つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2021年]
2018年2月24日 深野 康彦

つみたてNISAでおすすめの「インデックス型投信」を
紹介!TOPIXや日経平均株価などの「指数の違い」や
「コスト」に着目した商品の選び方をやさしく解説!

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

「つみたてNISA」(積立型の少額投資非課税制度)を利用すると、最長20年間にわたって運用益が非課税で資産を形成できます。商品は途中で変更も可能ですが、「積立」という特性上、頻繁に変えることは望ましくありません。となると、最初の商品選びが重要です。

 では、具体的にはどんな商品を選ぶとよいのでしょうか。今回と次回の2回にわたって「つみたてNISA」の商品選びのポイントを説明します。まず今回は、「つみたてNISA」で扱っている商品の大半を占める「インデックス型投資信託」について見ていきましょう。

同じ指数に連動する商品であれば、
原則は「コストの安いほう」を選ぶ

つみたてNISAのおすすめインデックス型投信とは?つみたてNISAの商品選びに悩んだら、まずは「コスト」に着目しましょう!

 インデックス型投資信託とは、TOPIXや日経平均株価など何らかの指数に連動する投資成果を目指す投資信託のことです。そのため、同じ指数に連動する商品であれば、基本的には同じ投資成果が得られることになっています。

 投資成果が同じなら、あとはコストが問題です。ということで、指数が同じ投資信託が複数あった場合には、コストができるだけ安い商品を選ぶのが商品選びの原則です。「つみたてNISA」では購入時手数料はゼロ円(ノーロード)が決まりなので、運用管理費(信託報酬)が安いものということになります。

 とは言え、「つみたてNISA」では国内型のインデックス型投資信託は運用管理費が0.5%以下(税抜、税込は0.54%)、海外型なら0.75%以下(税抜、税込は0.81%)と決められています。つまり、はじめからコストの高い商品は対象から除外されているのです。また、この先さらにコストを引き下げた商品が出てくる可能性もあります。コストが低い商品のほうがいいのは事実ですが、コストの低い商品を追い求めて、頻繁に商品を乗り換えたり、1年ごとに金融機関を替えたりするようなことはおすすめできません。

「できるだけコストの安さにこだわりたい」という人は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズか、ニッセイアセットマネジメントの「購入・換金手数料なし」シリーズを選んでおくとよいでしょう。なぜなら、どちらも「低コスト」にこだわりを持っていて、他社が運営管理費を引き下げたり、新たに運営管理費を抑えた商品が出たりした場合には、同じようにコストを下げてくる可能性が高いからです。

 ちなみに、「つみたてNISA」の対象商品のうち、TOPIXを指標としているインデックス型投資信託は全部で12本(2018年2月2日時点)ありますが、最も運用管理費が安いのは「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」の0.17172%(税込、以下同じ)、「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」の0.17172%。次いで、三井住友アセットマネジメントの「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」の0.1728%となっています。

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純資産総額や基準価額、トラッキングエラーの違いは
「なぜそうなるのか」という理由を知っておくことが大切

 続いて、コスト以外の商品選びのポイントについて説明します。

 投資信託の「純資産総額」に関しては、あまり気にする必要はありません。一般的には、純資産総額があまりに少ないと繰り上げ償還のリスクがありますが、インデックス型投資信託の場合、ファミリーファンド方式で運用されているケースがほとんどです。ですから、実際に購入するファンド(=ベビーファンド)の規模が小さくても、大もとのマザーファンドは資産総額が十分にあるため、心配する必要はありません。

 また、同じ指数に連動する投資信託でも、商品によって「基準価額」はまちまちですが、こちらも気にする必要はありません。基準価額の違いは、主に運用履歴の違いによるものだからです。たとえば、同じTOPIXに連動する投資信託であれば、基準価額が2万円のものと1万円のものを比較したとき、前者のほうが「高い」ということはないのです。

 さて、最初に「同じ指数に連動する商品であれば、基本的には同じ投資成果が得られる」と説明しました。しかし、実際には必ずしも個別の商品と指数とでまったく同じリターンを上げているわけではなく、個々の商品によってもリターンには微妙な差があります。この、個別の商品と指数(ベンチマーク)のリターンの差を「トラッキングエラー」と言います。

 指数を上回るリターンを上げているほうがよい商品、と思う人もいるかもしれません。しかし、インデックス型投資信託ではトラッキングエラーが小さい、つまり指数としっかり連動できているほうがよい商品と言えます。トラッキングエラーについてもそれほどこだわる必要はありませんが、気になる人は、各商品のマンスリーレポートや運用報告書を見比べて、指数との差が小さい商品を選ぶとよいでしょう(マンスリーレポートや運用報告書は、各商品のサイトから簡単に入手できます)。

 少しマニアックな話になりますが、トラッキングエラーが起きる理由についても簡単に説明しておきましょう。指数に連動する投資信託が、指数と同じ銘柄をすべて購入しているかというとそうではなく、各社ともなるべく少ない銘柄で指数と連動する「運用モデル」を作っています。しかし、指数に組み入れられている個別の銘柄が極端な値動きを示した場合などには、運用モデルにズレが出てしまい、トラッキングエラーが起きるのです。

 また、一度に大量の解約があったときには資産を売却して対応するため、トラッキングエラーが起きやすくなります。これに関連して覚えておきたいのが、運用履歴の長いインデックス型投資信託では、中小企業など機関投資家の資金が入っている商品があることです。機関投資家の資金が入っていると、決算期や年度末には解約が増えてトラッキングエラーが大きくなるケースがあるのです。購入前には、過去の運用報告書などで、純資産総額の変動が極端に大きくなることがないかどうか、確認しておくと安心です。

 この項目で挙げたポイントは、いずれもそれほど気にする必要はありません。ただ、これから「つみたてNISA」でインデックス型投資信託と長く付き合っていくのであれば、知っておいて損のない知識だと思います。

国内型のインデックス型投資信託では、
「TOPIX」に連動する商品を選ぶのがセオリー

 「つみたてNISA」の国内型のインデックス型投資信託は、TOPIX(東証株価指数)、日経平均株価、JPX日経インデックス400の3つの指数のいずれかに連動しています。では、どの指数に連動する商品を選ぶのがよいでしょうか。2018年2月2日時点では、単体の指数に連動する国内型の投資信託は次の32本です。

●TOPIXに連動する商品…12本
●日経平均株価に連動する商品…15本
●JPX日経インデックス400に連動する商品…5本

 「わかりやすさ」では日経平均株価ですが、「分散投資」という観点から考えるとTOPIXに連動する商品を選ぶのが基本です。なぜなら、TOPIXは東証一部に上場している日本企業の全2064銘柄(2018年2月20日時点)の指数であるのに対し、日経平均株価の対象となっているのは225銘柄で、ざっくり言ってTOPIXが対象にしている銘柄の約10分の1に過ぎないからです。また、日経平均株価は「ファーストリテーリング(9983)」や「ソフトバンクグループ(9984)」といった、時価総額の高い銘柄の値動きに指数が左右されやすいという面もあります。

 一方、JPX日経インデックス400は、日経平均株価やTOPIXとは異なり、定量評価や定性評価に基づいた銘柄によって構成されているのが特徴です。一定の条件でスクリーニングした後で、3年間の平均ROEや累積営業利益などで点数を付けて、スコアの高い順に400銘柄を選定しています。より積極的に日本企業の成長を取っていきたいと考えるのであれば、JPX日経インデックス400に連動する成果を目指す投資信託を選んでもいいでしょう。

海外型では「世界の成長」を取っていくのが基本!
おすすめは、オールカントリーの指数に連動する商品

 国内型に比べると、海外型のインデックス型投資信託では指数そのものにあまり馴染みがないかもしれません。「つみたてNISA」のインデックス型投資信託の海外型では、9つの指数に連動する合計38本の投資信託を扱っています(2018年2月2日時点)。わかりやすいように少し整理すると、次のようになっています。

●全世界の株価指数(MSCI ACWI Index、FTSE Global All Cap Index)に連動する商品…6本
●先進国の株価指数(MSCI World Index(MSCIコクサイ・インデックス)、FTSE Developed All Cap Index)に連動する商品…16本
●米国の代表的な株価指数(S&P500)に連動する商品…3本
●小型株を含めた米国の株価指数(CRSP U.S. Total Market Index)に連動する商品…1本
●新興国の株価指数(MSCI Emerging Market Index、FTSE Emerging Index、FTSE RAFI Emerging Index)に連動する商品…12本

 この中でおすすめは、「世界の成長」を丸ごと取っていける全世界の株価指数に連動する投資成果を目指す投資信託です。銘柄で言えば、「野村つみたて外国株投信」「eMAXIS 全世界株式インデックス」「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」などが挙げられます。

 「つみたてNISA」の対象商品として「全世界の株価指数」に連動する投資信託を扱っている金融機関には、SBI証券楽天証券マネックス証券松井証券などが挙げられます。ただし、今のところ、そのほかの証券会社ではあまり多くの商品は取り扱われていないようです。その場合は、先進国の株価指数に連動する投資信託を選ぶのが基本です。

 また、すでに投資経験があり、より高い成長を狙っていきたいという人であれば、新興国の株価指数に連動する投資信託を選んでも構わないでしょう。ただし、新興国の株価は先進国と比べて値動きが激しく、リスクが高くなります。あくまで、投資中級者以上で「つみたてNISA」以外にも資産があるというのが条件です。

 次回は、「バランス型」と「アクティブ型」について、今回同様に商品選びのポイントを説明していきます。

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(構成:肥後紀子)

深野康彦(ふかの・やすひこ)[ファイナンシャルプランナー]
ファイナンシャルリサーチ代表。AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現職。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。主な著書に『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない』『ジュニアNISA入門』(ダイヤモンド社)など多数。