【今回のまとめ】
1.債務上限引き上げ問題を巡る話し合い開始のニュースで先週の市場は高かった
2.しかしオバマ大統領は下院案をあっさり退けた
3.新しく上院案が練られているが、交渉は難航中
4.Xデーは、17日か、22日から31日の間
5.この間も米国政府機関の一部閉鎖は続いている
6.財政の三重苦はじわじわと米国経済に悪影響を及ぼす
7.ジャネット・イエレンが次期FRB議長に指名されたのは相場にプラス
8.交渉が前進するためには株式市場急落などのショックが必要
先週は債務上限引き上げ問題の対話開始で相場は高かった
先週10月10日(木)に米国債務上限引き上げ問題を巡って下院共和党とオバマ大統領が話し合いを開始すると報じられ、ダウ工業株価平均指数が+323ポイント急騰しました。週間ベースではダウ工業株指数が+1.0%、S&P500指数が+0.75%と堅調でした。この中でナスダック総合指数だけが-0.4%とマイナスを記録しました。
下院案は頓挫
しかし金曜日の引け後にオバマ大統領が下院案のほとんど全ての項目に対し不服を表明し、話し合いは物別れに終わりました。
このため上院が下院案とは別の案をまとめることになりました。共和党の中では穏健派と言われるスーザン・コリンズ上院議員が中心となって、上院案がまとめられている最中です。民主党は「この際、歳出一斉削減の取り決めを白紙に戻せ」と主張しており、合意への道のりはいっそう険しくなった観があります。
デフォルトの期限が迫ってきているので、急いで法案を通過させる必要があります。ちなみに米国財務省は10月17日前後に政府の手持ちキャッシュが底をつくと試算しています。これとは別に超党派政策センターによる試算では下のグラフのように最悪のシナリオでは10月22日、ベストのシナリオでは10月31日までにキャッシュがなくなると試算されています。

米国政府機関一部閉鎖は続く
この債務上限引き上げ問題とは別に、10月1日から始まっている米国政府機関一部閉鎖は今も続いています。この政府機関一部閉鎖が長引いた場合、景気の足を引っ張る可能性があります。
既に始まっている財政削減も影響する
米国政府は春ごろから歳出一斉削減を含む様々な財政削減を始めており、国際通貨基金(IMF)はそれらの財政削減措置がGDPの2.5%押し下げるとしています。

つまり現在の米国経済は債務上限引き上げ問題、政府機関一部閉鎖問題、今春から始まっている一連の財政削減という三重苦に苛まれているわけです。
米国景気の先行きには楽観論が強い
その割には米国の景気の先行きに関しては、楽観的な考え方が根強いです。
その証拠にフェドファンズ先物の動きを見ると、まだ5月(青)より高い水準にあり、今後景気が強含むにつれて政策金利が引き上げられることを市場が織り込んでいる様子が見て取れます。なおグラフ中、「t」とは「タイム」の意味で、「t+12」は12カ月先、「t+24」は2年先、「t+36」は3年先という風に読みます。

オバマ大統領はジャネット・イエレンを次期FRB議長に指名
先週、オバマ大統領は現在連邦準備制度理事会(FRB)副議長を務めているジャネット・イエレンをベン・バーナンキの後任に指名すると発表しました。なおこの指名は上院の投票で承認される必要があります。投票の時期に関しては、まだ明らかにされていません。
ジャネット・イエレンは現在FRBが実施中の非伝統的緩和政策の枠組みを考案した本人です。このため切り上げ時が話題になっている債券買い入れプログラムに関しても、彼女は誰よりも良く知っているし、現状の政策の維持を主張しています。それは債券買い入れプログラムの縮小は、当分無いということを意味します。議会が迷走しているにもかかわらず、アメリカ株が大きく崩れていないのは、このためです。
ジャネット・イエレンがベン・バーナンキの後を継ぐということは、FRBの政策の継続性という点では理想の展開です。なおバーナンキはFRB内部でコンセンサスを形成することに注力しましたが、イエレンはバーナンキほど全員一致にこだわらないと言われています。
株が高いうちは債務上限引き上げ交渉は進まない
現在のアメリカの議会政治を見ると、下院は共和党、上院は民主党が支配しています。法案や予算を成立させるためには両院での承認が必要です。今は下院案を上院が、上院案を下院が否決すると言う風に、お互いにキャンセルし合う構造になっています。
共和党は社会福祉政策などで政府予算が雪だるま式に膨張することを喰い止めることを主張しています。民主党はこれとは正反対に年金生活者、低所得者、老人などに対する手厚い保護を政策の柱とすることで有権者の支持を取り付けてきました。つまり両党の主張は根本的に真っ向から対立しているのです。
個々の議員は党からのサポートで選挙に勝ち、議席を守っているわけですから、ちょっとの事では党派主義(パルチザンシップ)を改めようとはしません。
この両党の頑な態度が崩れるためには、株式市場が急落するなどのショックが必要です。
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
| ※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2025年12月1日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
| ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約4900銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
|
【SBI証券のおすすめポイント】 |
|
| 【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
| ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシアなど)と幅広い銘柄がそろっており、米国株の信用取引も利用可能! 指定の米国ETF15銘柄については買付手数料が無料で取引ができるのもお得。米ドル⇔円の為替取引が0円と激安! さらにNISA口座なら、米国株の売買手数料が完全無料(0円)。米国株の注文受付時間が土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。米国株式と米国株価指数のリアルタイム株価、米国株オーダーブック(板情報)、さらに米国決算速報を無料で提供。ロイター配信の米国株個別銘柄ニュースが、すぐに日本語に自動翻訳されて配信されるのもメリット。米国株の積立投資も可能。米国株の貸し出しで金利がもらえる「貸株サービス」も行っている。 |
|
| 【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
| ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【マネックス証券のおすすめポイント】 外国株式の取り扱い銘柄数はトップクラス! また、米国株の買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)となるキャンペーンが長期継続しており、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」の対象22銘柄は、実質手数料無料(キャッシュバック)で買付が可能。米国株の積立サービス「米国株定期買付サービス(毎月買付)」は25ドルから。コツコツ投資したい人に便利なサービス。米国株は、時間外取引に加えて店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。しかもNISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」「銘柄スカウター中国株」が無料で利用できる。 |
|
| 【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
| ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5000銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【松井証券のおすすめポイント】 米国株の売買手数料は他の大手ネット証券と同水準なうえ、為替手数料は完全無料(0円)とお得!さらにNISA口座では、米国株の取扱手数料が無料に! 米国株でも信用取引が可能で手数料が業界最安水準。2025年7月から米国株のプレマーケットに対応し、日本時間18時(夏時間は17時)から取引が可能になったのもメリット。さらに投資情報ツール「マーケットラボ米国株」や専用の取引ツール、リアルタイム株価が無料、夜間での取引に便利な返済予約注文(IFD注文)、米国株専用ダイヤル「米国株サポート」や「株の取引相談窓口(米国株)」などが特徴となっている。また、米国株専用の「松井証券 米国株アプリ」は、リアルタイム株価の表示に加え、米国株の情報収集から資産管理、取引までスマホで対応可能だ。 |
|
| 【関連記事】 ◆【松井証券のおすすめポイントは?】1日50万円以下の株取引は手数料0円(無料)! その他の無料サービスと個性派投資情報も紹介 ◆「株初心者」におすすめの証券会社を株主優待名人・桐谷広人さんに聞いてみた! 桐谷さんがおすすめする証券会社は「松井証券」と「SBI証券」! |
|
| ◆moomoo証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約6300銘柄以上 | <現物・信用取引>約定代金の0.132%(上限22米ドル) |
| 【moomoo証券のおすすめポイント】 米国やカナダ、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなどグローバルにサービスを展開するネット証券。米国株には特に力を入れており、取扱銘柄数は業界トップクラス。売買手数料も大手ネット証券の4分の1程度だ(ただし売買手数料の上限は22米ドルと他社と同水準)。さらに、為替手数料が無料なので、米国株の売買コストのお得さでは頭ひとつ抜け出している。米国株に関するデータや情報も充実。最大上下60本の板情報や過去20年分の財務データ、大口投資家の売買動向など、銘柄分析に役立つさまざまな情報が無料で利用できる。24時間取引に対応しているので、日本時間の昼間にも売買が可能。1ドルから米国株を買うこともできる。取引アプリには対話型AIの「moomoo AI」を搭載。米国株の基礎知識から米国市場の動向、銘柄分析まであらゆる質問に答えてくれるので、米国株初心者には力強い味方となるだろう。 |
|
| 【関連記事】 ◆【moomoo証券のおすすめポイントを解説】米国株投資家には特におすすめの米国生まれのネット証券! プロレベルの高機能ツールやAIツールも魅力! |
|
| ※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |



































