自力で何千万円も用意する必要はない
「老後にもらえるお金」を今から整理しておこう
もう一度、前ページで紹介した自分の老後資金の計算式を出しておきます。
■老後に必要になる資金を計算してみよう! | ||
項目 | 計算式 | 金額 |
60~65歳の 5年間の生活費 |
月( ① )万円×12カ月×5年間 | ( ② )万円 |
年金が不足する場合、 年金と生活費の差額 |
月( ③ )万円×12カ月×25年 | ( ④ )万円 |
介護費、葬儀代 | (介護費300万円+葬儀代200万円)×2人分 | 1000万円 |
住居費 | 月( ⑤ )万円×12カ月×30年 | ( ⑥ )万円 |
必要な老後資金の合計金額 | ( ⑦ )万円 |
続いて、計算式の③(年金が不足する場合、年金と生活費の差額)を埋めるには、自分の年金がどれくらい入ってくるのかも知っておく必要があります。ついでに、年金だけでなく、その他に老後にもらえるお金も把握しておきましょう。
老後にもらえるお金には、次のようなものが考えられます。
◆年金
◆退職金
◆保険金(個人年金保険・貯蓄目的で加入した終身保険など)
◆親などからの遺産
年金については、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」や、日本年金機構が運営する「ねんきんネット」で、現時点での給付予定額を確認できます。
年金は今後目減りする可能性も高いので、不確定な目安がわかるだけではありますが、まるで掴んでいない人は、大まかな金額だけでも知っておきたいところです。
確定拠出年金は、元本割れする商品で運用している場合だと、もらえる金額が大幅に上振れ、あるいは下振れする可能性もありますが、とりあえずプラスマイナスゼロとして、いくらくらい戻ってくるかは把握しておきましょう。自営業者の人は、国民年金基金、小規模事業者向けの共済などに加入しているかもしれません。これらも、老後にどの程度受け取れるか調べてみてください。
また、退職金については、大まかな金額は勤務先で確認することができます。今のうちから、どれくらいもらえそうか知っておくといいでしょう。会社の先輩などに聞いてみるのもいいかもしれませんね。
続いて、加入している保険をチェックすることも必要です。保険に入りっぱなしで、毎年届く保険証書の中身にさえ、きちんと目を通していない人もいるのではないでしょうか。いくらの保険金が、いつ入ってくるか確認してみてください。昔入ったままの終身保険を、どのタイミングで解約するといくら戻ってくるのか、改めて考えることも大切です。
年金や保険のほか、老後に入ってくる可能性があるのは、親の遺産です。これも人によって大幅に違いますが、最初から期待しないほうがいいのか、ある程度は遺してもらえそうなのか、事前に知っておきたいものです。聞きづらいかもしれませんが、絶対に聞いておいたほうがいいでしょう。
危険なのは、「実家にはそこそこ資産がありそうだから、遺産で何とかなるし、自分の老後資金については心配しなくていいだろう」と、憶測で判断してしまうことです。
例えば、「親が土地や山をいくつも持っている」と安心していたのに、いざそれらの不動産を相続して売ろうとしたら、まったく売れない(あるいは安値でしか売れない)場合などが考えられます。遺産をあてにして、老後資金をあまり貯金していなかったとすると、老後破産に一直線……ということも考えられます。このパターンはわりとよくあるようなので、心当たりがある人は注意しなければなりません。
これらの老後にもらえるお金をかき集めると、例えば必要老後資金が4000万円だった人でも、2000万円くらいまで圧縮できることもあるでしょう。
何千万円ものお金が一気に必要になるわけではない
働き続ければ「資産の延命」が可能になる
さて、ここまでのところで、自分にとって必要な老後資金が大まかには計算できたでしょうか?
予想よりも、自分で用意すべきお金が少なかった人もいれば、思った以上に金額が膨らんでしまった人もいるでしょう。特に、自営業の人だと年金が少なくなるので、「5000万円も貯めなければいけない」などと、愕然としてしまった人もいるかもしれません。
ただ、5000万円必要だったとしても、老後に大金が一度に必要になるわけではありません。老後はお金がじわじわと出て行くわけですから、老後に突入した途端、いきなり困窮する可能性は低いです。
ずっと困窮しないようにするために、できることがあります。それは、なるべく長く働いて、収入が途絶えない状況を作ることです。
55歳や60歳以降は、全盛期よりも給料が減ってしまうケースが多いようですが、今は65歳までの安定した雇用が会社に対して義務づけられています。定年延長や再雇用など、会社の制度も確認しておきましょう。60歳で退職してしまい65歳の年金支給まで無収入となってしまうのは、セカンドライフ資金へのダメージが大きいです。
かつて1000万円もらっていた人が、60歳以降150万円しかもらえなくなったら、やる気がなくなって退職したくなるかもしれません。ですが、5年間働けば750万円もの稼ぎになるわけですから、無収入と比較するとバカにできないでしょう。働ける限りは、手取りが大きく減っても働くようにしてみてください。
年齢を重ねて、そんなに働きたくないという人もいると思いますが、65歳以降もなるべくなら仕事を見つけるべきでしょう。長く働けば働くほど、貯金の取り崩しの時期を遅らせることができます。
これは希望的観測ですが、少子高齢化で高齢者人口が増加しているため、今後は少しずつ70歳くらいまで働ける会社も出てくるかもしれません。その場合はラッキーだと考えて、会社員を続けてください。
会社員でなくとも、働き口はあります。アルバイトでもいいでしょう。もし、アルバイトがイヤだという場合は、資格の取得を検討し、例えば介護について勉強しておくなど、早いうちに長く働くための算段をつけておきたいところです。
老後対策の方法の一つが「不動産投資」
ハードルは高いが、老後の貴重な収入になる
さて、私自身はといえば、老後対策だけが目的ではありませんが、不動産投資をしています。今では夫婦でマンションを4室所有し、そのうちの1室に住んで、3室は賃貸に出しています。ローンの返済をしていますが、60歳前後あたりまでには完済し、家賃を老後費用の足しにする心づもりです。
私の場合、1室目のマンションは深く考えずに20代のときに買ってしまい、その後、慌てて勉強したくらいなので、不動産投資は見切り発車ではありました。不動産投資には少なからずリスクがありますし、今はローンが組みやすくなっている反面、都市部では不動産価格が上昇しているので、誰にでもおすすめできるものではありません。
ですが、私の場合は早めに不動産投資をしておいたことで、老後も所有する不動産からの家賃収入が得られるというだけでも、将来への不安感が薄らぐのは確かです。そのため、興味がある人は不動産投資の勉強をしてみるといいでしょう。また、運用の勉強をするというのもおすすめです。
老後の不安を取り除く方法は、貯金をすることだけではありません。貯金はもちろん大切ですが、収入が細々とでも続く環境づくりをしていくことも、同じくらい大切です。そのためには、ずっと働けるよう健康でいることも大切ですね。
節約して貯金を増やし、健康に気遣って過ごす。ごく当たり前のことのようですが、それが家計の破綻を回避して、幸福な老後を過ごすための第一歩なのかもしれません。
(取材・構成/元山夏香)
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