日経平均は9月19日の9288.53円を高値に調整を続けています。
日経平均の日足チャート（6カ月）。緑が5日、赤が25日、青が75日の移動平均線（出所：株マップ）
前回も当欄で指摘しましたが、7月以降の重要な高値は、7月4日の9136.02円、8月20日の9222.87円、そして、9月19日の9288.53円です。一方、重要な安値は7月25日の8328.02円、9月6日の8646.03円です。結果、7－9月期の日経平均は8300円～9300円のボックス相場ということになりました。
政府と日銀だけがデフレと円高を是正できる
さて、本日から名実共に2012年度の下期相場入りです。しかし、少なくとも現時点において、日本株の相場の先高観が強まり、多くの個人投資家が東京株式市場に回帰することはなさそうです。
日経平均の26週移動平均線（9月28日現在、8950.78円）は11週連続で下落しました。13週移動平均線（同、8885.56円）は7週ぶりに下落に転じました（今週は7月6日の週の9020.75円を上回れば、13週移動平均線は2週ぶりに上昇に転じます）。
なお、9月28日の日経平均終値は8870.16円であり、26週移動平均線も13週移動平均線も、共に下回っています。こうなると、少なくとも、13週移動平均線を上回るまでは、目先の底値を模索する展開がメインシナリオとなるでしょう。
日経平均が底値を模索する状況では、主力株は触れません。成り上がりたいあなたは、このような相場では、国内外の機関投資家が売り買いする大型株は物色対象としては完全に無視し、証券自己やデイトレーダーが売り買いする銘柄群にだけ集中すればよいでしょう。
結局、現時点においていえることは、「円高が是正されない限り、日経平均に春は来ない」ということです。言い換えれば「デフレが是正されない限り、日経平均に春は来ない」のです。円高とデフレの是正は、民間では無理です。政府（財政当局）と日銀（金融当局）が協力してはじめて、脱デフレが可能となります。
しかし、残念ながら、その方向に向かっている兆候はありません。今の政策当局のスタンスは、まさに、「座して死を待つ」スタンスです。
こんな状況では、成り上がりたいあなたが日本を代表する会社の株を買うべきタイミングは未来永劫こないかもしれません（笑）
尖閣デモ後に日本経済はさらに悪化した模様
ところで、本日発表された日銀短観9月調査では、大企業製造業ＤＩはマイナス3と、前回の6月調査から2ポイント悪化しました。
市場予想はマイナス4でしたので、市場の予想の範囲内でした。しかし、今回の回答提出の目安とした基準日は政府が尖閣を国有化した9月11日でした。全体の7割弱が9月11日まで回答したもようであり、今回の数値は、その後の大規模デモや、日系企業の工場操業停止や中国人の訪日観光客の大量キャンセルや日本製品の不買運動の影響は完全に織り込んでいません。つまり、足元はもっと悪化しているとみてよいでしょう。
一方、9月の中国の製造業購買担当者景気指数（ＰＭＩ）は49.8と、景気判断の分かれ目である50を2カ月連続で下回りました。前月に比べると0.6ポイント上昇で、5カ月ぶりの改善でしたが、依然50を下回っているため、中国関連中心に日本株にネガティブに作用する見通しです。このなると、当面、中国関連はアンタッチャブルですね。
調整相場が終わるまでサバイバル投資を続けよ
さらに、例年10－11月はミューチュアルファンドやヘッジファンドを中心とした外国人投資家の決算対策売りで、米国中心に世界の株式市場は下落しやすい需給になります。
このため、成り上がりたいあなたは、日本株の上ばかりみてはいけません。上を向いて歩くのではなく、下を向いて歩くべきです。「いかにして転ばないか」に対して細心の注意を払いトレードを行うべきです。
ところで、9月末で、私の友人・知人だけでなく、友人の友人を含めると結構な数の人が市場から去りました。プロでも儲からない（儲かりにくい）相場だからです。
なお、証券業界を取り巻く環境は依然厳しく、まだまだ、今後もリストラの嵐は吹き荒れる見通しです。つまり、業界縮小の嵐はまだまだ続く公算大なのです。
このような証券氷河期時代でも、成り上がりたいあなたは、調整相場が終了するまでは、小型株の値幅取り狙い投資でやり過ごす、サバイバル投資を心掛けるべきなのです。
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