利益がすべて非課税になるNISA口座の投資限度額が、これまでの100万円が2016年から120万円に拡大。このNISAのメリットを最大限に活かすため、2015年のNISAの傾向を分析し2016年の使い倒し方を紹介しよう。
1月に買いが集中する傾向が明らか、
年初の出だしの高値掴みに要注意!
2年目となった2015年のNISAだが、多くの人はどんな売買をしたのだろうか。月ごとのNISAでの買付額を見てみると、1年目の2014年と同様に、2015年も1月の買付額が最多。14年も年始と年末に買付が集中したが、2015年もその傾向は変わらなかったようだ。一方で、2015年の買いチャンスとなった8~9月の買いチャンスとなった急落時には買付額が減少し、大きく反発した後の局面で増加となった。
2015年は結果的に、1月の安値を底に8月まで上昇相場が続いたが、どこで下落相場がくるかはわからない。もし、1月が高値となった場合は、大きな損となるので出だしの大量買いは要注意だ。勝ち組は下落局面こそ買い場と、急落を待っているもの。資金を残して、9月の安値で買えたら、高成績になったはずだ。
初心者はNISAも、4月から始まるジュニアNISAも、リスクを抑えるために投資信託を毎月同額を積み立てるのがベスト。個別銘柄に投資する際も、買いタイミングを分けて、リスクを抑えることが大切だ。
コツコツと値上がり益狙いの投資信託で
コストも意識し資産増を狙う人も多数!
次に、NISA口座での投資先を見てみよう。まずどんな投資信託が買われたのかを見てみると、上位10本のうち6本が分配型投資信託となり、相変わらず分配金狙いで買う人が多いことがうかがえる。ただし、上位にはかなり高リスクのタイプが多いので、基準価額の変動が激しい点には注意。現に、上位4本の高分配を出す投資信託は2015年1~11月の騰落率はマイナスとなっている。高分配に気を取られず、基準価額の下落を加味した本当の利回りもチェックしたうえで投資を決めてほしい。
◆NISAで買われた投資信託 高分配型のほか成長型で長期の資産増加を狙う人も多い! |
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投資信託名 | 2015年の 騰落率 |
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1 | 損保J日本興亜-好配当グローバルREIT プレミアム・ファンド通貨セレクトコース |
-7.8% | ||
2 | 三菱UFJ国際-ワールド・リート・オープン (毎月決算型) |
-1.1% | ||
3 | 楽天USリート・トリプルエンジン(レアル) 毎月分配型 |
-20.2% | ||
4 | 大和住銀-日本株アルファ・カルテット(毎月分配型) | -9.7% | ||
5 | ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンド | 14.5% | ||
6 | 三井住友TAM-SMTグローバル株式 インデックス・オープン |
0.7% | ||
7 | 日興-ラサール・グローバルREITファンド (毎月分配型) |
0.2% | ||
8 | 三菱UFJ国際-グローバル・ヘルスケア& バイオ・ファンド(愛称:健次) |
13.5% | ||
9 | ひふみプラス | 21.2% | ||
10 | 損保ジャパン・グローバルREITファンド (毎月決算型) |
0.4% | ||
※2015年10月末の保有残高でランキング。データは楽天証券、カブドットコム証券、SBI証券、マネックス証券の合算。騰落率は15年1~11月のもの。 |
一方で、基準価額の上昇を狙うタイプの投資信託も、4本ランクイン。日経平均株価に連動するニッセイ日経225インデックスファンドや、世界の株価指数に連動するSMTグローバル株式インデックス・オープンなど手数料が安いインデックス型が人気。さらに、8位には日経平均株価を上回ることを目指すアクティブ型で好成績のひふみプラスも入っている。
高分配型だけでなく、こうした値上がり益狙いの投資信託も積極的に組み入れて、非課税制度を最大限に活かすことを狙っている人も多いようだ。
NISA以外でも多くの投資をしているなら
NISAにハイリスク資産を集中させること!
最後に、個別株では何が買われたのかを見てみよう。
上位には、みずほフィナンシャルG(8411)や三井物産(8031)、三菱UFJフィナンシャルG(8306)といった2%超の高配当の大型株がランクイン。
◆NISAで買われた株べスト15 | ||||
銘柄名(コード) | 最低購入額 | 配当利回り | 最新株価 | |
1位 | みずほフィナンシャルグループ(8411) | 3万円 | 2.98% | |
【投資判断】主力の金利収入は利ざや低下。政策保有株を2018年度までに3割削減する意向を表明。 | ||||
2位 | 三井物産(8031) | 15万円 | 4.14% | |
【投資判断】上期の純利益は41%減益。業績は悪いが、配当利回り4%超は魅力的。 | ||||
3位 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) | 8万円 | 2.21% | |
【投資判断】現在の利益は高水準。1000億円の自社株買いの発表は資本蓄積が十分との表明だ。 | ||||
4位 | トヨタ自動車(7203) | 78万円 | 2.98% | |
【投資判断】主力の金利収入は利ざや低下。政策保有株を2018年度までに3割削減する意向を表明。 | ||||
5位 | オリエンタルランド(4661) | 70万円 | 0.50% | |
【投資判断】9月以降、好天候もあり来園数が戻り、業績は回復傾向。優待人気で堅調相場が続く。 | ||||
6位 | 東芝(6502) | 31万円 | ー | |
【投資判断】今回は悪材料は出尽くしで「中立」。企業風土を変えることが先決か。 | ||||
7位 | 日経平均レバレッジ・インデックスETF(1570) | 2万円 | ー | |
【投資判断】今回は悪材料は出尽くしで「中立」。企業風土を変えることが先決か。 | ||||
8位 | イオン(8267) | 19万円 | 1.45% | |
【投資判断】総合スーパーのテコ入れ、不動産・金融の好調で業績は改善傾向。優待も大人気。 | ||||
9位 | キヤノン(7751) | 38万円 | 4.06% | |
【投資判断】主力事業が衰退期に入ってきたため弱気。医療に焦点を当てるも相当な時間が必要。 | ||||
10位 | シャープ(6753) | 13万円 | 0.00% | |
【投資判断】上期は251億円の営業赤字。リストラ費用がかさみ、純損失は836億円に。 | ||||
11位 | マツダ(7261) | 26万円 | 1.14% | |
【投資判断】ディーゼルへの風当たりが不安視されるが、販売台数が2桁近く伸びており影響は軽微。 | ||||
12位 | 丸紅(8002) | 7万円 | 3.02% | |
【投資判断】上期は減益も想定内。前期で減損が一巡。低PERの高配当株として上昇が継続へ。 | ||||
13位 | ANAホールディングス(9202) | 35万円 | 1.44% | |
【投資判断】原油安、羽田発着枠獲得により国際線が1割強伸び上期は5割増益。利益上振れ余地も。 | ||||
14位 | 住友商事(8053) | 13万円 | 3.72% | |
【投資判断】他の商社と比べると資源の比重が低いため、資源価格の下落局面では相対的に優位。 | ||||
15位 | 東京電力(9501) | 8万円 | 0.00% | |
【投資判断】足元業績に関わらず、原発事故の影響で、長期にわたり無配が続く見通し。 | ||||
※2015年1月~10月の買付額でランキング。データは楽天証券、カブドットコム証券、SBI証券、マネックス証券の合算。。トヨタ自動車とキヤノンはアナリスト予想の配当利回り。 |
一方で、成長株に投資している人も多い。2014年と異なるのが、日経平均レバレッジ・インデックスETF(1570)が6位にランクインしたこと。日経平均株価の2倍の値動きをするETFで、積極的に値上がり益を狙う投資家の姿も浮き彫りになっている。
どんなに利益が出ても税金がゼロになるのがNISAのメリット。NISA以外に預金や国債などの安全資産を多額で持っているなど、資金に余裕がある人は高リスクの株をNISAに集中するのもありだ。
さらに、2015年1~11月でNISA口座の残高を200万円超にした人が投資している銘柄ベスト10では、大型株ではなく、新興市場の株や中小型株が並ぶ結果に。1位のカルナバイオサイエンス(4572)は年初から一時は6倍になったバイオ関連株だ。
◆NISA口座の時価残高200万円超の人が投資している銘柄のベスト10 | ||
銘柄名(コード) | 最新株価 | |
1位 | カルナバイオサイエンス(4572) | |
2位 | FPG(7148) | |
3位 | 丸和運輸機関(9090) | |
4位 | ディア・ライフ(3245) | |
5位 | ダブル・スコープ(6619) | |
6位 | スターゼン(8043) | |
7位 | 日本調剤(3341) | |
8位 | セプテーニHD(4293) | |
9位 | アイティメディア(2148) | |
10位 | テクノスジャパン(3666) |
また、2位のFPG(7148)や3位の丸和運輸機関(9090)なども年初から一時株価が3倍になっている。こうした成長期待のテーマ株も一部に組み入れて、税金ゼロの効果を利用し資産アップを狙うことも必要だ。
ところで、今発売中のダイヤモンド・ザイ2月号(表紙は堀北真希さん)には、「買っていい×買ってはいけない!人気株500の売り・買い診断」が載っている。NISAにもバッチリのオススメの高配当株や株主優待株、そして10万円株などが満載だ。さらに、今絶対買ってはいけない株も一目瞭然。2016年の株投資とともに、保有株の現状チェックにダイヤモンド・ザイ2月号を役立てて欲しい。ザイ2月号には、「いつ買う?いつ売る?郵政3社で長期でも短期でも損しない方法」「プロ71人が集結!株全予測&儲け方」も載っている。
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149本 | 137〜2200円 (約定代金による) |
− | 540 | − |
【SMBC日興証券の新NISA口座のおすすめポイント】 2023年11月から投資信託情報サービス「日興の投信NISA」を開始。数多くの投資信託のなかからおすすめの21本に絞り込んでいるうえ、「なにごともバランスが大事よ」「私は世界の成長にかける」といったタイプごとに5〜6銘柄をピックアップしてくれるので、自分好みのNISA対応ファンドを選ぶ助けになる。SMBC日興証券では一部の投資信託で買付手数料が必要となるが、積立購入(投信つみたてプラン)の場合は全銘柄で買付手数料が原則無料となるので、上手に活用したい。 また、外国株式は、オンライントレードでは取引できないので注意しよう。単元未満株取引「キンカブ」は「100円以上、100円単位」の金額指定で株が買えるのがメリットで、dポイントでも株式投資ができる。「キンカブ」は売買手数料は無料で、100万円以下の買付ならばスプレッドも0%となっている(100万円超の買付時や売却時はスプレッド0.5~1.0%)。 |
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。※1 年会費無料のクレジットカードの場合。※2 1約定ごとプランで約定金額240万円までの売買手数料。 |