最下層からの成り上がり投資術!
2019年1月22日 藤井 英敏

日経平均株価は、堅調な米国株式市場の影響で大幅に
リバウンド! 3月まで続く「保ち合い相場」の間に
上手に仕込めるかどうかが、今後の成績を左右する!

 昨年12月26日の1万8948.58円を底値にして、日経平均株価は大幅にリバウンドしています。この主因は、米国株式場が堅調さを取り戻していることです。

 実際、1月18日のNYダウは前日比336.25ドル高の2万4706.35ドルと、約1カ月半ぶりの高値で取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も同72.765ポイント高の7157.228ポイントと約1カ月半ぶりの高値でした。

■NYダウチャート/日足・6カ月
NYダウチャート/日足・6カ月NYダウチャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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■ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月
ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月
ナスダック総合指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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米国株が強い要因は「米中貿易摩擦への懸念の後退」
「パウエル・プット」「中国の景気テコ入れ策」の3つ

 この強い米国株の主因は大きく3つあります。一つ目は、米中貿易摩擦への懸念が一段と後退したことです。二つ目は、FRBの金融政策に柔軟性がみられ、「パウエル・プット」が出現していることです。そして三つ目は、中国政策当局が景気テコ入れに本気になっていることです。

 まず、米中貿易摩擦問題に関しては、1月18日、一部通信社が「中国政府が米国からの輸入を大幅に増やして2024年までに対米貿易黒字をゼロにする提案をした」と報じています。スケジュール的には、1月30~31日には劉鶴副首相が訪米し、ライトハイザーUSTRの代表らとの貿易協議に臨む予定です。市場では、この協議で米中貿易摩擦の緩和が一段と加速するとの期待が高まっています。

 次に、「パウエル・プット」に関しては、パウエルFRB議長が1月10日、「我々は辛抱強く、柔軟に事態の進展を見極める状態にある」、「経済が想定外の動きをしたときにFRBは非常に柔軟に対応できる」などと述べて「ハト派」に転じたため、利上げ局面が年内でひとまず終わるとの観測が強まっています。この結果、リスク資産である株式を買い戻すインセンティブが発生しています。

 そして最後に、中国の景気テコ入れ策ですが、例えば、中国は2019年も大型減税を続けます。2019年は所得税などのほか、新たに増値税(付加価値税)や社会保険料の軽減も検討し、減税規模を上積みするそうです。これに加え、「中国政府は2019年の鉄道投資を過去最高の8500億元規模まで引き上げる方針を固めた」、「自動車のほか、家電の分野で販売補助金などの消費刺激策も導入する」とも伝わっています。そして、金融政策では、中国人民銀行(中央銀行)は預金準備率を今年1月にさらに下げて、緩和を拡大させています。

 このように、金融・財政両面で、景気の腰折れを防ぐ努力を続ける見通しです。

海外投資家は、あいかわず日本株の現物を売り越し!
トランプ大統領と議会の対立も継続中

 ただし、需給面では、海外投資家の日本株の現物売りが依然として止まっていません。1月第2週(7~11日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家は9週連続で売り越しました。米国株が年明けから上昇基調なので、今年に入り日本株も買い転換していることを期待しましたが、残念ながら第2週までは現物を売り越しています。

 しかしながら、1月第2週の日経平均先物とTOPIX先物の投資部門別売買動向では、海外投資家は2週連続で買い越しました。先安観の後退で、ヘッジ目的で売っていた先物を買い戻したことが主因でしょう。

 現物も先物も売り越してくるよりはマシですが、やはり、海外投資家が積極的且つ安定的に現物を買い越してこないと、日経平均株価が力強く戻ることはないと思いますね。

 また、トランプ大統領と議会との対立も継続し、米連邦政府の一部閉鎖が続いています。トランプ大統領は1月19日、不法移民の救済策を延長する代わりに国境の壁の建設費を求める提案を表明しました。しかしながら、民主党のペロシ下院議長は、その表明よりも前に大統領提案を却下していました。

 約80万人の政府職員が無給のまま約1カ月が過ぎています。政府の閉鎖がさらに長期化するようだと、政府職員を中心とした個人消費や、政府承認が必要な民間企業の業績を中心に、実体経済への悪影響の拡大が懸念されます。

 そして、国内では、主力企業の3月決算企業の2018年4~12月期決算が本格化しますが、業績下方修正リスクが高い状況です。これ自体は、12月下旬までの相場下落で織り込み済みとはいえ、バリュエーション自体は切り下がるため、日経平均株価などの株価指数の上値余地は狭まる見通しです。

 また、市場の関心は2020年3月期業績に向かうでしょうが、足元の業績モメンタムが悪化している状況下、強気の業績予想で株価指数の上値をガンガン追うことは難しそうです。

テクニカル的には、日経平均株価の短期チャートは改善!
それでも「2万1000円アラウンド」では「売り目線」が必要

 テクニカル的には、1月21日の日経平均株価は2万0719.33円と、25日移動平均線(21日現在2万0537.86円)を上回っており、短期チャートは良化しています。このため、同線を下回らない限り、戻りを試すことが可能でしょう。

■日経平均株価チャート/日足・6カ月
日経平均株価チャート/日足・6カ月日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 それでも、昨年10月以降の調整局面で、強力な抵抗として意識された10月26日の2万0971.93円付近(2万1000円アラウンド)では「売り目線」になる必要があるとの見方は不変です。

 ただし、相場にオーバーシュートはつきものです。想定以上の好材料が出現し、この2万1000円ラインを明確に上抜けてきた場合には、最大で26週移動平均線(22日現在2万1956.18円)までの「踏み上げ」があっても不思議はありません。

 よって、2万1000円アラウンドからは、現物に関しては「売り上がり」でよいと思いますが、個別株の空売りや、先物・オプションでのデルタ・ショート戦略は安易に行うべきではないでしょう。もしそれを、実行に移すなら、今度、日経平均株価が終値で25日移動平均線を割り込んで、調整入りが濃厚になったタイミングですね。

現在は、昨年末の大幅下落に対するリバウンドの準備期間
3月のメジャーSQまでに上手に仕込もう!

 なお、現時点において、日経平均株価については、昨年10月2日の大天井2万4448.07円に対する大底は昨年12月26日の1万8948.58円との認識です。そして、現在は、この下落に対する本格的なリバウンド発生のための準備期間と考えています。

 メインシナリオは3月のメジャーSQ前後まで「保ち合い相場」を継続し、その後、上放れるという感じです。この「保ち合い」期間中に、上手く仕込むことができるかどうかが、暦年ベースの2019年前半のパフォーマンスを大きく左右することでしょう。

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