【米国株】2023年の米国株の値動きをアナリストなど46人の専門家が予想! メインシナリオ「年初軟調、反発を挟んで秋口まで下落基調、年末に向けて上昇」の理由とは?
発売中のダイヤモンド・ザイ2023年2月号は、特集「人気【米国株】150銘柄のおすすめ診断」を掲載! この特集では、個人投資家に人気の米国株を、アナリストなどの投資のプロが「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価。さらに「GAFAM+α」「大型IT株」「大型優良株」「高配当株」などのジャンル別で、注目銘柄をピックアップしている。
今回はこの特集から、2022年は大荒れだった米国株が、2023年にどのような値動きとなるか、アナリストなど専門家の意見を公開!
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米国ではインフレが続き、利上げもまだ続く見通しだが、
年前半で利上げに歯止めがかかれば、景気回復に光が見えるか?
2022年は大きく値下がりした米国株だが、2023年はどのような値動きになるのだろうか。米国株を代表する指数である「NYダウ」と「ナスダック指数」の2023年の値動き予想を、総勢46人のアナリストなどのプロに聞いた。
2023年の年末時点のアナリスト予想の平均は、NYダウが3万3000ドル(2022年12月5日比で2.8%安)、ナスダック指数が1万2100ポイント(2022年12月5日比で7.7%高)となった。
多くのプロが予想する、2023年の年末までの値動きは「年初から2月までは軟調な展開が続き、春先から年央にかけて反発。再び秋口まで下落基調となるが、年末に向けて上昇基調に転換する」というシナリオだ。
年初の低迷の要因となりそうなのが、インフレを抑えるための米国の利上げ継続。株式アナリストの佐藤勝己さんは「年前半は景気悪化が鮮明になる中、一段の金利引き上げが懸念され、リスクオフの流れが強まる」と予想。エネルギー価格は落ち着きつつあるものの、賃金や家賃上昇が続いているからだ。
また、「年初には旅行需要の回復でホテル価格などが上昇する」(マンハッタン・グローバル・フィナンシャルの森崇さん)。米国の消費者物価指数にはホテル価格も含まれているため、消費者物価指数の上昇の要因となる。
しかし、高水準のインフレは長く続かない、という見方が主流。2023年に入ると米国の景気が減速し、物価高も収束する可能性が高い。そのため、「政策金利であるFFレートが最大となる時期は、恐らく年前半。その後は低下が期待できるため、年後半には景気も徐々に回復する」(パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ宮島秀直さん)と予想する声が多い。
この見立て通りなら、2023年はナスダック指数に注目だ。2022年はNYダウよりもナスダック指数のほうが高値から下落している。これは金利の影響を受けやすいIT株の組入比率が高いから。米国景気が減速すると「金融緩和期待が高まり、これまで売られていたIT株が買い戻される」(第一生命経済研究所の桂畑誠治さん)と見られる。
一方、中国のコロナ政策の緩和で、中国からのエネルギー需要が増加し、エネルギー価格が上昇して物価高も継続する、と見ているプロも一定数いる。物価高が続けば、景気が後退しても金融緩和が難しくなるだろう。
とはいえ、2024年には米国の大統領選挙が控えている。例年、大統領選挙の前年は株価が上がりやすいので、2023年も期待が持てる。
大統領選挙の前年に株価が上がりやすい理由は「与党の大統領が、大統領選挙の年に向けて景気対策に積極的になり、株価はその効果を織込む」(楽天証券経済研究所・香川睦さん)からだ。実際、「1945年以降、NYダウが大統領選挙の前年に下がったのは1回だけ」(ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの海老澤界さん)だった。
もちろん、政治情勢は混迷しており、株式市場にはリスクがある。ただ「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ」という相場格言があるように、後から振り返ると、市場参加者が悲観的なときこそが絶好の買い場だったことは、一度や二度ではない。2023年は、この相場格言を頭に入れて投資に臨もう!
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