「夢の配当金生活」実現メソッド

「株」を買う理由は、本当に“増配”だけでいいのか?何歳までに始めるべきなのか?など、株初心者が抱きがちな「増配株投資」の“3つの疑問”をまとめて解決!

【第21回】 2019年11月10日公開(2022年3月29日更新)
個人投資家・立川 一(たちかわ・はじめ)
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 こんにちは、個人投資家の立川です。

 前々回(第19回)前回(第20回)と、2回にわたって「米国株」に関する内容をお届けしましたが、いかがだったでしょうか。最近は個人投資家のブログなどでも「米国株」を取り上げている記事は多く、それらを巡回するだけで有益な情報が手に入るようになりました。しかし、前回の記事で紹介した「米国株」の売買前後に証券口座に残っている「米ドル」と、通貨にかかわる「税金」に関する記事はほとんど見かけませんので、ぜひお役に立てていただければと思います。
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 さて、最近になって、インターネット上でのやりとりだけでなく、オフ会などのリアルな場所で個人投資家さんにお会いする機会が何度かありました。その中で何人かの投資家さんから「増配株投資」に関する質問をされることがあり、その質問に答えながら「連載記事の読者の中にも、同じ疑問を持っている方がいるかもしれない」と感じました。そこで今回は、実際にお会いした個人投資家さんから質問された内容で、読者の方にも役立つ質問と回答を「増配株投資に関するQ&A」としてまとめてみました。ぜひ、「増配株投資」をする際の参考にしてください。

【「増配株投資」への疑問①】
本当に「増配している」という理由だけで
「増配株」を買っていいのか?

 先日、「増配株投資」について、2時間ほどお話をさせていただく機会がありました。私が実際に投資している「増配株」の中から2銘柄を取り上げて、「なぜ、毎年のように増配できるのか」を、ビジネスモデルと財務の両面から説明しました。すると、それを聞いていた方から「増配しているからという理由だけで買うのではなく、ビジネスモデルなどもキチンと分析しなくてはいけないのですね」という質問をいただきました。

 その日はセミナーの講師でしたので、説得力を持たせるためにビジネスモデルなどにも言及したため、このような質問が出たようです。しかし、私は「投資」のために十分な時間が取れないサラリーマン投資家などの場合には、「増配しているから」という理由だけで買っても構わないのではないか、と考えています。

 というのも、まず「増配株」を選んだ時点で「毎年のように配当を増やしても、事業に必要なキャッシュを十分に確保できる、優れたビジネスモデルの会社」を選んでいる可能性がかなり高いからです。「増配株」の中から投資する銘柄をランダムに選んだ場合は、問題のある会社を引き当てるほうが逆に難易度が高いと思います。

 詳しくは、この連載の第2回を読んでいただきたいのですが、「増配株を選ぶ」というのは、優良な銘柄を探すための強力な“スクリーニング(銘柄の条件検索)”になり得ます。海外には「増配株」をメインの投資先として運用しているファンドもあるほどです。
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定期預金の金利より「株の配当」は数百倍もお得!増配銘柄を選べば、自動的に株価下落リスクが低く、優れたビジネスモデルの超優秀な銘柄に投資できる!

 銘柄研究をする時間が十分に取れないサラリーマンが始める場合は、毎年1~2銘柄(投資資金に余裕があれば数銘柄ずつ)の「増配株」に分散投資をして、さらにリスクの低減を図りましょう。万一、保有銘柄の1つに問題が起きても、ほかの銘柄から受け取れる配当で損失をカバーすることが可能になります。こちらも、連載の第4回を読んでいただければと思います。
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増配株への分散投資は、預貯金よりもリスクが低い?配当金だけで投資元本を回収できる期間が短くなり、元本回収後はリスクフリーで高い配当金がもらえる!

 そして、「増配株」への投資を続けていく中で「なぜ、この会社は増配し続けられるのだろうか?」と疑問や関心を持ったときには、その会社のホームぺージに掲載されている事業内容を見て「ビジネスモデル」を調べてみましょう。

 例えば、神奈川県を地盤にして学習塾を経営している「ステップ(9795)」を見ると「少子化が進んでいるにもかかわらず、合格実績を着実に高めていくことによって、生徒をどんどん増やしているな」と感じることでしょう。

 また、主に金融機関向けのソフトウェアを取り扱っている「情報企画(3712)」などは「この会社が販売するソフトウェアには、毎年更新しなくてはいけないデータがあるので、ソフトウェアが売れるたびにストック収入(更新料)増えるのか」ということが理解できると思います。

 ビジネスモデルに興味を持ったら、次は決算説明資料などを見て、実際にどれくらいの売上や利益があるのか、それらが毎年どのように変化しているのかを見てみましょう。増配傾向にある銘柄の場合、大抵は売上も利益も伸びているはずです。

 こうして「増配株」のビジネスモデルや業績の傾向を調べていくことで、上場したばかりの会社でも「こういう事業を営む会社なら、今後も着実に利益を増やし、配当を増やし続けてくれるのではないか?」という見当がつくようになり、「これから増配実績を出しそうな会社=未来の増配株」にいち早く投資できるようになるはずです。

 しかし、多忙で時間が取りにくい中で、無理をしてビジネスモデルの分析に注力して「未来の増配株」を探す必要はまったくありません。なぜなら、過去の増配実績を調べて投資するだけでも、優れたビジネスを持っていて、経営状態もいい会社を探すことになりますので、十分に投資効果が期待できるからです。まずは「増配株投資」を実践してみましょう。自然と事業内容に興味が湧いてくると思いますので、時間にも余裕ができた時点で、次の段階に進むのが理想的ではないでしょうか。

【「増配投資」への疑問②】
暴落時を狙って投資したり、急騰時に売却したりというように
株価の変動を利用して「増配株投資」をしてもいいのか?

 こういう質問をいただいたこともありました。

 「配当目的で買ったのに、株価が急騰したタイミングで売却したり、逆に株価が暴落して配当利回りが高くなったタイミングで投資したりするのは“アリ”でしょうか?

 私は「増配株投資」を実践する方法として、一度に大きな金額を投資するのではなく、証券口座に毎月数万円ずつ入金し、増配株の最低投資額が貯まったら買い、1銘柄ずつ増やしていく「積み立て」方式をおすすめしています

 しかし、これは「お金が貯まったら機械的に買え!」「配当目的だから『バイ・アンド・ホールド(=買ったら持ちっぱなし)』で売ってはいけない!」ということではありません

 投資するつもりだった「増配株」の株価が高くなってしまった場合、無理には買わずに株価が安くなるのを待つのもいいでしょう。逆に、保有していた「増配株」の株価が大きく上がった場合には、保有株をいったん売却して現金化するのもいいと思います。その売却代金で、その時点で配当利回りがもっと高い「増配株」に乗り換えることもできるでしょう。

 何より、株価が安いときに買うことができれば、投資した元本を配当で回収する期間は短縮できます。例えば、配当が年30円の株を1000円で買った場合、投資元本を回収するには34年かかりますが、800円で買えた場合は27年で済みます。さらに、もしも配当が「30円」の株が毎年5%ずつ増配してくれれば、株価が1000円のときに買った場合は元本回収まで20年かかりますが、株価が800円のときに買った場合は17年ほどで元本を回収できます。株価が下がっているときに投資ができれば、これだけメリットがあるのです。株価が下落するときに備えて、「この株がいくらまで下がったら買う」というリストを作成しておいてもいいでしょう。
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 ちなみに、私が投資用の資金を毎月積み立てて、ある程度の金額になったら1単元ずつ買うことをおすすめするのは、とにかく1銘柄でいいので株を購入していただき、投資を始めてほしいからです。

 というのも、実際に株を保有して、配当がもらえたり、株価が変動したりすることを経験するのが非常に大切だと考えているからです。これらを経験すれば、将来、自分が株式投資で資産を築くことを、より具体的にイメージできるようになると思います。

 「株式投資を本格的に始めるほどの資金がなかなか貯まらない」とか「今、この株は高すぎるんじゃないか?」という理由で、株を買うのを先送りするのは、時間がとてももったいないと思います。一刻も早く株式投資を経験することは、何物にも代えがたい財産になるはずです。
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サラリーマンが株式投資する前に準備すべきことは?投資資金とは別に、当面の生活費やiDeCoなどを準備して、株式投資による自分年金作りを始めよう!

【「増配株投資」への疑問③】
「増配株投資」で結果を出すのは時間がかかりすぎて、
若い人向きで、中年以降には不向きなのでは?

 個人投資家が集まった懇親会で、ある年配の方に話しかけられて、「立川さんがおっしゃる『配当で元を取ることでリスクをフリーにする』という増配株投資の手法は理解できました。でもね、私はもう10年とか20年とか、そんなに長い時間は待てないんだよね」と言われたこともありました。

 確かに、私の「増配株投資」の方法は、数カ月や数年のような短期間で結果が出る投資手法ではありません。むしろ、短期間で儲けたいと考える方には不向きな方法で、じれったいと感じる方も多いことでしょう。

 しかし、本当に年配の方々は「短期間」で結果が出るほうがいいのでしょうか?

 今年6月に金融庁の審議会が出した「老後資金が2000万円足りない」という報告書が話題になりましたが、これは「定年退職時に資産が2000万円足りない」というわけではなく、「毎月の生活費として5.5万円が足りなくて、平均寿命まで生きた場合には総額で2000万円が足りない」ということです。つまり、「増配株投資」によって得た配当で「毎月5.5万円(=年間66万円)」を補填できれば、老後資金の心配をしなくて済む可能性があるわけです。

 だとすれば、現時点で45歳なら残り15~20年、50歳なら残り10~15年、55歳でも5~10年は時間があります。さらに、「増配株投資」でいずれ「毎月5.5万円」以上の配当を受け取れるようになるなら、貯金に余裕がある定年退職した直後は「毎月5.5万円」以上を切り崩して“時間稼ぎ”をすることができるので、「増配株投資」で老後資金を準備できる時間はもっと増えることになります。50歳だろうが55歳だろうが、「増配株投資」を始めても十分に時間があると思います。
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「資産運用」は、40~50代から始めても遅くない!40~50代が定年退職や老後に備えて「増配株投資」で資産運用するメリットと注意点をわかりやすく解説!

 しかも、「増配株投資」は投資期間が長くなればなるほど(=長生きすればするほど)、毎年受け取れる配当金は増えていくので、“長生きリスク”にも対応できます。むしろ、「増配株投資」で土台をつくることに成功すれば「長生きしたほうが得」「長生きが楽しくなる」とも言えるのです。

 そのうえ、「増配株投資」は目先の株価の変動に一喜一憂せず、毎年配当が増えていくのをノンビリと待つことができるので、とても穏やかな気持ちで投資を続けられます。「増配株」を選んで分散投資をするだけなので、忙しいサラリーマンでも仕事に打ち込んだり、家族と過ごす時間を大切にしたり、趣味を楽しんだりしながら、着実に老後資金の準備ができます。日々の株価変動にもハラハラしなくて済むので、株価を気にしながらの株式投資よりは精神的な負担も少ないことでしょう。

 私はゆっくりと「増配株投資」で人生をエンジョイしつつ、体も心も健康な状態で長生きしたいと思っています。
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 それでは、今回のまとめです。

【ポイント①】
「増配している」という点に注目するだけでも十分に優秀な銘柄に投資ができるし、ビジネスモデルや業績、財務などにも視野を広げれば「未来の増配株」を発掘して先回り投資も可能になる!
【ポイント②】
「増配株」を買う場合は、毎月、一定額を証券口座に積み立てて、1単元分の資金ができれば機械的に増配株を買ってもいいし、増配株の株価が急落するチャンスを狙って買ってもいい。また、株価が急騰した銘柄はいったん売却して利益を確定し、ほかの増配株に投資をしても構わない。
【ポイント③】
「増配株投資」は「老後資金2000万円」問題の解決策としてもおすすめで、スタートが遅すぎることはない。精神的に穏やかな「増配株投資」で楽しく長生きをして、「増配株投資」のメリットを徹底的に享受しよう!

 さて、次回は各種メディアでもよく特集される「高配当株」について考察したいと思います。「高配当株」は配当利回りが高い株なので、「増配株」よりもわかりやすいのが特徴です。しかし、「高配当株」と「増配株」のどちらに投資するのが有利になるのか、じっくり考えたいと思います。次回もお楽しみに!

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個人投資家・立川 一(たちかわ はじめ)さん
(『Value Investment since 2004 長期に配当収入増加と資産形成を目指す立川一の投資日記』:https://vis2004.blog.fc2.com/)
40代のサラリーマン投資家。中学生のころから株に興味を持ち、2004年から本格的に株式投資を開始。バフェットの本に影響を受け、最初はバリュー投資からスタートしたが、次第に増配株のメリットに気がつき、現在の投資手法を確立する。趣味である楽器演奏の腕前はかなりのもので、週末にはライブ活動も行っているとか。

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1日100万円まで取引は売買手数料無料! 1約定ごとプランの売買手数料も最安レベルで、コストにうるさい株主優待名人・桐谷広人さんも利用しているとか。信用取引の売買手数料と買方金利・貸株料も最安値レベルで、一般信用売りも可能だ! 近年は、各種ツールや投資情報の充実度もアップ。米国株の情報では、瞬時にAIが翻訳する英語ニュースやグラフ化された決算情報などが提供されており、米国株CFDの取引に役立つ。商品の品揃えは、株式、FXのほか、外国債券やCFDまである充実ぶり。CFDでは、各国の株価指数のほか、原油や金などの商品、外国株など多彩な取引が可能。この1社でほぼすべての投資対象をカバーできると言っても過言ではないだろう。なお、国内店頭CFDについては、2023年末まで10年連続で取引高シェア1位を継続。頻繁に売買しない初心者やサラリーマン投資家はもちろん、信用取引やCFDなどのレバレッジ取引も活用する専業デイトレーダーまで、幅広い投資家におすすめ!
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1約定ごと(税込) 1日定額(税込) 投資信託
※1
外国株
10万円 20万円 50万円 50万円
◆SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券)⇒詳細情報ページへ
0円
(1日定額)
0円
(1日定額)
0円
(1日定額)
0円/ 36本
(米国株CFD)
【SBIネオトレード証券のおすすめポイント】
以前はライブスター証券だったが、2021年1月から現在の名称に。売買手数料を見ると、1日定額プランなら1日100万円まで無料。1日100万円超の価格帯でも大手ネット証券より割安だ。そのうえ信用取引の売買手数料が完全無料と、すべての手数料プランにおいてトップレベルの安さを誇る。そのお得さは株主優待名人・桐谷さんのお墨付き。2023年10月に新取引ツール「NEOTRADER」が登場。PC版は板情報を利用した高速発注や特殊注文、多彩な気配情報、チャート表示などオールインワンの高機能ツールに仕上がっている。また「NEOTRADER」のスマホアプリ版もリリースされた。低コストで日本株(現物・信用)やCFDをアクティブにトレードしたい人におすすめ。また、売買頻度の少ない初心者や中長期の投資家にとっても、新NISA対応や低コストな個性派投資信託の取り扱いがあり、おすすめの証券会社と言える。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。

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