攻め型M&Aが増えるか
株高が一段落したかと思いきや、業界の勢力図を変えるようなM&Aのニュースがいくつか飛び込んできた。
一つは人材業界でのM&Aで、テンプスタッフ・ホールディングス(2181)によるインテリジェンスの買収、もう一つはこの原稿を書いている段階ではまだメディアによる憶測記事のレベルではあるがイオン(8267)によるダイエー(8263)の買収である。
ともに業界ナンバーワン、あるいはナンバーツーの地位を不動にするために業界の中位、下位企業を買収するという構図である。
ともに業界全体としてはまだ引き続き厳しい状況にあり、また、内需型産業ゆえに昨今の円安の恩恵を直接受ける業種ではない。特に小売業に関しては、円安の影響でモノによっては店頭価格の引き上げを余儀なくされ、また消費税のアップの時期が到来すれば更なるダメージは避けられない。
しかし、世の中の景気が上向いてくれば、もっと直接的には顧客や消費者の間で景気回復が実感できるようになれば、これら企業にも多少はプラスの効果が波及してくる。そういう局面を見据えての将来投資という位置づけとして考えられる。
自社株を用いたTOBの増加の予感
このように考えると、4月から始まる2013年度は再び攻め型のM&Aに注目すべき年度になるかもしれない。
業界上位企業による中位、下位企業の買収という構図だ。
幸いなことに黒田新日銀総裁の就任を受けて金利も引き続き歴史的低水準にあり、負債による資金調達は容易な状況である。
もっとも、買収しようとする企業の株価が昨今のアベノミクス相場によって去年の秋ごろに比べると何割か上昇してしまっている可能性が高く、従来のモノサシで考えるとやや高いお買いものになりかねないケースもあるだろう。
ただ、買収する側の株価も同様に上がっているならば、株式交換による子会社化、あるいは、自社株を活用したTOBによる買収を実施することで割高感は解消できる。
特に自社株を活用したTOBについては、かつてはTOBの対価としては実質的に現金のみに制限されていたのものが、一昨年の成立した改正産活法によって自社株を対価とすることが可能となったものである。これまで自社株買いによってため込んできた金庫株をTOBで使うことも可能なわけだ。
特に、株式交換の場合は100%子会社化になってしまうが、金庫株など自社株を用いたTOBであれば100%でなく、50%超や33%超など取得割合も柔軟に設定が可能である。4月からの新年度は、この自社株を用いたTOBが増える可能性があるのではないかと思われる。
買収側は希薄化と過大な支払いに注意
以上の観点が株式投資にはどう使えるかと言えば、まずは中位企業、下位企業の株式を仕込むということになるだろう。
もっとも、もしM&Aの対象とならず、ますます上位企業との競争力格差が開いていく場合は、うまみのある投資とはならないのでそのリスクは織り込む必要がある。
そういう意味では、上の事例で登場した人材業や小売業のように、マクロ環境は引き続き楽観視できない業界の方がM&Aの可能性は高いかもしれない。また、M&Aによる業界内での企業集約がまだ中途半端な業種、たとえば化学、医薬品などの業界もおもしろい。
上位企業についてはそれらM&Aを実施することで競争力が高まる可能性があるということで、株価はポジティブに反応する可能性も高い。実際、ダイエー買収報道以降のイオンの株価は堅調である。テンプスタッフも同様だ。

また、M&Aのタイプは異なるが、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)の買収を発表したソフトバンク(9984)の株価もプラスに反応した。このように考えると、M&Aの可能性がある企業群に関しては買収側も被買収側も仕込む対象としてはアリということになる。
しかし、上で指摘したように、もし買収側が株式を支払い対価に用いる場合は希薄化の懸念がある。また、アカデミック界での研究によると、M&Aを後で検証すると買収側による買収金額が過大だったケースが多いことが報告されている。もし買収側となりそうな企業の株式を仕込むのであれば、その2点には留意しておく必要がある。
今後は、小売、化学、医薬品の各業界でのM&Aの動き、そして投資ファンドが大株主となっている企業も注目である。
2000年代前半~半ばにかけては投資ファンドの設立ラッシュであったが、それらファンドがそろそろ満期を迎えつつあり、投資先の出口戦略を考える時期である。
折よくアベノミクスによる上げ相場。このタイミングをうまく活用したいというファンドは少なくないであろう。インテリジェンスの大株主もファンドである。
もっとも、西武ホールディングスのようにファンドが目指すリターンが高すぎると話は容易ではないが、しかし、この事例も含めてファンドが持分の現金化に躍起になっていることはM&Aの後押しになるのは間違いない。
【※関連銘柄の株価チャートはこちら!】 |
◆テンプHD(2181) |
◆イオン(8267) |
◆ダイエー(8263) |
◆ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765) |
◆ソフトバンクG(9984) |
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