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日経平均株価は、AI・半導体株が売られたことで下落し、
25日移動平均線を再び下回ったことで強気になりにくい局面に!
12月2日の日経平均株価は、前日比0.17円(0.00%)高の4万9303.45円とほぼ横ばいでした。しかし、前日の1日は、AI・半導体株が不安定な動きを続けていることが主因となり、前週末比950.63円(1.89%)安の4万9303.28円と5日ぶりに大幅に反落しました。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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日経平均株価は、前週末11月28日の上昇で25日移動平均線(11月28日時点で5万228.69円)を上回りましたが、12月1日の下落であっさりと同線を下回りました。よって、テクニカル的に見ると、短期的には強気になれない状況となっています。
なお、11月第3週(17〜21日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家が2週ぶりに売り越し、売り越し額は3836億円でした。この週は、エヌビディアが19日に良好な四半期決算を発表したものの、米国の大手ハイテク企業によるAIへの過剰投資への懸念が強まりました。その影響で、日本のAI・半導体関連株にも海外勢が売りを出したと見られます。
一方、逆張り好きの個人投資家は積極的に押し目買いを入れたようで、2週ぶりに買い越し、買い越し額は1158億円でした。
「金融緩和に積極的な次期FRB議長選出への期待」や
「金融機関の強気見通し」から、米国株は底打ちを鮮明に
11月第4週(25〜28日)の日経平均株価は1628.03円(3.35%)上昇。米国株が21日以降、底打ちを鮮明にしたことが追い風となりました。底打ちした背景は、米国の利下げ期待が高まったことです。
利下げ期待が高まったきっかけは、NY連銀のウィリアムズ総裁が、11月21日に「政策金利を短期的にさらに調整する余地は依然としてある」と発言したことでした。市場は、この発言をパウエル議長らFRB執行部の意向の代弁と捉えたのです。
また、ブルームバーグ通信は11月25日、「トランプ政権の次期FRB議長の選定課程で、国家経済会議(NEC)のハセット委員長が有力だ」と報じました。ハセット氏は低金利志向など、経済政策運営に対する姿勢がトランプ大統領と近いと見られています。
なお、新議長については、ベッセント財務長官が11月25日、トランプ大統領がクリスマス休暇前に人選を発表する可能性があるとの認識を示しています。トランプ大統領は「(新議長の名前は)今後、発表する」として明らかにしていませんが、「人選はすでに決めた」と表明しています。
現職のパウエルFRB議長は、2026年5月に議長としての任期を満了します。金融緩和に積極的なハト派が新議長に就任することへの期待が高まったことも、米国株の買い材料になっていると考えてよいでしょう。
たしかに、12月1日の米国株式市場の主要3株価指数(NYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数)は6日ぶりに反落しました。しかしながら、利下げと新議長への期待から、11月28日まで主要3指数は5日続伸と非常に強い戻りを見せていました。
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NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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S&P500指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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ちなみに、JPモルガンは11月25日付のレポートで、2026年末のS&P500種株価指数の見通しを7500ポイントと発表。また、HSBCも2026年末のS&P500種株価指数の目標値を7500ポイントとしました。
両社ともに、AIブームが設備投資や企業収益の拡大を生み出すことが株式相場の下支え要因となり得ると見ています。この金融機関の強気見通しも、投資家心理にポジティブな影響を与えています。
ただし、今後もAI関連企業への過剰投資や株価指標面での割高感が意識され、大手ハイテク株がボラタイル(変動が大きい)な動きになる可能性は高いと見ています。そして、米国のAI関連株が乱高下する局面では日本のAI関連株の値動きも連動し、さらにそれらAI関連株の寄与度が極めて大きい日経平均株価も激しく上下する見通しです。
円安の加速と日本の長期金利の上昇が続くなか
「日銀による利上げ」と「政府の為替介入」の有無に注目!
なお、高市早苗首相が自民党総裁選に勝利した10月以降、円安が加速し、日本の長期金利が上昇しています。
まず、財政悪化懸念の強まりが外国為替市場での円安圧力となりました。実際、政府は11月28日、総合経済対策の裏付けとなる2025年度補正予算案を閣議決定しましたが、一般会計の総額は18兆3034億円で、そのうち国債の追加発行が11兆6960億円と約64%を占めています。
そして円安が国内物価を押し上げる見込みのため、金融市場でインフレ期待が高まり、長期金利が上昇(債券価格が下落)しているのです。
このような状況を受け、日銀の植田和男総裁は11月21日の衆院・財務金融委員会で「(円安進行について)輸入物価を押し上げて国内物価に転嫁されることにより、消費者物価指数(CPI)の押し上げ要因になる」と述べています。また、12月1日には「利上げの是非について適切に判断したいと考えている」「政策金利を引き上げるといっても緩和的な金融環境の中での調整だ」「景気にブレーキをかけるものではない」など語り、早期利上げを示唆しました。
この発言を受け、市場では、12月18〜19日に開催される日銀の金融政策決定会合での利上げが強く意識され始めています。
一方、片山さつき財務相は11月21日、円安は一方的で急激とし、為替介入は選択肢として「当然考えられる」と発言しました。
今後に関しては、日銀による利上げの有無と、円安阻止に向けた政府の為替介入の有無に注目しておくべきでしょう。
政府の総合経済政策が日本の景気・経済の支えるため、
日経平均株価の上値は重いものの急落するリスクは低い!
ただし「介入も利上げも東京株式市場を動揺させることはない」と私は考えています。というのは、総合経済対策が日本の景気・経済を力強く支えると見ているからです。
「電気・ガスの補助金」や「おこめ券などの食料支援」など、物価高対策に8兆9041億円があてられるため、個人消費の冷え込みは防がれる見通しです。また、AI、半導体、造船分野への投資などに6兆4330億円があてられることで、関連業界の設備投資は活発化するでしょう。当然これは、日本株にポジティブに作用するはずです。
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また、12月1日発表の2025年7~9月期の法人企業統計調査によると、全産業(金融業と保険業を除く)の経常利益は前年同期比19.7%増加の27兆5385億円と7~9月期の経常利益額として過去最高でした。この好調な企業業績は日本株をサポートし続ける見通しです。
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今後の予想ですが、指数寄与度の大きいAI・半導体株が調整している間は、日経平均株価の上値は重いと見ています。しかしながら、FRBが景気に配慮する形で利下げが着実に実行され、日本でも適切な財政・金融政策が打ち出される見込みであることを考慮すると、日米の株式市場の急落リスクは低いと考えています。
よって、ボラティリティの高いAI・半導体株は避け、メガバンクに代表される高配当、低PER、そして低PBRのバリュー系内需大型株の押し目を積極的に狙う戦略をおすすめします。
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