(1) 利回り4%台が狙い目!】
分配金利回りが高すぎず低すぎずな銘柄を選ぶ
分配金利回りが高すぎる銘柄は、不動産の売却益を分配金の原資にしているなど、要注意のものが多い。一方で、低すぎるのは価格が「割高」ということであり、利回り面でも投資する意味が薄い。狙うなら、「利回り4%台程度」のものがベターだ。
【ポイント(2) 時価総額が大きいと安心!】
増資による悪影響を受けにくい銘柄を選ぶ
「増資」とは投資口を新たに発行することで、「Jリート」が資金を調達する重要な手段だが、投資口数が増えることで、1口あたりの利益や分配金が減るリスクがある。特に、価格下落時はそうなりやすい。時価総額が大きいほうが、まだ増資の影響は受けづらくなるため、ある程度時価総額が大きい銘柄を選ぶという観点も持ちたい。
【ポイント(3) 固定金利比率をチェック!】
金利上昇が分配金に影響しにくい銘柄を選ぶ
前述のように、金利が上昇すると、リートの借入れコストが上がり、分配金が減る要因になる。しかし、それは「変動金利」で借入れをしていた場合。「固定金利」で借入れていれば影響は受けづらいわけだ。固定金利比率は各リートのウェブサイトの「財務情報」などでわかるので、チェックしてみるといいだろう。
利回り面での割高感がなく、比較的少額で投資できる点も魅力的
総合型の「投資法人みらい」や「ザイマックス・リート」に注目!
老後資金のために長期投資するなら、上記のポイントを押さえて、なるべく分配金の安定性が高い銘柄を選ぶことが重要だ。ダイヤモンド・ザイ1月号では基準を満たす「Jリート」を5銘柄紹介しているが、ここではそのうちの2銘柄を抜粋してみたい(※銘柄選定は、アイビー総研の関大介さん。株価は2019年11月5日現在)。
まずは、分配金利回り4.94%の投資法人みらい(3476)。
投資法人みらいは、オフィス主体の総合型「Jリート」。スポンサーの三井物産が不動産事業を強化していることもプラス材料。格付けが、日銀の投資対象となるAA格相当に引上げられる可能性が高く、価格上昇も期待できそうだ。
続いては、分配金利回り4.52%のザイマックス・リート投資法人(3488)。
ザイマックス・リート投資法人は、オフィスと商業施設、ホテルが中核の総合型リート。オフィス主体であることを考慮すると、利回り面で割安感が強い。資産規模は330億円と、市場全体の中では小さいが、核となる物件の取得額が50億円と、物件の分散は一定程度図られている。
さて、ここまで注目の「Jリート」を2銘柄紹介した。ダイヤモンド・ザイ1月号の大特集「何歳からでも始められる【高配当株】で、あんしん老後」では、アナリストが注目する「Jリート」を、あと3銘柄取り上げているので、併せてチェックしてほしい!
【※関連記事はこちら!】
⇒高配当で業績も財務も良好な“優良な高配当株”2銘柄を紹介! 配当利回りが4.1%の「コマツ」、3.3%の「日本空調サービス」は“増配”でさらなる利回り上昇も期待!
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