世界の機関投資家がベンチマークとして使用する
「MSCI」とは?
世界の機関投資家が、運用の際、ベンチマークとして最もよく使用するのが「MSCI」と呼ばれる指数です。
MSCIは、もともとモルガンスタンレー・キャピタルインターナショナル(Morgan Stanley / Capital International)の頭文字をとったもので、ニューヨークの投資銀行モルガンスタンレーとカリフォルニアの大手運用会社キャピタル・インターナショナルが共同で開発したベンチマークです。
その後、MSCIは別会社としてスピンオフし、今ではニューヨーク証券取引所に上場しています。
いずれにせよ、MSCIの提供する株価指数は、実際に機関投資家が世界で買うことのできる市場に流通している株式をベースにしている点でユニークであり、それが世界の機関投資家に支持されている理由でもあります。
MSCIは沢山の種類の株価指数を出しており、その多くはインデックスファンドやETF(上場型投信)として商品化されています。このため、MSCI指数に採用された銘柄は、インデックスを意識した運用者からの買い注文が入ります。
MSCIが「中国A株」の比率の引き上げを発表!
それにより200億ドル相当の買い圧力が発生か
2月28日にMSCIは、MSCI各指数における中国A株の比率を3段階のステップを経て引き上げてゆくと発表しました。
現在、中国A株は、MSCIエマージングマーケット(EM)指数の僅か0.72%しか占めていません。しかし、今年5月、8月、11月の3回にわけてその比率をアップしてゆき、最終的には3.33%へもってゆくと発表しました。
これにより、11月までに、中国A株には少なくとも200億ドル相当の買い圧力が生じるというのが市場関係者の見方です。
それと引き換えに、香港、レッドチップ、ニューヨークのADRなどで取引されている「その他の中国株」の占める割合は、少し減じられます。同様に韓国、台湾、インド、南アフリカ、ブラジルなどの比率も引き下げられます。
中国政府が金融緩和に転じたことも
中国市場には追い風に!
加えて、中国株にはもうひとつ買い材料があります。それは、中国が金融緩和へと舵を切ったことです。
中国政府は、去年の春先までシャドー・バンキングを抑制する意図から、引き締め気味の金融政策をとっていました。その関係で、固定資産投資伸び率は、かつての+20%から現在は+6%を切る水準まで下がっています。
しかし、米中貿易戦争が激化したことを受けて、政府は方向転換し、いまは緩和に転じています。
一例として、銀行に対するリザーブ・リクワイヤメント比率(預金準備率)は、数次の引き下げにより、かつての20%から13.5%にまで下がりました。
もうひとつ、中国国内の「金回り」が良くなっているデータがあります。それは1月の人民元建て融資額が4.64兆人民元(=約6850億ドル)に上ったことです。
1月は、春節との絡みで銀行の融資額が伸びやすいです。しかし、それを考慮に入れても、今年の1月の数字は目を見張る水準でした。これは、単月の伸びとしては過去最高でした。
主に融資を実行しているのは、政府系銀行です。それらの融資総額は3.57兆人民元でした。去年までの過去3年における1月の融資額の平均は約2.5兆人民元なので、今回の数字はそれより4割以上大きかったのです。
このようにして供給された資金は、コモディティ、不動産、株式などに向かうと思われます。
「中国A株」市場の時価総額上位300銘柄で構成される
インデックスファンドがおすすめ!
さて、今回のMSCIによる中国A株の指数構成比率アップで一番恩恵をこうむる銘柄は、ヴァンエック・ベクトル中国A株ETF(ティッカーシンボル:PEK)だと思います。
ヴァンエック・ベクトル中国A株ETFはCSI300指数に連動したインデックスファンドで、老舗の運用会社・ヴァンエックによって運用されています。中国A株市場が投資対象であり、組み入れ銘柄数は302です。費用比率(信託報酬)は0.82%とやや高いですが、これは流動性の低い新興国に投資するETFでは珍しい事ではありません。
組入れセクターは、金融(36%)、工業(14%)、消費循環(10%)、消費安定(9%)などとなっており、オールド・エコノミーが中心です。
現在の中国A株市場の株価収益率は約12倍であり、これは歴史的に安い水準です。また株価純資産倍率(PBR)は1.54倍です。
【今週のまとめ】
MSCIの発表や中国の金融緩和で資金が流れ込む
中国株式市場から目が離せない!
MSCIは、MSCI各指数における中国A株の比率を引き上げてゆく方針を発表しました。これにより、中国A株市場には200億ドル相当の買い圧力が生じると思われます。折から中国政府は金融緩和を打ち出しており、1月の人民元建て融資額は4.64兆人民元で、過去最高でした。このようにして供給された資金は株式に向かうと考えられます。
具体的な銘柄としては、中国A株市場全体に投資するヴァンエック・ベクトル中国A株ETFが好適な投資対象です。
(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます。
拡大画像表示
【※今週のピックアップ記事はこちら!】
⇒株式投資で「儲けた人」と「損した人」は、どちらが多い!? 2018年の運用成績や買って儲けた株&損した株など、悲喜こもごもの個人投資家アンケートを公開
⇒人気の株主優待株「オリエンタルランド」と「RIZAPグループ」は保有継続か、売却か!? 業績の状況は異なるが、プロは2銘柄とも「売却の検討」を助言!
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2024年12月2日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約4900銘柄 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)※買付時の為替手数料が無料/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
【マネックス証券のおすすめポイント】 外国株の取扱銘柄数はトップクラス! また、米国株の買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)となるキャンペーンが長期継続しており、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」対象21銘柄は、実質手数料無料(キャッシュバック)で取引が可能。米国株の積立サービス「米国株定期買付サービス(毎月買付)」は25ドルから。コツコツ投資したい人に便利なサービス。米国株は、時間外取引に加え、店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。また、NISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」「銘柄スカウター中国株」が無料で利用できる。 |
|
【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約5300銘柄 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
【SBI証券のおすすめポイント】 ネット証券最大手のひとつだけあって、米国から中国、韓国、アセアン各国まで、外国株式のラインナップの広さはダントツ! 米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能で、一部米国ETFは手数料無料で取引できる。また、2023年12月1日から米ドルの為替レートを「0円」に引き下げたので、取引コストがその分割安になった。さらにNISA口座なら米国株式の買付手数料が無料なので、取引コストを一切かけずにトレードできる。米国株を積立購入したい人には「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。また、米国株の信用取引も可能。さらに、リアルタイムの米国株価、48種類の米国指数および板情報を無料で閲覧できる点もメリットだ。米国企業情報のレポート「One Pager」、銘柄検索に使える「米国株式決算スケジュールページ」や「米国テーマ・キーワード検索」、上場予定銘柄を紹介する「IPOスピードキャッチ!(米国・中国)」など情報サービスも多彩。「SBI 証券 米国株アプリ」は「米国市場ランキング」「ビジュアル決算」「銘柄ニュース」などの機能が充実している。 |
|
【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約4750銘柄 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)と幅広い銘柄がそろっており、米国株の信用取引も利用可能! 指定の米国ETF15銘柄については買付手数料が無料で取引ができるのもお得。さらに、2023年12月からは米ドル⇔円の為替取引が完全無料! NISA口座なら米国株の売買手数料が0円(無料)なのもメリットだ。米国株の注文受付時間が土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。米国株式と米国株価指数のリアルタイム株価、さらに米国決算速報を無料で提供。ロイター配信の米国株個別銘柄ニュースが、すぐに日本語に自動翻訳されて配信されるのもメリット。米国株の積立投資も可能で、積立額は1回3000円からとお手軽。楽天ポイントを使っての買付もできる。銘柄探しには、財務指標やテクニカル分析などの複数条件から対象銘柄を検索できる「米国株スーパースクリーナー」が役に立つ。 |
|
【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
◆DMM.com証券(DMM株) ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約2400銘柄 | 無料 |
【DMM.com証券おすすめポイント】 米国株の売買手数料が完全無料なので、取引コストに関しては割安! ただし、配当金が円に両替される際の為替スプレッドが1ドルあたり1円と高いので、配当狙いで長期保有する人は注意が必要だ。他社と違う点としては、外貨建ての口座がなく、売却時の代金や配当が自動的に米ドルから円に交換されること。米ドルで持っておきたい人には向かないが、すべて円で取引されるため初心者にとってはわかりやすいシステムと言えるだろう。また、米国株式と国内株式が同じ無料取引ツールで一元管理できるのもわかりやすい。米国株の情報として、米国株式コラムページを設置。ダウ・ジョーンズ社が発行する「バロンズ拾い読み」も掲載されている。 |
|
【関連記事】 ◆DMM.com証券「DMM株」は、売買手数料が安い!大手ネット証券との売買コスト比較から申込み方法、お得なキャンペーン情報まで「DMM株」を徹底解説! ◆【証券会社比較】DMM.com証券(DMM株)の「現物手数料」「信用取引コスト」から「取扱商品」、さらには「最新のキャンペーン情報」までまとめて紹介! |
|
【米国株の売買手数料がなんと0円!】 |
※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |