家は人生最大の買い物で最大の資産。物件選びや住宅ローンの選択、その後の返済や売却でアナタの資産状況は大きく変わる。これらで失敗しないことが貧乏人生に陥らないカギとなる。多くの人が失敗したマンション&一戸建購入に潜むワナ20を紹介しよう。
買う前のモデルルームや物件情報にも
巧妙な騙しが隠されているので要注意!
マンションでも一戸建てでも物件選びで失敗するとリカバリーはほぼ困難。大金を投じるわけなので慎重さが求められる。夢が先行することで見失いがちな、物件や立地に潜むワナには注意が必要だ。そこで今回は、ダイヤモンド・ザイの特集「買う前・買う時・買った後!家購入に潜む100の罠」の中から、まずは買う前のワナ10を解説。
【ワナ1】
「大規模マンションなら安心」は過去の幻想!
1000戸以上の大規模マンションのメリットは、1戸当たりの負担は少ないまま、共用設備や管理を充実させられること。
しかし、その裏には住民が多すぎて合意形成が難しいなどのデメリットもいっぱい。簡単な補修や規約の改定も決定までに数年かかることはザラ。さらに住んでいる人が多いため、顔を覚えることが困難で治安も悪い。様々な議決では、派閥形成も見られ住み心地も悪化する。
中古での購入検討者も、そうした事情を知ると購入意欲が低下するので値崩れも早い。
【ワナ2】
高層マンションに潜む駅まで○分の大ウソ!
高層マンションの住人の頭痛のタネがエレベーター渋滞。朝は特にラッシュで乗るだけで10分以上も待つことも。急いでいるのに乗った後も各階に停まるのでストレスは溜まる一方だ。エレベーターは最低でも50戸に1台は必要だと言われているので購入前に、戸数とエレベーター数を比較して確認を。
【ワナ3】
今人気の地域ほど将来は値崩れ地域
買うときに競争率が高かった地域は、その後も次々大規模マンションが建つことが多い。そして時が経ち10年を経過したあたりから中古物件が続出することになる。そうなると、建てられた数か多いことから値崩れしやすくなるのは当然。そして誰かが売り急いで安値で売却すれば、その価格が基準となってしまう。ちなみに日照や眺望次第で差はあるが、一般的には1階下がるごとに0.5~2%の価格差が生じる。マンション群だと近隣の類似の条件の中古物件も大量に出るため値崩れは必至だ。
【ワナ4】
高層マンションの修繕は未知のリスクまみれ
高層タワーマンションの歴史は浅く未知の領域だらけ。大規模修繕では足場を組めるのか、組めたとしてもコストはいくらか、といったことが不明。住民が高齢者だらけになった際に起きる問題など、未知なるリスクがいっぱいだ。
【ワナ5】
駅まで○分の基準は競歩並みのハイペース
「駅まで○分」という表示の鵜呑みは厳禁。この元になるのは上り坂でも階段でも分速80mの早足ペースが前提。信号待ちも考慮されていない。しかも敷地の端から、最も近い駅の改札までの距離だ。「駅まで5分」の物件でも、改札内を歩き続けるなど電車のホームに着くまで20分以上かかることはザラにある。
【ワナ6】
地価が下がった地域はさらに下がるのが常識
景気が上向くと地価が上がるエリアがある。一方でバブル崩壊後は一貫して下げ続けているエリアもある。そんなエリアは「安くなったから」と手を出すと、買った時をピークに資産価値が下がり続けることに。公示地価は過去の分まで国土交通省のホームページで確認できるので、必ず地価のトレンドを確認すること。
【ワナ7】
豪華なモデルルームはオプションで化粧済み
モデルルームのキッチンや床材、扉などはオプションの最高級品が多用されている。同じ仕様にしたら、100万~300万円かかると思っていい。また家具や家電をほとんど置かず部屋を広く見せている。モデルルームは「化粧」しているという前提で見学を。
【ワナ8】
子供ありならあの施設を確認しないと命取り
新興住宅街や郊外では近隣に保育園がないため共稼ぎを続けられず、世帯収入が減る夫婦が少なくない。保育園の有無だけではなく「空き状況」も重要。近くにあっても満員で入れず、自転車で毎朝毎夕に30分ずつかけて遠方の保育園まで送迎する夫婦や、月額約10万円をかけて民間の保育園を利用する夫婦も。
【ワナ9】
相続対策の2世帯住宅でよく起こる登記ミス
親子で同居していれば、「小規模宅地の特例」が適用され、相続する自宅の土地の評価が8割も控除され、大幅な相続税の節税が可能だ。
例えば、都心部では普通の庭付き一戸建てでも評価額が1億円程度となり、子ども1人が相続するとなると15年からは1220万円もの相続税が発生する。しかし、この特例が適用されれば土地の評価は2000万円まで減額され、相続税はゼロとなる。
2世帯住宅なら、玄関が別々で独立したタイプの家でも同居扱いとなるのだが、例えば1階の親世帯と2階の子世帯の住まいを別々に登記すると「別の家」とみなされ特例は不適用に。
【ワナ10】
「坪30万円」など格安建築費のトリック
格安をうたう一戸建て建築費は「本体価格」。水道管の接続や外装の工事費を加えれば結局、総工費は2倍弱かかることに。
購入の決断前には必ず再点検、
資金計画次第で総支払額は天と地に!
買いたい物件が見つかった後に、必ずと言っていいほどぶつかるのが住宅ローンの問題だ。住宅ローンでは、金利や返済期間のわずかな違いが大きな差を生む。そこで、ダイヤモンド・ザイの特集「買う前・買う時・買った後!家購入に潜む100の罠」の中から、資金計画など物件を選んだ後の支払い(ローン)などに関する買う時の【ワナ10】を解説。
【ワナ11】
賃貸より購入がトクと勘違いする初歩的ミス
「買うのと借りるの、どちらがトクか」を比較する際に間違いやすいのは、家の価格と家賃総額を比較する点。比較するなら「家の価格+ローン利息+管理費等+固定資産税」と「家賃+更新料や礼金」だ。ちなみに3000万円を金利3%、35年ローンで借りた場合、利息だけで1849万円もかかる。
【ワナ12】
諸経費を忘れて組んだローンで家計が破綻
住宅ローン返済以外の管理費など諸経費はバカにならない。資金計画で見落としがちで、ローン破綻の要因に。
【ワナ13】
ローンで借りられる額と返せる額は別モノ
銀行は貸し出し競争が激化しているため審査のハードルは下がっているが、「借りられる額」と「返せる額」は別。税金と社会保険料で収入の25%は取られ、そこから教育費や老後準備費用などもかかる。さらに諸経費も必要なので熟考を。
【ワナ14】
年収の20%以内の返済でも家計は破綻
資産も家計構造も異なるのに「返済は年収の20%以内なら安全」といった宣伝を鵜呑みにしてはいけない。むしろ、購入前と購入後で、家計に占める住居費が変わらないかがカギとなる。
【ワナ15】
ありえない前提で計算した変動金利の末路
現在は日銀の超金融緩和もあり史上最低の金利水準。住宅ローンの変動金利も1%未満だ。大半の返済モデルは、この最低金利が返済まで続くことが前提だ。当然、借りた後に金利が上がれば返済額は増える。日銀と政府の目標はインフレ(金利上昇)であることは意識しておきたい。
【ワナ16】
「家賃並みで買える」はセールスの常套句
「家賃並みで買える」はセールスの常套句で【ワナだらけだ。例えば返済モデルはたいてい35年ローン。アナタが35歳なら70歳まで払い続ける前提だ。繰上げ返済や退職金で一括返済することになり、結局は家賃以上を払うことに。
【ワナ17】
見せかけの低金利で釣る銀行の居酒屋商法
飲食店の「お通し代」や「サービス料」のように銀行にも裏コストがあることも。代表的なのが「事務手数料」。融資額の2%+消費税が多い。3000万円を借りたら事務手数料だけで約65万円もとられる。都銀のホームページなど、ネットでローンの総支払額を試算できるので、実際に負担することになる金額を算出して、本当にトクなローンかどうか比べてみること。
【ワナ18】
保証料の保証という言葉はウソでひどいワナ
高コストな保証料だが、これはアナタが返済不能になった際に保証会社がアナタに代わって銀行に返済する制度。ただしアナタは免責にならず、保証会社へ返済を続ける義務がある。「保証料」は金利に0.2~0.3%上乗せされることが多い。3000万円を借りた場合(金利3%、期間35年)なら保証料0.3%の上乗せで約213万円も支払額が増える。保証料のない金融機関を選ぶこと。
【ワナ19】
○○保険付きのローンを選んで結局大損
ガン保険付き、3大疾病保険付きのローンが増えている。当然、保険料が無料なわけがなく、金利に0.3%程度上乗せとなり途中解約もできない。必要に応じて医療保険や所得補償の保険に加入したほうがオトク。
【ワナ20】
フラット35を都銀で借りて失敗!
「フラット35」は住宅取得支援機構(旧住宅金融公庫)の融資を銀行が窓口となって貸し出すもの。注意点は窓口となる銀行によって金利や手数料が異なること。実は都銀は自行のローンを優先しているため消極的。ネット銀行や地銀のほうが低金利。
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