IPO株の銘柄分析&予想

「アイキューブドシステムズ」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他のモバイルデバイス管理サービス企業との比較や予想まで解説![2020年8月3日 情報更新]

2020年6月11日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 アイキューブドシステムズ
市場・コード/業種 東証マザーズ・4495/情報・通信業
上場日 7月15日
申込期間(BB期間) 6月29日~7月3日
おすすめ証券会社 野村證券大和証券SBI証券マネックス証券岩井コスモ証券岡三オンライン証券auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)DMM.com証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 9430円(+202.24%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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アイキューブドシステムズが7月15日にIPO(新規上場)!

「アイキューブドシステムズ」の公式サイトより

 アイキューブドシステムズは、2020年6月11日、東京証券取引所に上場承認され、2020年7月15日にIPO(新規上場)することが決定した。2020年4月7日にIPO予定だったが、3月19日に上場延期を決定(旧記事はこちら)。今回改めて上場を決定した形となる。

 アイキューブドシステムズは2001年9月27日に設立された。企業の情報関連部署においてモバイル端末等を一元管理・運用するMDM(モバイルデバイス管理)サービスを提供している。モバイル端末の利用状態の可視化、機能設定・制限、セキュリティ対策(紛失・盗難、ウイルス対応)の機能をライセンスとして提供するとともに、モバイル端末向けアプリケーションのライセンスも販売している。

【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

アイキューブドシステムズのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 6月25日
ブックビルディング(抽選申込)期間 6月29日~7月3日
公開価格決定 7月6日
購入申込期間 7月7日~7月10日
払込日 7月14日
上場日 7月15日
■取り扱い証券会社(2020年6月29日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
野村證券(主幹事) 89.6
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大和証券
[最短翌日に取引可能]
1.7
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SBI証券
[最短翌日に取引可能]
1.7%
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マネックス証券
[最短翌日に取引可能]
1.7%
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岩井コスモ証券
[最短3日で取引可能]
0.9
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岡三オンライン証券
[最短2日後に取引可能]
公式サイトはこちら!
auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
[最短4日後に
取引可能]
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DMM.com証券
※委託販売の配分がなかったため取扱中止
 
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 1.7%  
西日本シティTT証券 1.7%  
岡三証券 0.9%  

アイキューブドシステムズのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 2630
仮条件
[予想PER(※2)
 2720~3120円
42.5倍~48.8倍]
公募価格 3120円
初値 9430円
初値騰落率 +202.24%
予想トレーディングレンジ(※3) 2500円~6500円
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2020年6月24日終値の株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 152.5倍
デジアーツ<2326> 50.9倍(連)
オプティム<3694> 375.8倍(連)
トレンド<4704> 30.8倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割安と判断できる。

アイキューブドシステムズの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 516万1350株(予定)
公開株式数 公募15万株  売出-株
(オーバーアロットメントによる売出2万2500株)
想定公開規模(※1) 4.5億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

アイキューブドシステムズはモバイル端末管理ツールを提供

 法人向けモバイルデバイス管理サービスの提供を行う。当該法人の情報関連部署でモバイル端末等を一元管理・運用するMDMサービスで、モバイル端末の利用状態の可視化、機能設定・制限、セキュリティ対策の機能をライセンスとして提供するとともに、モバイル端末向けのアプリケーションのライセンスも販売している。サービス名は「CLOMO」「SECURED APPs」。

 従前は4/7の上場を発表し、その後延期を決めた経緯がある。企業や学校のモバイル端末管理ニーズは強いとみられ、今期業績も堅調。ただ、公開規模こそ小さいものの、公開株を大きく上回るベンチャーキャピタル保有株があり、公開価格の1.5倍以上ではそれらのロックアップが解除される。

 公開規模については4億円強となる見込み。なお、7/15はGMOフィナンシャルゲート<4051>KIYOラーニング<7353>がマザーズへ同時上場する。

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アイキューブドシステムズの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常損益
(伸び率)
純損益
(伸び率)
2016/6 765
(―)
▲ 80
(―)
▲ 133
(―)
2017/6 976
(27.6%)
76
75
2018/6 1,160
(18.8%)
116
50.9%
212
183.1%
2019/6 1,399
(20.6%)
247
113.2%
221
4.1%
2020/6予 1,641
(17.3%)
398
60.9%
330
49.2%
2020/3 3Q 1,198
(―)
357
(―)
311
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:63.94円/-円
※予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの。

アイキューブドシステムズの業績コメント

 2020年6月期の業績は、売上高が前期比17.3%増の16.4億円、経常利益が同60.9%増の3.9億円と増収増益の見通しとなっている。

 同社が属する情報通信市場は、インターネットを活用したクラウドサービスやIoT(モノのインターネット)の普及、AI(人工知能)などの情報進歩により、人々の生活における利便性を中心に幅広い変化が起き続けている。特にサブスクリプション型で提供されるクラウドサービスは一層世の中に広く受け入れられてきており、企業などの法人においても、社内で利用するシステムをSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)に置き換えるSaaSシフトの拡がりが勢いを見せている。

 このような市場環境のなか、同社は2010年度から提供を開始した、モバイル端末管理サービス「CLOMO MDM」及びモバイル端末向けアプリサービス「CLOMO SECURED APPs」を事業の主軸として、クラウドを利用したBtoBのSaaS事業をサブスクリプションの形で提供している。これまで、主に携帯電話販売会社や携帯電話販売代理店への販売網の営業強化を進め、導入社数2,420社(2019年3月末比36.9%増)に達している。

 なお、通期計画に対する第3四半期末時点における進捗率は、売上高11.9億円で73.0%、経常利益3.5億円で89.6%となっている。

アイキューブドシステムズの詳細情報

■基本情報
所在地 福岡市中央区天神四丁目1番37号
代表者名(生年月日) 代表取締役社長兼CEO 佐々木 勉(昭和48年8月4日生)
設立 平成13年9月27日
資本金 1億円(令和2年6月11日現在)
従業員数 71人(令和2年4月30日現在)
事業内容 法人向けモバイルデバイス管理サービスの提供
■売上高構成比率(2019/6期 実績)
品目 金額 比率
CLOMO MDM 756 百万円 54.1%
CLOMO MOBILE APP PORTAL 180 百万円 12.9%
CLOMO オプション 119 百万円 8.5%
SECURED APPs 211 百万円 15.1%
その他 131 百万円 9.4%
合計 1,399 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 佐々木 勉 270万9530株 54.07%
2 ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 86万6670株 17.29%
3 畑中 洋亮 51万1530株 10.21%
4 TNP中小企業・ベンチャー企業成長応援投資事業有限責任組合 20万株 3.99%
4 NCB九州活性化投資事業有限責任組合 20万株 3.99
6 蓑宮 武夫 11万4710株 2.29%
7 平 強 10万株 2.00%
8 株式会社ジャフコ 6万6670株 1.33%
9 大野 尚 6万株 1.20%
9 ビッグ・フィールド・マネージメント株式会社 6万株 1.20%
合計   488万9110株 97.56%
■その他情報
手取金の使途 設備資金として(1)ソフトウェア開発費、運転資金として(2)勤怠システム開発に係る研究開発費、(3)業務効率の改善費及び(4)広告宣伝費に充当する予定
関係会社
VC売却可能分(推定) -社 -株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 2018年5月17日
割当先 NCB九州活性化投資事業有限責任組合、他2カ所
発行価格 750円 ※株式分割を考慮済み
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アイキューブドシステムズの銘柄紹介

 同社は、「イノベーション(i)を3乗(Cube)する」という思いを社名に冠し、「ITをもっと身近に」をミッションとして、最良のテクノロジーと最高のエンジニアリングを用いることで創り出すサービスがそれぞれの企業活動に革新をもたらし、人々の生活を、より豊かな方向へと導いていくイノベーションの連鎖を生み出すサービスの創造に挑戦し続けている。

(1)CLOMOサービス

 同社の「CLOMO」のサービスは、iOS向けMDMサービスとして開始された後、現在では「EMM」として、高度な「管理」機能を幅広くモバイル端末等に提供している。具体的には、企業・学校法人等において使用する多数のiPad等のタブレットやiPhone、Android等のスマートフォンなどに対し、「状態の監視機能(モバイル端末の利用状況を遠隔でリアルタイムに把握する機能)」「利用ルールの適用機能(個別端末の機能を適切に設定・制限する機能)」「情報漏洩対策機能(盗難・紛失時に端末ロックやデータ消去を行う機能)」等の各機能を、当該法人が担当部署にて一元管理し運用するサービスを提供する。

 同社が提供する機能の1つに、「働き方改革」を支援するワーク・スマートという機能がある。これは、法人の管理者が設定した勤務時間内のみモバイル端末の使用を許可し、勤務時間外は使用を制限することで、法人の「働き方改革」を支援できる特徴がある。

 導入後の最終ユーザーのモバイル管理・活用を積極的に支援するサポート体制も評価され、大規模運用ユーザーも含め、業種業態に関わらず採用されている。

(2)SECURED APPsサービス

 「CLOMO SECURED APPs」は、セキュリティとアプリケーションの使い勝手を両立させることで、モバイル端末の「活用」を支援する企業向けのモバイルアプリケーションである。企業は、昨今の「働き方改革」において大きな課題の1つとなっている「リモートワーク」への対応が求められている。

 また、いわゆる「シャドーIT3」と呼ばれる、私物のモバイル端末の使用を許可していない状況で従業員が使用するケースが増加し、企業が十分に業務管理できない状態が問題となっている。それらの問題を解決するため、リモートワークにおいてのセキュリティ管理を目的として「CLOMO SECURED APPs」シリーズを提供している。

アイキューブドシステムズの投資のポイント

 従前は4/7の上場を発表し、その後延期を決めた経緯があり、その際の想定発行価格は2990円。今回は価格水準を引き下げ、公開株式数を減らしての再チャレンジとなる。ICT利活用の流れから企業や学校のモバイル端末管理ニーズは強いとみられる。今期業績も2ケタ増収増益予想と堅調であり、成長企業として評価を受ける可能性が高い。

 価格引き下げに伴い、バリュエーション水準の高さに対する警戒感も和らぐだろう。ただ、公開規模こそ小さいものの、公開株を大きく上回るベンチャーキャピタル保有株があり、それらのロックアップが解除される公開価格の1.5倍以上では売り圧力の強さが意識される可能性がある。

 同社は、iPad等のタブレットや、iPhone、Andloid等のスマートフォンなどのモバイル端末、パソコンなどを導入している法人向けに、これらモバイル端末等を管理するマネジメントサービスを、クラウドを介し、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)として提供している。

 同社の提供するマネジメントサービス(管理、運用サービス)は、当該法人の情報関連部署においてモバイル端末等を一元管理・運用するMDMサービスであり、モバイル端末の利用状態の可視化、機能設定・制限、セキュリティ対策(紛失・盗難、ウイルス対応)の機能をライセンスとして提供するとともに、モバイル端末向けのアプリケーションのライセンスも販売している。前期実績で売上高の75.5%をモバイル管理「CLOMO」サービス、同15.1%をビジネスアプリ「SECURED APPs」が占める。

 業績面について、2020年6月期は売上高が前期比17.3%増の16.4億円、経常利益が同60.9%増の3.9億円と増収増益の見通しとなっている。予想値は前回比上振れ。既存取引先の追加ライセンスの受注が順調に推移したこと、新規契約を計画よりも前倒しで獲得できたことなどから第3四半期までの進捗は良好で、新型コロナウイルスの流行による影響も軽微という。期末の契約ライセンス数は同26.7%増と予想。

 想定仮条件水準の今期予想PERは40~43倍程度となる。類似のモバイル端末管理ツールを提供する企業にはデジタルアーツ<2326>などがあるが、これらを下回る水準。

 公開規模については4億円強となる見込み。前回予定していた売出しを取り止めたことで公開規模こそ縮小したが、ベンチャーキャピタル保有株133万3340株(上場時発行済株数の25.8%)は上場後そのまま残る。上場日後90日経過または公開価格の1.5倍以上でロックアップが解除され、初値で売り急ぐことはないだろうが、将来的な需給懸念となる。また、7/15はGMOフィナンシャルゲート<4051>KIYOラーニング<7353>がマザーズへ同時上場するため、初値買いの分散も想定しておきたい。

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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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