最下層からの成り上がり投資術!
2018年9月4日 藤井 英敏

日経平均は2万2000〜2万3000円のボックス相場を
継続! マザーズ指数のMACDがゴールデン・クロス
形成なら、「小型材料株への資金流入」が加速する!

 日経平均株価は、2万3000円の分厚い壁に阻まれ続けています。

 前回指摘したように、ザラ場高値ではなく、終値でネックラインの2万2949.32円を超えた場合、意識されるのは、「押し幅の倍返し」です。具体的には、2万4241.50円が、ターゲットとなります。

 しかしながら、なかなか終値でネックラインを超えることができません。このレベルでは、高水準の戻り売り、利食い売りが出ることが主因です。

■日経平均株価チャート/日足・6カ月
日経平均株価チャート/日足・6カ月日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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「米中貿易問題」や「軟調な上海株」、
「国内の不正融資問題」が日本株の売り要因に

 また、ここにきて、海外では、米国の対中制裁関税第3弾が近く発動される可能性があることや上海株が軟調なことに加え、国内では、不動産投資を巡る不正融資問題が懸念されているため、相場を取り巻く環境がやや悪化しています。これらも、買い方の手仕舞い売りの要因となっているはずです。

 米中貿易問題に関しては、現地時間8月30日、一部通信社が「2000億ドルの対中関税、トランプ大統領が来週発動を支持」と報じています。当該記事では、「中国製品2000億ドル相当に対する関税発動の場合、これまでで最大級となり、米中両国の通商対立が大きくエスカレートすることになる。」と指摘しています。

 金融市場は、この対中制裁関税第3弾の発動を予想・覚悟しているとはいえ、それが発動された場合の経済への影響を測りかねているように感じます。

 また、このような状況下、9月3日の上海総合指数の終値は2720.7344ポイントでした。一時、心理的な節目の2700ポイントを下回る場面がありました。トランプ米政権による中国製品への追加関税発動に対する警戒の高まりを受け、人民元安・米ドル高となっていることが嫌気されました。米中貿易摩擦懸念が後退しないと、上海株の底入れは厳しそうです。

 ただし、一時ほど、東京株式市場は上海株の動向に過敏な反応をしていません。この理由はよくわかりません。ですが、上海株動向に鈍感になっていることは、日本株に主体性が出てきたという意味でポジティブでしょう。

スルガ銀行とTATERUの不正融資問題により
地銀や不動産投資業界の株価に悪影響が!

 一方、国内では、8月30日、「スルガ銀(8358)はシェアハウスを含む投資用不動産向けの不適切な融資が横行していた問題の責任を取り、3人いる全ての代表取締役が辞任する人事を固めた」と一部で報じられました。

 さらに8月31日、TATERU(1435)は、「本日、日本経済新聞電子版により、当社従業員が顧客から提供を受けた預金残高データを改ざんし、実際より多く見せて西京銀行に提出し、融資審査を通りやすくしていたとの報道がなされておりますが、本件に関しては、誠に遺憾ながら、そのような事実がございました。」と公表しました。

 これら、不動産投資を巡る不正融資問題を受け、地銀や不動産業界への悪影響が懸念される状況になっています。とりわけ、TATERU株は公表後、大量の売りが殺到しただけでなく、同業他社の株価も大幅に連れ安しており、多くの株主が痛んでいます。

「好調な企業業績」と「安倍首相3選の見込み」が
日経平均株価の下値を強固に支える

 ただし、日経平均株価については、上値が重いからといって、下値不安が強まるかといえば、そうではないとみています。というのは、上場企業の業績が好調だからです。

 国内最大手の野村証券は、9月3日、2018年度の金融を除く主要企業の経常利益が前年度比11.3%増になるとの見通しを発表したそうです。前提為替レートを円安に修正したため、前回の6月予想の8.7%増から2.6ポイント上振れするとみているということです。よって、外国為替市場で急激な円高にならない限り、バリュエーション面から、日経平均株価の下値は相当堅いとみてよさそうです。

 なお、今後数年間の日本株の行方を決めるのは、「自民党総裁選(9月7日告示、同20日投開票)で、安倍首相の3選が実現するか否か」だと思っています。

 この選挙戦は連続3選をめざす首相と石破茂元幹事長の事実上の一騎打ちとなる見通しです。事前報道によれば、首相が主要派閥の支持を背景に国会議員票の多くをおさえ、3選が有力だということですので、現時点では、安心して眺めていられます。

 しかしながら、万が一のことがあれば、それは「アベノミクス」の終焉であり、株安に直結する可能性が高いでしょう。なお、実際に3選が決まれば、それを好感した投資家、特に、海外勢の日本株買いが見込めるとみています。

 このように、企業収益面でも、政治面でも、日本株の下値はしっかりと支えられるはずです。ですので、日経平均株価が2万3000円で上値が限定され続けているからといって、弱気になる必要はないでしょう。

 その一方、米国発の貿易摩擦懸念が和らいでこないと、貿易立国の我が国の株式市場の盛り上がりは期待できないのかもしれません。そうなると、日経平均株価は引き続き、2万2000~2万3000円のボックス相場を続けるということになりますねえ。

東証マザーズ指数のMACDには
待望のゴールデンクロスが!

 ところで、東証マザーズ指数のMACD(12週-26週)(9月3日現在マイナス41.21)とシグナル(9週)(同マイナス36.81)とのゴールデン・クロスがほぼ確実な情勢となっています。これが実現すれば、今年1月下旬から8月中旬にかけての長きにわたる調整後、初めてのゴールデン・クロスになります。

■東証マザーズ指数チャート/週足・6カ月
東証マザーズ指数チャート/週足・6カ月東証マザーズ指数チャート/週足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ゴールデン・クロス実現なら、相当な規模のリバウンドの発生が十分期待できるでしょう。「日経平均株価の横ばいが続く中、値幅効果を求めて、ホットマネーが新興市場を中心に小型材料株に流入を加速させていく」というのが、多くの個人投資家にとってのベストシナリオです。

東証マザーズ指数の上昇が加速すれば
個人投資家の息を吹き返し、市場は活気づく!

 それにしても、市場関係者へのヒアリングベースでは、ここまでの個人投資家好みの銘柄群の下落で、相当な人数の個人が市場から撤退したそうです。また、信用取引での損失を自宅の売却資金で穴埋めしなくてはならなくなったという方の話も小耳にはさみました。

 東証マザーズ指数はそれなりに戻ったものの、8月に追証の危機に陥った個人の維持率は概ね30%程度の方が多いそうです。このため、新規でガンガン買い建てて戦う余力はまだないでしょう。

 それでも、東証マザーズ指数のMACDとシグナルとのゴールデン・クロス実現後、想定通り指数の上昇が加速すれば、彼らの余力も大幅に改善し、相場も活気づくと期待できます。

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