個人投資家の「株で勝つ!」投資手法を徹底解剖!

「投信積立」をベースに“資産1億円”を達成した実例を公開!「20%の利益が出たら売却⇒積立額を増やして投信積立を再開」を繰り返し、効率的な運用に成功!

2021年11月28日公開(2022年4月13日更新)
ザイ・オンライン編集部
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“資産1億円”を「バランス型」のインデックスファンドの積立など達成した個人投資家の“オリジナル売買ルール”を紹介!

ダイヤモンド・ザイ2022年1月号の大特集は「株・投資信託・ETFで目指せ1億円!」。この特集では、日本株や米国株、投資信託などで資産1億円を達成した個人投資家の実例を紹介している。今回はこの特集から「たった1本の投資信託の積立」をベースに、資産1億円を達成した井上はじめさんの実例を公開!
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「世界経済の成長の波」に乗るために、
バランス型のインデックスファンドを毎月10万円ずつ積立!

 井上はじめさん(36歳)は、学生時代に「世界の経済成長」に関する新聞記事を読み、衝撃を受けた。記事には、過去20年で世界の人口は増加し、それに伴ってGDPは3.6倍に膨れ上がったと書かれていた。そのとき、井上さんは「今後も、世界の人口とGDPは成長が見込める。そこに投資すれば、30年後に4倍になるかも」と考えたという。

 こうした経緯から、井上さんは社会人になると同時に、世界経済の成長に乗れる投資信託の積立を開始。「世界中の株や債券が組み込まれた、バランス型の投資信託1本を積み立てれば十分」と考えたことから、シンプルに1つの商品だけを選択した。
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 ここまでならよくある話かもしれないが、井上さんのすごいところは社会人1年目で月給が22万円のときから、毎月10万円を捻出して積み立てていたこと。毎月10万円ずつ積み立てれば、30年間で元本は3600万円になる。もし、世界経済の成長が想定どおり続けば、30年後には元本が4倍になって、1億円を突破するかもしれない――という想定の下、井上さんは毎月10万円を投資し続けた。

20%の利益が出たら売却し、積立額をアップして再開!
今では毎月60万円を投資信託の積立に回す!

 ところが、積立を始めたのが2007年で、2008年にはリーマン・ショックが発生。2009年には、投資元本が半減する事態に見舞われる。それでも「長期で見れば、世界経済は成長します。いつか終わりが来るバーゲンセール中だと思って、毎月10万円ずつの積立を続けました。もちろん不安はありましたが、一方で景気が回復したときのことを考えると、ワクワクしました」(井上さん)

 実際、世界経済は次第に回復。2013年になると、5年間マイナスだった井上さんが保有する投資信託の評価額が、わずか1年で2倍以上に膨れ上がった。「やっぱり、今までバーゲンセール中だったんだと確信しました」(井上さん)
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 しかし、リーマン・ショックを経験したことで、暴落相場の直撃は避けたい、と考えるようになった井上さんは、投資スタイルをブラッシュアップしている。

 まず、2013年にそれまで積み立てた投資信託をすべて売却。そこから、新たに”10年計画”で再度積立を始めた。「景気は10年で1サイクル。過去、1929年の世界恐慌でも株式相場が低迷したのは5~6年でした。積立期間が10年あれば、暴落に直面しても、再び景気の回復を捉えることができると考えました」(井上さん)

 また、ある程度の運用益が出たら売却し、暴落のダメージを和らげることもルール化した。具体的には「積立額(元本)から+20%の利益が出たら売却する」ことにしたのだ。逆に、途中で評価損益が-20%になったり、4年間で一度も+20%にならなかったりしたときは「景気後退期に積み立てていた可能性が高い」と考える。その場合、景気回復に向かう局面で大幅上昇が狙えるので「+20%ではなく+100%での売却を目指す」こともルール化した。

 もちろん、現金化した資金は寝かせておくわけではなく、積立額の増強に充てる。2013年に、いったんリセットしてから積立を再開したときは、月々の給料から捻出する10万円に加えて、投資信託の現金化で増えた資産も上乗せし、毎月26万円を積立に回すようになった。

 また、井上さんは2014年以降、積み立てた投資信託を3回売却。その都度、積立額を増やすことを繰り返している。要するに、2~3年サイクルで積立をリセットして、積立額をパワーアップさせてきたわけだ。
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 この手法だと「暴落に直面して資産が大きく減るかも……というプレッシャーがなくなり、精神的にもいい。ルールどおり2019年12月に売却したので、2020年3月のコロナ・ショックでも、資産の毀損が少なく済みました」と井上さんは話す。これまで暴落で精神的ショックに苦しめられた人は、ぜひ参考にするといいだろう。

 ただ、このやり方だと2~3年で売却タイミングを迎えてしまい、現金が運用に回らず余りがちに。そこで井上さんは、投資信託以外の資産での運用にも挑戦している。不動産投資や、暗号資産(仮想通貨)などだ。

 なかでも、暗号資産は元本500万円⇒1700万円まで増えた。とはいえ「投資信託は月1回の積立でいいですが、暗号資産は値動きが激しいので、毎日積み立てています。元本が何パーセント増えたら売却するかなど、運用ルールもまだ模索中です」とのこと。

 投資信託の積立では、元本の2200万円が4000万円以上となり、その他の投資も順調に増加したことで、井上さんの資産は1億円超に。今後も、積立の運用先や方法を進化させながら、着実に資産を増やしていく予定だ。
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