今期業績が2桁増益と好調なのに予想PERが1桁という好業績&割安株ランキングが載っている。業績の裏付けがあるにもかかわらず、割安なまま放置された株は、何らかのニュースをきっかけに株価急騰となる期待も大きい。市場の注目を集める前にチェックしよう。
日経平均のPERが15倍前後のなかで
5倍程度まで下落した好業績株もあった!
今期の業績が2桁以上の増収・増益見込みにもかかわらず、PERが低い株を紹介する前に、まずはPERについて簡単に解説しておこう。PERとは、株価を1株あたりの利益で割って算出した株価収益率と言われる指標のこと。今回は原則として、今期の最終利益がいくらになりそうか会社が発表した予想数字に基づき計算された1株あたりの利益で株価を割って算出している。この数値で、今の株価が会社が稼ぐ利益の何倍まで評価されているかを測ることができる。数値が低ければ、それだけ株価は割安で、高ければ割高というわけだ。
とはいえ、割安なら買って安心、割高なら買ったら損、と単純に言い切れないのが難しいところ。2年後、3年後といった長期的な成長が期待されれば、現状のPERが多少高くても、結局割安ということで、その後も株価が上昇することもあれば、その逆になることもあるからだ。
また、商社や銀行など業種によって慢性的に低PERになりがちな株があったり、「日本人の投資家には最もポピュラーな指標でありながら、外国人投資家でPERを話題にする人は少ない印象を受ける」(岡三証券の小川佳紀さん)という指摘もある。
さて、グラフを見てほしい。今年に入って、株価は乱高下したが、日経平均のPERはおよそ15倍前後で推移している。ところが、今期も増収・営業増益の予想でありながら、5倍程度のPERまで下がってしまった銘柄も見受けられる。
スマートグリッドやクラウド関連など
将来性あるテーマを持った株も存在!
では、ここから具体的な銘柄を紹介していこう。まず、高層建築の外壁で60%超のシェアを誇る高橋カーテンウォール工業(1994)。今年に入ってからのPERはほぼすべての期間で10倍未満という割安放置株の典型。しかし、業績も計画上振れとなっており、今は押し目買いのチャンス。10万円以内の予算で買えるのも魅力だ。
次は大井電気(6822)だ。前期決算が発表された5月頃に495円の高値をつけた後、調整の動きが続いている。PERは35倍から5倍程度へと低下した。この会社は、三菱電機系で今では懐かしい「ポケットベル」を1963年に開発し、他社に先駆けて世に送り出した実績がある。しかし、知名度がなく、出来高も少なく、業績の割に低PERで放置されている割安株の典型とアナリストは見ている。スマートグリッド(次世代送電網)関連としての将来性も備えているという。
情報システムの企画開発などを展開するKYCOMホールディングス(9685)も前期の第3四半期決算が発表された後、PERは25倍近くまで上昇。その後、株価は調整し、PERは6倍程度にまで低下した。クラウドコンピューティングサービスの拡大が期待され、テーマ性はバッチリだ。
不動産関連の中にも、有望な低PER株は多い。不動産は市況や景気に業績が大きく左右される)ため、元々低いPERになる傾向があるが、その会社固有の問題がなければ、安心感は高い。中でも、コスモスイニシア(8844)のように、首都圏や近畿など人口減少が見られない地域で展開する会社が有望だ。
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