IPO株の銘柄分析&予想

「アイスコ」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の冷食販売、スーパーマーケット運営企業との比較や予想まで解説![2021年4月9日 情報更新]

2021年3月5日公開(2022年9月20日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 アイスコ
市場・コード/業種 JASDAQスタンダード・7698/卸売業
上場日 4月8日
申込期間(BB期間) 3月23日~3月29日
おすすめ証券会社 野村證券SMBC日興証券SBI証券楽天証券マネックス証券DMM.com証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 2900円(+45.00%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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アイスコが4月8日にIPO(新規上場)!

「アイスコ」の公式サイトより

 アイスコは、2021年3月5日、東京証券取引所に上場承認され、2021年4月8日にIPO(新規上場)することが決定した。

 アイスコは1952年5月28日に設立された。「フローズン事業」では、関東及び東海エリアを中心に13拠点の物流センター・営業所と約300台の配送用のトラックを所有し、主にドラッグストア、食品スーパー等の小売店で販売されるアイスクリーム及び市販用冷凍食品の卸売を行っている。

 「スーパーマーケット事業」は、神奈川県を中心に「スーパー生鮮館TAIGA」を8店舗、テナントとして2店舗展開している。生鮮3品(青果・鮮魚・精肉)を強みとして、大手スーパーとの差別化を図っている。

【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

アイスコのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 3月19日
ブックビルディング(抽選申込)期間 3月23日~3月29日
公開価格決定 3月30日
購入申込期間 3月31日~4月5日
払込日 4月7日
上場日 4月8日

アイスコのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2021年3月22日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
野村證券(主幹事証券) 95.7
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SMBC日興証券
[最短3日で取引可能]
3.0
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SBI証券
[最短翌日に取引可能]
0.4
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楽天証券
[最短翌日に取引可能]
0.4%
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マネックス証券
[最短翌日に取引可能]
0.4%
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DMM.com証券
※委託販売の配分がなかったため取扱中止
 

アイスコのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 1750
仮条件
[予想PER(※2)
1750~2000円
8.5倍~9.7倍]
公募価格 2000円
初値 2900円
初値騰落率 +45.00%
予想トレーディングレンジ(※3) 2000円~3500円
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2021年3月18日ザラバの株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 16.8倍
伊藤忠食<2692> 17.9倍(連)
三菱食品<7451> 16.3倍(連)
加藤産業<9869> 16.3倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割安と判断できる。

アイスコの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 182万2500株(予定)
公開株式数 公募21万7500株  売出31万5500株
(オーバーアロットメントによる売出7万9900株)
想定公開規模(※1) 10.7億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

アイスコはアイス・冷食卸のJQ上場

 アイスクリーム・冷凍食品(冷食)卸販売を行うフローズン事業及び生鮮食品スーパーの展開を行うスーパーマーケット事業の運営を行う。売り場に直接陳列して納品する「フルメンテナンスサービス」を主として提供し、小売業の人手不足を補い、店舗に陳列の業務負担をかけることなく商品を販売できるという付加価値を付けたサービスを提供している。

 食品卸はIPOで人気のある事業と言えず、目前に迫った来期の減益見通しからも成長イメージは持ちにくいだろう。ただ、公開規模に荷もたれ感はなく、株価バリュエーションも割安感が意識されそうな水準。個人投資家にはなじみやすい事業内容であり、一定の関心を集めそうだ。

 公開規模については10億円あまりとなる見込み。ベンチャーキャピタル株主は見当たらず、需給面は比較的良好だろう。2社同時上場の影響も軽微とみる。

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アイスコの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2018/3 32,991
(―)
831
(―)
416
(―)
2019/3 35,214
(6.7%)
419
-49.6%
223
-46.4%
2020/3 36,728
(4.3%)
212
-49.4%
144
-35.3%
2021/3推 40,231
(9.5%)
764
259.9%
485
235.7%
2022/3予 41,993
(4.4%)
539
-29.5%
377
-22.3%
2020/12 3Q 31,514
(―)
880
(―)
567
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:206.86円/-円
※予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの。

アイスコの業績コメント

 2022年3月期の業績は、売上高が前期比4.4%増の419.9億円、経常利益が同29.5%減の5.3億円と増収減益の見通しとなっている。

 同社が属する食品流通業及びスーパーマーケット業については、「巣ごもり消費」による中食・内食需要が増加した反面、景気後退による更なる消費マインドの停滞から節約志向、低価格志向の傾向は強まってきている。このような情勢のなか、同社は食を通じた社会貢献を目標に、取引先との関係強化を図るとともに、効率的な物流網の構築や、地域密着型の店舗運営を推進、食料品等の安定供給に努めてきた。

 フローズン事業については、ディスカウントストア、ドラッグストア等との取引が伸長したことや中食需要が高まった。スーパーマーケット事業については、顧客や従業員の安全・安心、健康面を最優先に考え、様々な感染拡大予防策を講じたうえで、店舗運営を進めてきたが、中食・内食需要が高まり、青果、鮮魚、精肉の生鮮3部門が伸長した。

アイスコの詳細情報

■基本情報
所在地 神奈川県横浜市泉区新橋町1212番地
代表者名(生年月日) 代表取締役社長 相原 貴久(昭和46年5月24日生)
設立 昭和27年5月28日
資本金 7500万円(令和3年3月5日現在)
従業員数 651人(令和3年1月31日現在)
事業内容 アイスクリーム・冷凍食品(冷食)卸販売を行うフローズン事業及び生鮮食品スーパーの展開を行うスーパーマーケット事業の運営
■売上高構成比率(2020/3期 実績)
品目 金額 比率
フローズン事業 27,342 百万円 74.4%
スーパーマーケット事業 9,386 百万円 25.6%
合計 36,728 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 株式会社 KANコーポレーション 67万5000 42.06%
2 相原 敏貴 36万7500株 22.90%
3 相原 貴久 15万株 9.35%
4 アイスコ従業員持株会 7万9500株 4.95%
5 江崎グリコ株式会社 7万5000株 4.67
6 相原 久子 5万2500株 3.27%
7 青木 哲也 4万5000株 2.80%
7 野口 みゆき 4万5000株 2.80%
9 山本 宗男 1万6500株 1.03%
10 浅井 功 1万5000株 0.93%
合計   152万1000株 94.77%
■その他情報
手取金の使途 フローズン事業の拡大を見据えた設備投資資金として充当する予定
関係会社
VC売却可能分(推定) -社 -株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 -年-月-日
割当先
発行価格
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アイスコの銘柄紹介

 同社は、「I Care Everybody Company ~あらゆる人々に慈しみの心をもって接する企業でありたい~」という企業理念を掲げ、アイスクリーム・冷凍食品の卸売業を行うフローズン事業、食品スーパーマーケットの運営を行うスーパーマーケット事業を通して、食を通じた社会貢献を目標に、常に顧客に喜んでもらうことを目指して事業を行っている。

(1)フローズン事業

 同社フローズン事業は、関東及び東海エリアを中心に13拠点の物流センター・営業所と約300台の配送用のトラックを所有し、主にドラッグストア、食品スーパー等の小売店で販売されるアイスクリーム及び市販用冷凍食品の卸売を行っている。

・商品

 同社の取り扱うアイスクリームは、一般社団法人日本アイスクリーム協会の調査によると、2019年の市場規模は5151億円となり、冷凍食品は、女性の社会進出などを背景として、近年市場が拡大している。アイスクリーム・冷凍食品の商品知識を備えた営業担当者を育成し、小売業のニーズに応える商品提案を行っている。

・サービス

 ドラッグストアなど、バックヤードに冷凍庫がなく少人数で運営する店舗においては、アイスクリーム・冷凍食品の性質上溶解が発生してしまうため、すぐに売場の冷凍ケースに陳列しなければならない。同社は、アイスクリーム・冷凍食品の専門の卸問屋として、「ドロップ納品」(商品をバックヤードに置いてくるだけの納品スタイル)ではなく、売り場に直接陳列して納品する「フルメンテナンスサービス」(得意先の売り場に直接商品を納品し、売り場づくりまで同社の配送員が行うサービス)を主として提供しており、小売業の人手不足を補い、店舗に陳列の業務負担をかけることなく、商品を販売できるという付加価値を付けたサービスを対価を得て提供している。

 フルメンテナンスサービスのなかには、同社社員が得意先に代わって需要を予測し発注する、発注サービスも提供している。また、物流業界は深刻な人手不足、ドライバー不足となっているが、同社の配送は、通常9割を自社社員が行い、残り1割を協力会社等に委託している。自社社員で配送することで、きめ細かいサービスを提供するとともに、フルメンテナンスサービスの質を高める教育を積極的に行い、得意先の開拓、拡大を図っている。

(2)スーパーマーケット事業

 同社スーパーマーケット事業は神奈川県を中心に「スーパー生鮮館TAIGA」を8店舗、テナントとして2店舗展開している。同社の強みである生鮮3品(青果・鮮魚・精肉)に注力することで、大手スーパーとの差別化を図っている。生鮮3品については、鮮度・品質・品揃え・価格に徹底的にこだわり、より良い商品、美味しい商品を、より求めやすく提供できるよう不断の努力を続けている。

 同社の直営店舗は、出店立地の環境に応じ、主に売場面積150坪から320坪の範囲で店舗展開を進めている。商品の供給については、鮮度を重視するため、早朝に市場にて、担当バイヤーが青果・鮮魚を買い付けている。知識・経験豊富なバイヤーが買い付けた商品が、その日のうちに店頭に並び販売される、つまり当日仕入れ当日販売を行うことによって、鮮度にこだわっている。

アイスコの投資のポイント

 食品卸はIPOで人気のある事業と言えず、目前に迫った来期の減益見通しからも成長イメージは持ちにくいだろう。ただ、公開規模に荷もたれ感はなく、株価バリュエーションも割安感が意識されそうな水準。個人投資家にはなじみやすい事業内容であり、一定の関心を集めそうだ。2020年以降、公開規模10億円以上15億円未満のジャスダック上場案件は5社あり、公開価格に対する初値騰落率は平均+94.6%。直近では今年2/26上場で原薬を手掛ける室町ケミカル<4885>が+73.7%という初値を付けている。

 2020年3月期実績で売上高の74.4%を占めるフローズン事業は、関東及び東海エリアを中心に13拠点の物流センター・営業所を所有し、主にドラッグストア、食品スーパー等の小売店で販売されるアイスクリーム及び市販用冷凍食品の卸売を行っている。

 アイスクリーム・冷凍食品の専門の卸問屋として、「ドロップ納品」(商品をバックヤードに置いてくるだけの納品スタイル)ではなく、売り場に直接陳列して納品する「フルメンテナンスサービス」(得意先の売り場に直接商品を納品し、売り場づくりまで同社の配送員が行うサービス)を主として提供しており、小売業の人手不足を補い、店舗に陳列の業務負担をかけることなく商品を販売できるという付加価値を付けたサービスを提供している。

 同25.6%を占めるスーパーマーケット事業は、神奈川県を中心に「スーパー生鮮館TAIGA」を8店舗、テナントとして2店舗展開。売上高の21.5%が(株)クリエイトエス・ディー、19.1%が(株)ドン・キホーテ及びそのグループ会社向け。

 業績面について、2022年3月期は売上高が前期比4.4%増の419.9億円、経常利益が同29.5%減の5.3億円と増収減益の見通しとなっている。2021年3月期は売上高が同9.5%増の402.3億円、経常利益が同3.6倍の7.6億円となる見込みで、コロナ禍による一時的な需要増加や販売促進活動の制限等が業績を押し上げたようだ。2022年3月期はこれらが正常化に向かう一方、得意先の出店や冷凍食品の市場拡大が見込まれている。

 想定仮条件水準の(2022年3月期)予想PERは8~9倍程度。業績期待は高まりづらいかもしれないが、食品卸大手などと比較すると十分に割安感がある価格設定となっている。なお、配当実施を予定しているが、具体的な金額は現時点で未定。

 公開規模については10億円あまりとなる見込み。相原敏貴会長と貴久社長、それに資産管理会社で発行済株式の74.3%を保有し、ベンチャーキャピタル株主は見当たらない。株式需給は比較的良好だろう。また、4/8はアイ・パートナーズフィナンシャル<7345>が同時上場するが、このところIPO銘柄全般に投資家の取引参加姿勢が積極化しているため、初値買い分散などの影響は軽微とみる。

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[データ提供・銘柄分析]フィスコ 

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◆SMBC日興証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。
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【SMBC日興証券】
IPOの主幹事数が業界トップクラスで
2022年には24社のIPOの主幹事を務める
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