“コロナ禍”でも「強気」な業績予想を開示した銘柄のうち、営業利益の伸び率が特に高い銘柄をランキング形式で10位まで発表!
発売中のダイヤモンド・ザイ7月号は、特集「最新決算でわかった【強い株】」を掲載! 今年も3月期決算企業の本決算発表のシーズンを迎えたが、新型コロナウイルスの影響により、今期(2021年3月期)の予想を「未定」とする企業が続出している。その中でも、業績予想をしっかり公開している企業は、先行きを好調と見込んでいる企業が多い。そこで、この特集では、営業利益予想の“伸び率”などを基に、今期強気予想の銘柄をランキング形式で紹介! さらに、アナリストなどのプロが注目する銘柄も紹介するので、新型コロナウイルスに負けない銘柄を見つけたい人は必見だ!
今回は、「今期強気予想の銘柄ランキング」の一部を紹介! 誌面では50位まで公開しているが、ここでは10位までを抜粋するので、ぜひチェックを!
コロナ禍で先行きが見通せず「業績予想」非開示の企業が増加!
そんな局面でもしっかり予想を開示する“強気”の企業に注目!
上場企業にとって一年に一度のビッグイベントでもある本決算。今年もそんな本決算の発表シーズンを迎えたが、ちょっとした異変が起きている。例年、3月決算企業の決算発表は4月末頃から本格化するが、今年は2週間ほどズレ込んだのだ。
経済ジャーナリストの和島英樹さんは、「決算発表が遅れた理由は2つある」と指摘する。1つ目の理由は、多くの企業が、終わった期の決算処理に手間取ったことだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、企業活動は停滞しており、特にメーカーは、在庫や仕掛品のチェックが思うように進んでいない。そのため、決算業務も遅れたというわけだ。
2つ目の理由は、あえて発表のタイミングを遅らせることで、新型コロナウイルスの影響や収束時期を織り込みながら、今期(2021年3月期)の業績予想を出そうとしている、というもの。前期の本決算の結果を発表する際は、今期の業績予想も開示するのが一般的だ。しかし、新型コロナウイルスの影響がどこまで広がるのか見通しづらい今、多くの企業が対応に苦慮している。
その結果、本決算の発表時に業績予想を開示しない企業も増加した。4月中旬時点で決算発表を終えた企業のうち、業績予想を「未定」とした企業は半数近い。その中には、ローソン(2651)や安川電機(6506)といった大企業も含まれる。
だが、もちろん業績予想をしっかり発表している企業もある。コロナ禍の局面においても業績予想を出してくるのは、“自信の表れ”と考えていいだろう。
そこで、ダイヤモンド・ザイでは4月30日までに決算を開示した2月決算・3月決算企業のうち、「今期の業績予想を発表している企業」に注目。さらに、対象企業を「営業利益予想の“伸び率”」が高い順(=今期予想が「強気」の順)にランキングし、上位50社を誌面で公開した(※会社計画の信頼性も加味するため、前期の営業利益が1年前の計画を上回った企業を対象とした)。
ここでは、そのうちの上位10銘柄を抜粋して紹介する。なお、ランキング内の「投資判断」は「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で、RAKAN RICERCAの村瀬智一さんに判断してもらった。
■今期の業績予想を発表済みの2月・3月決算企業で
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順位 | 投資判断 | 実績(20年2・3月期) | 予想(21年2・3月期) | PER (PBR) |
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売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | |||
計画比伸び率 | 計画比伸び率 | 前期比伸び率 | 前期比伸び率 | |||
1位 | ◆ケーヨー(東1・8168) | |||||
強気 | 1076億円 | 5.24億円 | 1040億円 | 17億円 | 30.7倍 (0.94倍) |
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-3.1% | ー% | -3.4% | 224.4% | |||
【銘柄コメント】前期営業黒字に転換し、今期は3.2倍の17億円を計画。外出自粛でホームファニシング部門の伸びを見込む。生活用品の品揃え強化の効果も。 | ||||||
2位 | ◆JMACS(東2・5817) | |||||
強気 | 52億円 | 0.70億円 | 55億円 | 1.14億円 | 22.7倍 (0.57倍) |
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-9.7% | 6.1% | 5.2% | 62.9% | |||
【銘柄コメント】今期は6割営業増益を見込む。テレワークが加速するなか、製造業でもスマート工場に向けた動きが加速しそう。高機能ケーブルなど需要増へ。 | ||||||
3位 | ◆イビデン(東1・4062) | |||||
強気 | 2960億円 | 197億円 | 3100億円 | 270億円 | 26.7倍 (1.49倍) |
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-1.3% | 15.8% | 4.7% | 37.2% | |||
【銘柄コメント】5G向けの半導体パッケージ基板や車載用機器などの需要拡大が見込まれる。積極的な設備投資で、高付加価値製品投入の効果も期待できる。 | ||||||
4位 | ◆市進ホールディングス(東J・4645) | |||||
強気 | 165億円 | 3.08億円 | 166億円 | 3.9億円 | 187.0倍 (1.84倍) |
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-0.8% | 0.0% | 0.6% | 26.6% | |||
【銘柄コメント】学校休業に伴う学力低下が懸念される中、再開後の教育需要が見込まれる。また、オンライン教育など新たな需要喚起も期待されるだろう。 | ||||||
5位 | ◆メディアドゥホールディングス(東1・3678) | |||||
強気 | 659億円 | 18.5億円 | 770億円 | 22億円 | 52.2倍 (9.91倍) |
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9.8% | 23.5% | 16.9% | 18.7% | |||
【銘柄コメント】「巣ごもり消費」により、電子書籍利用が増加。外出自粛規制の長期化でライフスタイルが変化しており、業績に追い風。配当増の期待も。 | ||||||
順位 | 投資判断 | 実績(20年2・3月期) | 予想(21年2・3月期) | PER (PBR) |
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売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | |||
計画比伸び率 | 計画比伸び率 | 前期比伸び率 | 前期比伸び率 | |||
6位 | ◆SBテクノロジー(東1・4726) | |||||
強気 | 583億円 | 30.4億円 | 620億円 | 36億円 | 26.2倍 (3.35倍) |
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8.0% | 1.2% | 6.3% | 18.6% | |||
【銘柄コメント】政府は2025年3月までに行政手続きの9割を電子化する予定。外出自粛で、さらに規制緩和によるデジタル化の流れが追い風となりそう。 | ||||||
7位 | ◆マックスバリュ東海(東2・8198) | |||||
強気 | 2715億円 | 71.5億円 | 3360億円 | 84億円 | 25.0倍 (1.15倍) |
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4.4% | 5.1% | 23.7% | 17.5% | |||
【銘柄コメント】食品スーパーの需要は大きい。地域を支えるライフラインとして全店舗で通常通りの営業時間を継続。ほか自宅で調理できるメニューを紹介。 | ||||||
8位 | ◆プロパティデータバンク(東M・4389) | |||||
強気 | 18億円 | 3.18億円 | 21億円 | 3.7億円 | 21.8倍 (2.88倍) |
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0.9% | 2.3% | 15.3% | 16.4% | |||
【銘柄コメント】4月発表の計画で、2023年3月期まで増収増益。クラウドサービスは着実に拡大。コロナが不動産価格へも影響すると見られ、コンサルも期待。 | ||||||
9位 | ◆インターライフホールディングス(東J・1418) | |||||
中立 | 191億円 | 3.55億円 | 190億円 | 4億円 | 23.5倍 (0.93倍) |
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-4.7% | 77.5% | -0.3% | 12.7% | |||
【銘柄コメント】イベント中止で音響・照明工事は影響が想定されるが、今後は空調設備工事に期待。製造業向け派遣・請負もコロナ収束後は回復が見込める。 | ||||||
10位 | ◆ヨシムラ・フード・ホールディングス(東1・2884) | |||||
強気 | 299億円 | 8.08億円 | 309億円 | 9.1億円 | 58.6倍 (7.18倍) |
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6.0% | 25.3% | 3.4% | 12.6% | |||
【銘柄コメント】M&Aで中小規模の食品会社を傘下に置く。主な販売先はスーパーや量販店で、売り上げは増加傾向。アジア事業を拡大しており、シンガポールでも後継者不在でM&Aニーズが高まっている。 | ||||||
※最低投資金額や利回りは2020年5月7日時点。ランキングは今期の営業利益予想の伸び率が高い順。銘柄コメントはRAKAN RICERCAの村瀬智一さん。 |
ここでは10位までを紹介したが、50位までにランクインした全銘柄の顔触れを見ると、小売りや在宅ワーク、5G関連が目立つことがわかる。
小売りでは、ドラッグストアやホームセンター、食品スーパーなど、日常的に必要なものを扱う企業が並んだ。ホームセンターのケーヨーは、前期に営業黒字に転換し、今期の営業利益の予想は前期の3.2倍となる17億円を計画している。
外出自粛による内食の広がりで、マックスバリュ東海などの食品スーパーも強気の見通し。また、スーパーに食品を販売するヨシムラ・フード・ホールディングスなどの関連業種も恩恵を受けている。
在宅ワーク関連も目立った。遠隔支援システムのJMACSやテレワークを支援するSBテクノロジー、また電子書籍を流通するメディアドゥホールディングスなどだ。こうしたサービスは、新型コロナウイルスが収束した後も、社会活動の変化に合わせて需要が見込めるだろう。
さて、ここまで今期の営業利益予想の“伸び率”が高い銘柄を紹介した。新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの企業が打撃を受けていることから、今は好業績を見込める企業が少ない状況になっている。そのため、今回紹介した銘柄の多くはすでに注目されて、株価が上昇しているが、相場の状況次第では、押し目を狙える局面もあるはずだ。
また、特集「最新決算でわかった【強い株】」では、ランキングの結果を50位まで紹介するほか、アナリストなどのプロが注目する“業績予想が強い株”も取り上げているので、誌面も併せてチェックしてほしい!
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