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【第189回】 2015年12月1日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 2万円が近くて遠い。強いけど、上値の重い展開。足元の日経平均株価はそんな感じです。直近は、11月26日の1万9992.44円、翌27日の1万9994.05円が、それぞれザラ場高値となり、2万円を超えることができませんでした。3カ月ぶりの高値圏で、利益確定売りが出易いのでしょう。

日経平均株価チャート(日足・1年)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 一方、法人実効税率の2016年度に29%台への引き下げや、2015年度補正予算の編成など、安倍政権の経済運営に対する期待も根強く、下値は下値で堅いですね。

 相場を力強く押し上げている投資主体は外国人です。また、仮需の裁定買いも強力な押し上げ要因です。11月第3週(16~20日)の投資部門別株式売買動向では、外国人の買越額は2447億円と、5週連続で買い越しました。第4週も強い動きでしたので、おそらく、6週連続で買い越したとみています。また、11月20日時点の裁定買い残(期近・期先合計)は8週連続増加しました。金額ベースでは、前週比5340億円増の3兆5654億円と、6月5日時点の3兆7640億円以来、約5カ月ぶりの高水準にまで積み上がっています。

 一方、11月第3週(16~20日)まで、個人投資家は8週連続で売り越し、年金の売買動向を反映するといわれる信託銀行は4週連続で売り越しました。2万円付近でセッセと買うのが順張りの外国人で、売るのが逆張りの個人と年金という需給の構図となっています。

今後は「裁定解消売り」と「小型株の節税売り」に注意

 裁定買い残の上積み余地は乏しくなってきたとみていますので、今後、最も懸念するべきは、この高水準に積み上がった裁定買いの急激な巻き戻しです。

 海外発の悪材料が出たりして、相場の先安観が強まると、先物にヘッジ売り圧力が強まり、先物価格が理論価格よりも割安になり、その結果、「先物買い+現物売り」の裁定解消売りが断続的に誘発され、日経平均株価の下落ピッチが加速するリスクが高まったとみておくべきです。なお、リスクが高まったとはいえ、悪材料が飛び出し、短期チャートが明らかに崩れない限り、裁定解消売りの加速、日経平均株価の急落ということにはつながりません。それでも、下落の加速装置となり得る、裁定買い残の積み上がり具合は、やはり、留意しておく必要があります。

 また、個人投資家の関与率の高い新興市場銘柄中心に、小型株に関しては、節税売り圧力が強まることも意識しておくべきですね。

 師走相場入りで、譲渡益税をなるべく少なくしたいとのニーズから、保有株式の損出し売りが例年出易いからです。とりわけ、現在の株価が年初来高値を大幅に下回り、足元で弱い動きを続けている小型株には注意が必要です。年末接近で見切売り圧力が強いと観測されるからです。逆に、年初来高値近辺で推移している小型株は、投機資金流入を誘い、強い動きを続けることでしょう。しかしながら、先述の「裁定解消売りが断続的に誘発され、日経平均株価の下落ピッチが加速する」ような局面になったら、この強い小型株達も無事では済みませんね、おそらく・・・。

12月の基本戦略は「日替わり物色を前提に日銭を稼ぐこと」

 大型株に関しては、日経平均株価2万円付近では、個人と信託銀行が売り続ける見通しです。このため、目先は大型株は弄りたくないアクティブ個人(信用取引を積極的に活用したり、短期売買を繰り返す専業個人など)が多いでしょう。

 一方、小型株に関しては、需給の悪いものは弄りたくないはずで、弄るのは需給のよいものだけに絞られる可能性が高いとみています。つまり、小型株については、「こんな高いところ買えないよ」という銘柄がガンンガン上がり、「さすがにこの株価は安いだろう」という銘柄はますます叩き売られることになると考えます。

 なお、当然のことなら、いずれどこかで、その流れが反転するはずです。しかし、「強い銘柄がガンガン上がる+弱い銘柄が叩き売られる」局面から、次に来るステージは、「弱かった銘柄は下げ渋る+それまで強かった銘柄のナイアガラ」だと思います。12月はIPOが19社予定されています。投機資金はそちらにも分散される見通しです。

 こういった状況なので、基本は「日替わり物色を前提に日銭を稼ぐこと」に徹した方がよさそうです。相場環境が悪いわけではないので、ザラ場中は、回転率を上げてガンガン値幅取りに集中する。資金をぶち込むのは、その日人気のテーマ株。しかし、余程のことがない限り、「オーバーナイト」はしない。ましては、「オーバーウィークエンド」はご法度。そんな慎重スタンスが望ましいと考えます。その日の勝負はその日に決める。平日の夜と、土日は「オールキャッシュ」でいきましょう。(笑)

明日に持ち越すのはストップ高で張り付いたテーマ株だけだ

 足元の人気テーマは、具体的には、「自動運転」「育児・子育て」「介護・介護ロボット」「民泊」「インバウンド」などですね。

 新しいところでは、「有機EL」「LED」ですね。有機ELに関しては、米アップルが「iPhone(アイフォーン)」の表示装置として有機ELパネルを採用する」と伝わったことがきっかけになりました。一方、LEDに関しては、「蛍光灯、実質製造禁止へ 20年度めど、LEDに置換」と報じられたことがきっかけです。今後も、この手の報道や政府方針などきっけに、人気化するテーマも浮上する見通しです。

 しかし、「今日の値上がり率上位は、明日の値下がり率上位」という前提で、テーマ株と付き合うべきです。明日に持ち越すのは、ストップ高に張り付いた銘柄だけにしときましょう。ストップ高を剥がれた銘柄はいったん利益確定し、明日の気配をみて考えるべきです。

 今年も残すところ、わずか1カ月。アクティブ個人にとって、8月~10月相場はメチャクチャ儲けにくかった相場でした。しかし、11月4日の郵政3社上場が成功したことで、相場のムードは劇的に改善し、儲け易い状況になっています。目先は、テーマ株が次々と順繰りに物色されるはず。是非、そんな相場で、クリスマスプレゼント代や、餅代、帰省代、お年玉費用、年末年始の旅行代などを、ガンガン稼いでください。(笑)

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