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米・アンソロピック(Anthropic)がIPOの手続きを進めたことで、
AI・半導体株の一角が買われて、日米の株価を押し上げる流れに
今週も米国市場の動向から見ていきましょう。10月26日のNYダウは反発し、終値で前週末比146.42ドル(0.28%)高の5万2361.58ドル、ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、終値で同214.04ポイント(0.82%)高の2万6169.38ポイントでした。また、SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)の終値は、同304.00ポイント(2.82%)高の1万1083.47ポイントでした。
NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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米国のAI大手・アンソロピック(Anthropic)の新規株式公開(IPO)に向けた手続きが進んだことで、AI・半導体関連を中心としたハイテク株の一角に買いが入り、相場を押し上げました。
10月26日の取引開始直前、アンソロピックは、かねてから注目されていたS-1登録届出書(新規株式公開に向けた目論見書)を米国の証券取引委員会(SEC)に提出しました。早ければ11月16日の週に、ティッカーシンボル「ANT」でナスダック市場に上場する見通しです。
申請書類によると、アンソロピックの今年上半期(2026年1~6月期)の売上高は前年同期比14倍の162億8600万ドルへと急増した一方、純損失は807億ドルにのぼりました。アンソロピックはこの上場で合計1000億ドル以上を調達し、企業価値は1兆5000億〜2兆ドルに達する見通しです。今回のS-1登録届出書の提出により、「市場がまだこれだけの規模のAI企業を受け入れられる」という期待が高まり、AI・半導体株へのポジティブ材料となりました。
10月27〜28日開催の米FOMCでは、FRB高官の発言などにより
「2会合ぶりに政策金利は据え置かれる」との見方が優勢
米国市場において、今週の最大の注目イベントは、10月27〜28日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)です。現在の政策金利は、9月に利上げしたことで3.75〜4.00%です。9月下旬以降、FRB高官から早期の追加利上げに慎重な発言が相次いだこともあり、市場では「2会合ぶりに政策金利は据え置かれる」との見方が優勢です。
しかしながら、原油価格の高止まりを主因にインフレ圧力はいまだに根強いため、ウォーシュFRB議長は9月のFOMC後の記者会見で、インフレ抑制への取り組みを続ける姿勢を強調しており、ハト派に転じることはなさそうです。
ただ、今後の金融政策は、経済指標のトレンドや変化する経済見通しなどを慎重に見極めたうえで判断されるでしょう。この見立て通りであれば、市場はFRBのかじ取りを不安視することはないと見られます。
一方、国内では、10月29〜30日に日銀の金融政策決定会合が開かれます。今回の会合では、1.25%の政策金利を据え置く見通しです。そして、四半期に1度の「展望リポート」では、「基調的な物価上昇率は目標の2%に事実上到達した」との認識を示すと見込まれています。
ただし、2027年度の物価見通しを上方修正し、タカ派的なスタンスは維持するはずです。そうは言っても、日銀は利上げを急ピッチに行わず、「四半期に1度程度」の緩やかなペースで慎重に進めると予想します。このため、日銀の金融政策が日本株を激しく動揺させるリスクは低いでしょう。
GMOインターネットが提供するサービスへのサイバー攻撃など
企業への不正アクセスが相次ぎ、政府も本格的な対策を表明
ところで最近、日本では、企業への不正アクセスによるシステム障害や情報漏洩が相次いでいます。
例えば、GMOインターネットグループ(9449)傘下のGMOインターネット(4784)が提供するFX自動売買向けクラウドサービス「お名前.com デスクトップクラウド」へのサイバー攻撃が話題になっています。このサイバー攻撃では、取引口座のログイン情報などが盗まれ、身に覚えのないFX取引(不正操作)が発生しました。
これに対して、GMOインターネットグループは、同サービスの利用者全員に見舞金5000円を支払い、不正取引による損失を補償するとしています。そして10月24日、本件を「能動的サイバー防御の『発動第1号』事案」と位置づけ、国主導で実効的な措置を講じるよう政府関係機関に対して緊急要請しました。
このような日本の事業者等を狙ったサイバー攻撃により、大規模な情報漏洩被害が相次いでいます。漏洩した情報を悪用した二次被害も発生しています。
このため、赤沢亮正経済産業相は10月23日、ホワイトハッカー(善意のハッカー)の専門部隊を立ち上げる方針を表明しました。さらに政府は、今後のさらなる対策について検討するため、26日に総理大臣官邸にて、サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議を開催しました。
この会議において、高市首相は、財政措置を含め早急に検討・調整を進め、来週中を目途に政府としての「緊急対策パッケージ」を取りまとめるよう、指示をしました。そして「国家サイバー統括室」の情報発信を強化すること、サプライチェーン全体でサイバー攻撃の観測網を整備し、中小企業を含めた迅速な対策につなげる取り組みを前倒しで実施することなどを指示しました。
また、実態を解明したサイバー攻撃に対してはアクセス無害化措置も含め、あらゆる対処オプションを戦略的に選択し、実行することを表明。さらに、同盟国や海外の関係機関と緊密に連携し、攻撃主体の特定など国際社会と一体となった取り組みを進めるよう要請しました。
株式市場では、直接被害を受けたGMOインターネットのような企業には売り圧力が強まっています。一方、不正アクセスやPHP脆弱性、政府の能動的サイバー防御強化などを背景に、セキュリティの需要拡大期待が高まり、関連株の一角が買われています。
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アンソロピックのIPO目論見書の開示をきっかけとした
AI・半導体関連株の見直し買いの継続に期待!
このような投資環境下、10月27日の日経平均株価は前日比1078.72円(1.73%)高の6万3268.37円で終えました。テクニカル的には、25日移動平均線、75日移動平均線をともに下回っており、中期・長期の下落トレンドが発生中と認識しています。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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少なくとも、25日移動平均線を終値で上回らない限り、現在の調整が続く見通しです。調整が一巡するためには、AI・半導体関連株が底打ちすることが必要です。そのためには「米国の新興AIインフラ企業の信用不安が解決に向かうこと」が求められます。
ちなみに、10月27日は、アドバンテスト(6857)、ソフトバンクグループ(9984)、東京エレクトロン(8035)、イビデン(4062)などのAI・半導体関連の値がさ株が日経平均株価を押し上げました。米国のアンソロピックが上場に向けて前進していることが、米国市場同様、日本市場でも関連銘柄の見直し買いのきっかけになりました。
今後については、アンソロピックのIPO目論見書の開示をきっかけとしたAI・半導体関連株の見直し買いの継続を期待します。日経平均株価に関しても、25日移動平均線や75日移動平均線を目指す展開をメインシナリオに据えます。中期・長期の下落トレンドは続いていますが、短期的には25日・75日移動平均線に向けた戻りを狙える局面と見ています。結論として、いったん「弱気」は封印して「逆張りスタンスで買い向かうこと」をおすすめします。
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