学生時代からの親友である、大企業のバリバリ広告マン「周ちゃん」と、キレキレ公認会計士「えーちゃん」が飲み屋で何やら話をしている。今回はその5回目。税制的にメリットの大きい「確定拠出年金」のさらに有効な活用法について二人が話をしている…。
[前回の記事]
●資産運用とアベノミクスについてまずは考えてみた
●そもそも確定拠出年金ってなに?
●「日本の年金制度について知らないと!」
●確定拠出年金は「想定利回り」が大事!
広告マン・周ちゃん(以下、周ちゃん)積み立て投資の方が資産運用の練習には良いの?
会計士・えーちゃん(以下、えーちゃん)投資が初めての人にとって少しずつ慣れるには良いと思うよ。
確定拠出年金では運用するのに投資信託を選ぶことになるけど、投資信託の売買の単価は変動するよね。投資信託の売買の単位を口数って言って、毎月一定の金額を積み立て投資すると、積み立て額÷投資信託の単価で口数は変わるから、投資信託の価格が上がった時には少ない口数で、投資信託の価格が下がった時には多い口数に自動的に調整されることになるよね。結局、投資信託の価格が上がったり下がったりする中で、価格が下がった時には多い口数を買うことによって、長い目で価格が上がっていけば、平均価格を安定させながら資産を増やしていけるっていう考え方だね。
周ちゃん なるほど。投資って慣れが必要そうだもんな。与えられてしまった確定拠出っていう機会で小さく慣れておいて、それ以外のお金でも運用ができるようになればいいもんね。
えーちゃん 余裕のお金があるんなら確定拠出の「マッチング拠出」を考えてみるのも良いんじゃない?
また新しい言葉が出てきたな。マッチング拠出?
「マッチング拠出」って言うのは、社員が確定拠出への掛け金を上乗せできる出来る制度。
何が良いかって言うと、確定拠出への掛け金を上乗せすると、上乗せした金額について税額控除と言って、所得税を減らすことが出来るんだよね。
へえ。税金がお得になるんだ。
これはマッチング拠出に関わらず確定拠出全体での話だけど、確定拠出の制度には、結構すごい税制優遇があってね。
まず、掛け金が払われたときって給料にその分のお金を上乗せでもらってるようなもんだけど税金は掛からないでしょ。
次に、運用時に利益が出ても非課税になってる。通常の資産運用では株や投資信託の利益には10%(*)の税金が取られるけど、運用期間中は非課税で、キャピタルゲインへの課税がない。
あと、お金をもらえる時には、年金に掛かる税金の控除などがある。
こんな感じで税制的に有利になってる。
(*)平成26年度より20%
(※関連記事はこちら!)
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おー、すぐにはピンとこないけど、結構すごい仕組みなんじゃないの。
確定拠出にお金を払う時、運用してる間、年金をもらう時で税制面で有利なんだ!
そう考えると、税制の面では確定拠出のサラリーマンはちょっと得してるってことになるんだね。
マッチング拠出はそもそも会社が導入しているかどうかを自分の会社に確かめないといけないので、確定拠出年金制度を導入している全部の会社にあるわけじゃないけど、確定拠出の他に併用している企業年金がない企業の場合は、会社の掛金と従業員の掛金の合計は月5万1000円が上限になってて、仮に会社が3万円を自分の分に拠出している状態であれば、従業員である自分が拠出できるマッチング枠は2万1000円まで。あと、会社の掛金より多く拠出することは出来ない。会社の拠出が1万円であれば、従業員拠出は1万円が上限ってことね。まあ、ややこしいので、マッチング拠出の検討を考えるなら、そもそも会社にあるかどうか、細かいことは人事に確認だね。
じゃあ、当面の余裕があるなら、上限までマッチング拠出すればいいわけだな。
確定拠出で払ったお金は年金をもらうまで引き出せない!
うーん、確定拠出年金で払ったお金は、年金をもらう時まで引き出せないから、調子に乗って確定拠出への支払いを増やして、後で年金をもらう時までの生活費に困る事になってもいけないから、計画的にね。
ああ、そうか。途中で引き出せないのか。年取ってから多少多くもらえても、それまでの若い時代を渋く生きるんじゃ意味ないしな(笑)。
あとさあ、会社を辞めたりすると、どうなるもんなの?
企業年金制度が確定給付企業年金の場合は、基本的には「一時金」として退職までに積み立てられた分を支給されることになるよ。
確定拠出企業年金の場合は、確定拠出はお金を拠出された後は自己責任になってるでしょ、だから持ち運びが出来るんだよね。転職した会社で確定拠出年金制度があれば、そっちに移して継続していけるし、転職した会社に確定拠出年金制度がなかったら、個人型確定拠出年金という制度を使って続けていくことも出来るよ。
個人型確定拠出年金?
あまり知られていないけど、確定拠出年金には、個人型確定拠出年金っていう制度もあるんだよね。
これは、主に個人事業主や企業年金制度のない会社に勤務している従業員が加入できる制度。
自分で払ったお金(掛け金)を月額最大6万8000円を上限に自分で運用を決めていくもので、同じ確定拠出年金という枠組みでの仕組みは同じ。税制的にも同じメリットがあるよ。
個人事業主が個人型確定拠出年金に入ってる場合は、確定拠出にお金を払ったお金は確定申告で税額控除をするし、サラリーマンが自分で個人型確定拠出年金に入ってる場合は、年末調整で手続きをすれば会社がやってくれるよ。
ちなみに、税制メリットがどれくらいあるかは、ネットで探すと税金インパクトの資産ができるツールとかがあるから、興味があればやってみると良いね。ケースバイケースではあるけれど、35歳から確定拠出をスタートしたとして、税制メリットがない場合と比べて年金の資産が1.3倍とかになるよ。税制メリットのインパクトが分かる。
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へえ。税金のメリットはさっき聞いた話と同じか。老後の資産作りのはすごい良さそうな制度じゃん。
なんか良い話すぎて怪しいんだけど(笑)。
国の制度だから、怪しいってことはないでしょ(笑)。
デメリットは、さっきも言ったように、確定拠出に払ったお金は年金をもらう時まで引き出せないってことかな。
サラリーマンの俺には直接関係ないからかもしれないけど、いい制度のわりには初めて聞いたな~。
金融機関にはメリットが小さいから宣伝されていない
実はメリットの割にはあまり知られていない制度だからね。
利用者数は少しずつふえてきてるけど、2013年3月末の段階で個人型確定拠出年金を使ってる人は15.8万人(*)しかいないからね。
(*)厚生労働省より
へー、それしかいないんだ。もったいない。
こういう知ってるか知ってないか系の話がお金周りの制度には多いよな。
そうなんだよね。個人型確定拠出年金が浸透しない一番の理由は、誰にも勧められないからってことなんだよね。知らないものに入ることは出来ないからね。
株とか投資信託とか保険とか、金融の話って、やっぱり銀行とか証券会社とか保険会社とかの人に何かを勧められて初めて検討する人が世の中の大半だよね。
個人型確定拠出年金って、入る個人の側にはメリットがたくさんあるけど、残念ながら金融機関は儲からないんだよね。だから金融機関の人から勧められることはないですと。
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そういうことか、合点がいった。勧誘される金融商品以外にも幅広くアンテナを広げてより良いマネーライフを送るぞ!
お、テンションあがってきてるね!
最近は金融業界界隈ではNISA、NISAって言ってるけど、この機に個人型確定拠出年金も合わせて普及に努めれば良いのにと思うけど・・
あ、まさにNISAについても話したかったんだ!
次回(「サラリーマンとNISA」に続く)
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