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「有事の金」は“コロナ・ショック”にも通用したのか?金(ゴールド)価格が株価暴落時にどう動いたのか、金融緩和が今後の値動きにどう影響するのかを解説!

2020年5月28日公開(2022年3月29日更新)
ザイ編集部
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金(ゴールド)は、本当に“有事”に強いのか⁉ リーマン・ショック前後の値動きを振り返るとともに、「コロナ・ショック」後の金価格の展望を専門家が解説!

発売中のダイヤモンド・ザイ7月号は、特集「財産を守るための金(ゴールド)投資」を掲載!「コロナ・ショック」の際は世界的に株価が下落したが、同じように下落したものの、いち早く回復して上昇基調になったのが金(ゴールド)だ。この特集では、そんな金の値動きの特徴や、投資のメリット・デメリット、注意点などを紹介。金に投資する具体的な方法や、ドル建ての金価格と円建ての金価格の違いなども解説しているので、初めて金投資に挑戦したい人なら必見だ!

今回は、特集の冒頭を抜粋し、金が「有事の金」と呼ばれる理由を紹介。過去の“有事”で金価格がどのように推移したかも公開するので、投資の参考にしてほしい!
【※関連記事はこちら!】
「金」投資のメリット・デメリットを紹介! 投資初心者が「金」投資を始めるなら「純金積立」「投資信託」「ETF」のどれが一番おすすめか?

実物資産である「金」の特徴は、相場の下落局面に強いこと!
「コロナ・ショック」で“セルオール”になっても真っ先に回復

「有事の金」は本当か?

 株や債券とは異なり、「実物資産」(そのもの自体に価値がある資産)である金(ゴールド)は、相場の下落局面に強いとされている。そのため、「有事の金」と称されることも多い。それでは、2020年2月下旬から始まった「コロナ・ショック」の際、金価格はどのように動いたのだろうか。日本貴金属マーケット協会代表理事で、貴金属スペシャリストの池水雄一さんは、次のように話す。

 「世界的な株価暴落の初期段階にあたる2月20日頃だと、投資家の反応は、それこそ“有事の金”らしく『買い』でした。いったん下げてもすぐに戻すなど、強さを見せていたのです。しかし、その後も株安はまったく止まらなかった。米国のダウ平均株価が毎日のように1000ドル、2000ドルと下落する状況が続き、ついには安全資産まで売られる局面が来てしまったのです」

 3月に入って、ダウ平均株価は2万7000ドルから1万9000ドル割れまで暴落。投資家の不安が最高潮に達し、株だけでなくリートや債券など、あらゆる投資商品をとにかく売って、現金化する動きが広がった。金も例外ではなく、3月11~19日にかけて売りが続き、NY金価格は1600ドル台から1400ドル台に急落した。

 「『セルオール(sell all)』という、何もかも売られる状況は、リーマン・ショック以来のことでした。しかし、すべての投資先のうち、投げ売り状態が収まって、一番初めに値を戻したのは、やはり金だったのです」(池水さん)

 緊急事態をやりすごした投資家が真っ先にしたことは、安全資産である金の購入だった。

 「しかも今回、金価格はただ単に値を戻すだけではなく、ダウ平均株価がまだ半値も戻していないうちから、急落前の高値を超えて上昇しています(以下のグラフ参照)」(池水さん)

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金(ゴールド)に投資するなら「金ETF」「金鉱株ETF」「金鉱株」がおすすめ! 金価格が急上昇している背景や中央銀行・機関投資家が「金」を保有する理由も解説!

リーマン・ショック後の金価格は安値の3倍まで上昇!
コロナ・ショック後の金価格はそれ以上に値上がりする可能性も

金価格の上昇は続くのか?

 金価格は4月に入ってからも、さらに上昇。4月30日時点では1713.40ドルと、若干の調整が見られるが、はたしてこの先も上昇は続くのだろうか? 結論から言うと、池水さんは「上昇は続く」と見ている。

 「そもそも、昨年から金価格は上昇基調にありました。理由の一つは、米国をはじめとする世界各国で『金融緩和策』が押し進められたことにあります」(池水さん)

 金融緩和とは、中央銀行(日本なら日銀)が政策金利を引き下げたり、国債を買い上げたりすることで、資金供給量を増やすことだ。おもに景気が悪化したとき、経済活動を刺激するために行われる。金融緩和によって市場に大量の資金が流れ込むと、お金の価値は下がる。現金を預けていても利息はほとんどつかない局面で、注目されやすくなるのは、利息こそつかないものの価値がゼロにならない“安全資産”である金だ。実際、こうした背景があって、昨年は金価格が上昇した。

 さらに2020年に入り、新型コロナウイルスが蔓延。米国のFRB(連邦準備制度理事会)は、経済への打撃を抑えるため、無制限の量的緩和策を打ち出した。「これはもう、金価格にとって最大の追い風です。金は上がるしかない!」と池水さんは見る。

 ちなみに、2008年のリーマン・ショックの後も、米国では景気回復のために金融緩和策がとられている。金も一時は株と一緒に売られたものの、あっという間に値を戻して上昇を続け、2011年9月には史上最高値の1923ドルを付けた。これは、リーマン・ショック時の安値の約3倍にあたる。今のところ、今回の「コロナ・ショック」前後の金価格の推移は、リーマン・ショックの際と似ているが、ここから金価格が3倍高になる可能性はあるのだろうか?

 「リーマン・ショックのときと違って、この新型コロナウイルスは出口が見えていません。金融緩和策もまだまだ続くでしょう。そうなれば、金価格はこれからもっと上がる可能性があります。3倍どころではないかもしれませんよ」(池水さん)

 さて、ここまでリーマン・ショック時の金価格の動向や、今後の値動きの展望について抜粋した。ダイヤモンド・ザイ7月号の特集「財産を守るための金(ゴールド)投資」では、金に投資する具体的な方法や、投資するうえでの注意点なども解説しているので、誌面も併せてチェックしてほしい!
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