これまでの話で、確定拠出年金制度やNISAについて納得した周ちゃんは、いよいよ確定拠出年金の具体的なポートフォリオを組むことに。で、どれくらいの割合で分散したらいいの? という話に。
[前回の記事]
確定拠出年金について考える
●第1話 資産運用とアベノミクスについてまずは考えてみた
●第2話 そもそも確定拠出年金ってなに?
●第3話 「日本の年金制度について知らないと!」
●第4話 確定拠出年金は「想定利回り」が大事!
●第5話?税制優遇を利用して資産運用の練習をしよう!
サラリーマンとNISA(日本版少額非課税制度)
●第1話?いちばん分かりやすいサラリーマンのためのNISA講座
●第2話?NISAの口座開設はギリギリまで待て!って本当?
●第3話 NISAの効果的な使い方と改善してほしい点とは?
サラリーマンの資産運用を考える
●第1話 確定拠出年金のポートフォリオはどう作る?
●第2話 長期積み立て投資で着実に資産を増やしていこう!
長期での資産運用がサラリーマンには向いてるってことは分かった!
俺も、長期的に3%~5%の利回りを出せるように頑張ってみよ~。
長期運用では、実際にしっかり続けられることが大事なポイントだね。
だよなぁ。それに生活や遊びにだっていろいろお金は必要で、お金を「作る」ことと「使う」ことのバランスをとりながら、それくらいの運用成績を出したいもんだ。
まずは、どれだけの割合を運用に回すかを考えることが大事。
長期的に資産の成長が期待できるのは株式だけど、価格変動は大きいので長期的な成長を信じていても結構値下がりすることもある。そこで持ちこたえられるかどうかは一つ大事なポイントかな。
例えば、マーケットでは、リーマン・ショックみたいなことが起きた時、一時的に株価が40%とか50%とか値下がりすることがある。この時、資産の全部とか大部分を株にしてたら、生活資金とかのために、値下がりしてる時に換金しなくちゃならなくなるかもしれない。これは大損。
ちゃんと長期的に価値が成長する資産を持ってれば、数年の間待てれば価格も元に戻るし、あと、投資で利益を出すには、そういう暴落時に買いに回れるだけのキャッシュの余力を持っていることが重要なんだよね。
まぁ、そうなのかもしれないけど、リーマン・ショックの時は「100年に1度の危機」とか騒がれていて、とても手を出そうと思える雰囲気じゃなかったけどね。
俺は、リーマン・ショックの後の2009年初めとか震災の翌週に結構値下がりしたものを買ってったけど、そういうのはそれなりのリターンが出たよ。
へえー。でも、俺はそういう時はちょっと気分が乗らないな……。
近い将来にまとまったお金を使う予定がある場合は、その分のお金は投資に回してリスクにさらすかどうかは慎重に考えるべきだし、将来の目標額と利回りからいくらを運用に回したら良いのかを考えて、手元に残すお金と投資に回す資産の割合を決めていく、みたいな判断はしたほうがいいよね。
だな。投資に回す資産の割合、運用する期間、最終的な目標をイメージすることが大切だな。それでどのくらいの利回りを目指すべきかが見えてくるのは分かるんだけど、どの株買うのが自分にとっていいのかっていうのも分かるもの?
投資というと「株」がぱっと思いつくかもしれないけど、金融資産には株式だけじゃなくて、債券、外貨、不動産やREIT、あるいはゴールドとかコモディティとか、いろいろあるので、どのように配分していくかってことなんだよね。
というのは、だいたいみんな投資って言うと、トヨタがどうしたソニーがどうなるとか個別企業の株がこれから上がるか下がるかってとこから考えがちだけど、長期的な運用成果は、個別企業の銘柄選定や投資タイミングより、もっと大きな視点で、「アセットクラス」と言われるものに対して、資産配分をどうするか決めることが実は重要なんだよね。
こういう資産配分を決めることをアセットアロケーションって言うんだけど、資産運用の世界ではアセットアロケーションが長期的な運用成果の決定要因として最も大きな要素だという研究報告が出てる。
例えば、日本株の中のどの会社が良いかを選ぶよりも、そもそも日本株自体に何パーセントの資産を配分するかを考える方が、運用成果にはインパクトが大きいってことだね。
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