最下層からの成り上がり投資術!
2019年4月9日 藤井 英敏

日経平均株価は当面レンジ相場だが、米国株の値動き
によっては「上値ブレイク」も! GW前に買うなら、
新興株や小型材料株より東証1部の大型株がおすすめ

 米国株式市場が強い動きを続けています。この影響で、足元の日経平均株価も堅調に推移しています。

 4月8日のNYダウは、4日ぶりに反落し、前週末比83.97ドル安の2万6341.02ドルでした。しかしながら、この日は、墜落事故を起こした主力旅客機「737MAX」の生産ペースを2割落とすと5日に発表したボーイングが4.44%下落し、1銘柄でNYダウを118.07ドル押し下げたことが響いてのことです。

■NYダウチャート/日足・3カ月
NYダウチャート/日足・3カ月NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 一方、ナスダック総合株価指数は続伸し、同15.192ポイント高の7953.884ポイントと、昨年10月上旬以来ほぼ半年ぶりの高値で取引を終えています。

■ナスダック総合指数チャート/日足・3カ月
ナスダック総合指数チャート/日足・3カ月ナスダック総合指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ちなみに、4月8日は、主な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が7日続伸し、前日比3.73ポイント(0.25%)高い1481.38で取引を終え、4日連続で最高値を更新しています。この米半導体株高は、日本のハイテク株への追い風です。

米国株が好調な理由は3月の米雇用統計
平均時給の伸び悩みもハイテク株にとってはプラス材料に

 米国株が堅調に推移している主因は、前週末4月5日に発表された3月の米雇用統計が良好だったからです。

 雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月比19.6万人増と、市場の事前予想の17万人増を上回りました。また、増加幅は2月の3.3万人から大幅に持ち直し、失業率も3.8%と低い水準を保ちました。このように、米労働市場は引き締まっています。

 その一方で、そして、3月の平均時給は27.70ドルと前年同月比3.2%増と、安定して3%台の伸び率を維持していますが、2月の3.4%増から伸び悩みました。このため、賃金の上昇を主因にしたインフレ圧力は強まっていません。よって、FRBの金融政策も、当分の間、現在のハト派的なスタンスから、大きく変化はしないとの見方が強まっているのです。これは、高PER銘柄が多い米ハイテク株にはプラス材料なのです。

GWの10連休により、数多くのリスクが発生!
特に値動きが鈍い非貸借銘柄には注意しよう

 このように外部環境は良好ですが、前回当コラムで指摘したように、今年のゴールデンウィークは、4月27日(土)~5月6日(月)の10連休となります。一般的な証券会社では、国内株式や投資信託については、連休中は取引できません。このため、一部の証券会社では、連休中の海外市場の急変や国内でのイベント発生リスクを注意喚起しています。

 また、信用取引については、10連休に伴って信用金利・貸株料、逆日歩、特別空売り料が高額となることを、一方、先物オプション取引については、連休中は取引できないために連休明けの市場で大きく変動する可能性を指摘しています。

 こんな状況ですので、私の周りの個人投資家の多くは、連休中は「オールキャッシュ」または、「持ち越したとしても運用資産の1割~2割」にする予定です。そして、彼らは3月下旬以降、着々と換金売りを出して現金比率を高めているようです。やはり今年は、個人投資家の関与率の高い銘柄群は連休が近づくにつれて売り圧力が強まるのでしょう。

 ちなみに、足元では、東証1部の大型株に比べて、新興市場の弱さを嘆く投資家が増加しています。これに関しては、新興銘柄の多くが制度信用での空売りができない非貸借銘柄が多いことが原因とみられています。というのは、非貸借銘柄は、株価が下落しても、売り方の買い戻しが入らないため、連休前の換金売りを吸収できないのです。

 そうこう考えると、個人の関与率の高い新興銘柄や東証1部の小型材料株のうち、足元の値動きが鈍い非貸借銘柄については、少なくとも、連休を通過するまでは「アンタッチャブル」ですね。なぜなら、連休前の小口の売りを吸収できず、ズルズルと値を消す可能性が高いからです。

 逆に、買えるのは個人の関与率が相対的に低い、東証1部の大型株です。こちらの銘柄群については、仮に需給要因で株価が下落しても、当該銘柄のバリュエーションを下回るような株価になったら、国内外の機関投資家の買いが見込めます。

 また、3月決算の大型株の決算発表日は、小型株のそれより早いものが多い傾向があります。このため、決算内容を見極めてから参加可能な銘柄が多いのです。これもまた、月内に売り買いしやすい条件と言えるでしょう。

日経平均株価は、堅調な値動きが期待できるものの、
業績期待が盛り上がっていないために上値余地は限定的

 日経平均株価については、外部環境が激変せず米国株が堅調に推移する限り、堅調な値動きが期待できそうです。

 テクニカル的には、25日移動平均線(4月8日現在2万1468.66円)が下値サポートとして意識されるでしょう。一方、上値抵抗ラインとしては、200日移動平均線(同2万1905.60円)が意識される見通しです。

 両線に挟まれたレンジで推移するというのがメインシナリオですが、米国株が更に上値を追うようなら、このレンジを「上」にブレイクする可能性が高まるとみています。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ただし、日本株の業績期待は全く盛り上がっていません。米中貿易摩擦激化の影響や、中国経済の減速などのマイナス要因で、輸出製造業の業績改善は期待薄との見方が強いからです。このため、「好調な企業業績⇒日本株のバリュエーションの上昇」という綺麗な構図が描きにくいのです。

 よって、米株上昇というポジティブな材料があっても、日本株全体の上値余地はそれほど大きくはないと考えています。こうなると、大型株でも今期業績の見通しが良好な銘柄だけが個別で物色されることでしょう。

 今年の4月相場は10連休という特殊要因があるため、非常にやり難い環境になったというのが正直な感想です。このため、このような難易度の高い局面での勝負は避けて、皆よりも早めにリスクアセットである株式を売却・換金し、あなたのポートフォリオをすべて安全資産である現金にして、早めに休暇モード入りすることをおすすめします。

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