個人投資家の「株で勝つ!」投資手法を徹底解剖!

“ネクスト億り人”候補の個人投資家の座談会を公開!「1銘柄への集中投資」「成長株と高配当株の二刀流」など投資手法は違えど、株を研究する真摯な姿勢は共通!

2023年2月2日公開(2023年3月30日更新)
ザイ・オンライン編集部
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若くして資産を増やしている”ネクスト億り人”の個人投資家4人(長田淳司さん、ショウさん、エースさん、ゆうとさん)が語る「2022年の運用成績」や「2023年の戦略」とは?

発売中のダイヤモンド・ザイ2023年3月号は、特集「新春インタビュー&座談会! スゴ腕の個人投資家たちが教える【2023年の投資で負けないワザ】」を掲載! 億り人と呼ばれる個人投資家の多くは、幾多の逆境を乗り越えて資産を増やしてきている。そこで、この特集では、難しい相場になることが予想される2023年に、投資で負けないためのワザや心構えを、さまざまな勝ち組個人投資家に、インタビューや座談会の形式で聞いている。

ここでは、”億り人”を目指す新進気鋭の個人投資家4人(長田淳司さん、ショウさん、エースさん、ゆうとさん)の座談会を公開!
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「会社本来のポテンシャルに期待するのが自分のスタンス。
成長株に厳しい相場でも、成長株投資を貫いています」(エースさん)

──エースさんは2022年、運用成績が+72%と非常に好調でしたね。何が勝因でしたか?

エース 前半はプラモデルやフィギュアなどの製造・販売をしている壽屋(ことぶきや・7809)、後半はIT人材の派遣を手掛けるINTLOOP(9556)を保有して、大きく伸びました。ただ、壽屋はそのまま持っていれば3倍になったんですが(笑)。

 以前はすごく短いスパンで売買をしていて、株価の変動に振り回されていました。でも、自分はそもそも、会社本来のポテンシャルに期待して投資するスタンス。そう思い直して、しばらく持っておくやり方に変えたのがよかったのだと思います。

 前半は成長株には厳しい相場でしたが、それでも自分のやり方は変えませんでした。というのも、2020年のコロナ・ショックのとき、投資対象を成長株からバリュー株に切り替えたんです。周りもバリュー株は下がらないと言っていたので。でもバリュー株も下がって、しかも成長株のほうが回復も早かった。それから成長株投資を貫いています。

長田淳司 私も頑なに成長株中心でやっていて、この1年は資産を減らしました。でも、2022年ならタカトリ(6338)のように、厳しい相場でも当たりは必ずあります。環境の変化に対応してビジネスモデルを変革し、伸びていける企業なのか、しっかり見極めるのが大事ですね。
(※編集部注:タカトリは産業機械メーカー。2022年の初頭は2000円を割っていた株価が、秋以降に急騰し、8000円を超える水準に)

──ショウさんは高配当株が中心とのことですが、この1年どうでしたか?

ショウ 2022年は高配当株が上がるターンが来たなという感じでした。年間の配当金総額は税引後で220万円に。増配と配当金の再投資によって、1年前から50万円ほど増えました。

ゆうと オフ会に行くと、2022年はバリュー株投資家はほとんどがプラスの成績。10~20%プラスの人も多かったですね。

「成長株と高配当株の二刀流で、働いた稼ぎと配当収入を得つつ、
安心して成長株に取り組めたのがよかったと思います」(ショウさん)

──ゆうとさんも高配当株への投資はされていますか?

ゆうと 2022年は高配当株が上がるだろうな、と年初から思っていました。東証の市場再編に向けて、プライム市場の上場基準ギリギリで、株主還元の強化を明言している企業も多かった。配当を増やす企業が増えることを予想して、2022年の前半は30銘柄くらいの増配期待株に分散投資して、よいリターンを得られました。
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──長田さんは、投資を始めた当初から成長株を買われていたんですか?

長田淳司 もともとは高配当株やリートもやっていました。サラリーマンとして働きながら資金を貯めて、そのうえで大化け株を狙っていくというスタイルで、運よくラクス(3923)SHIFT(3697)は10倍株になりました。
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 実は、最初の5~6年は、そんなに資産は増えていないんです。2013~2014年にアベノミクスで成長株の波が来て、そこで一気に増えていった。待っていれば大波がくるので、無理に短期間で増やそうとしないほうがいいと私は思います。

ショウ 私も長田さんと同じで、最初から大きく儲かったわけではありません。転機は2015年、横田濱夫さんの『夢の配当生活のすすめ』という本を読み、高配当株なら負けにくいと知ったこと。ただ、配当株だけだと時間がかかるので、成長株も組み合わせた二刀流にしました。配当とサラリーマンの収入がある環境で、安心して成長株投資に取り組めたのがよかったのだと思います。
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──ゆうとさんは最初からバリュー株中心に投資していたんですか。

ゆうと いえ、最初はデイトレードやスイングトレードなど何でもやっていました。投資歴4年目くらいの頃、名古屋でのセミナーでかぶ1000さんのお話に感銘を受けたんです。バリュー株投資を知って「自分がやりたかった投資手法はこれだ」と思いました。

 ただ、そのまま真似をしてもうまくいきませんでした。そこで、限られた資産額で、より短期間でのリターンを期待できる方法を自分なりに模索して、カタリスト(「触媒」を表す英語で、相場を動かすきっかけとなる材料やイベントのこと)重視の投資手法に辿りつきました。成長株投資は投資家の力量に大きく左右されますが、バリュー株投資はそのような変動幅が小さく、手法自体に優位性があります。自分の力量が低かったので、バリュー株投資をやっていこうと思ったんです。
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「他人が見ていないであろう情報にまで目を通し、
エッジが立った手法を確立するのが大事」(ゆうとさん)

──一方で、エースさんは高成長株への集中投資のスタイルですが、貯金も含めて資産をすべて1銘柄に?

エース はい、貯金はほぼないです。全額1銘柄に入れても、余程のことがない限りゼロにはならないですから。資金が5000万円、1億円になったらさすがに分散投資に切り替えると思いますが、まだ働いて取り返せる額。なくなったらまた貯金してリスタートすればいいです。知り合いには集中投資で何十億円を築いた人もいるので、「億」は早く達成したいし、通過点にしたいと思っています。

ショウ 私も「億」はすごく意識してしまいます。今の年間220万円の配当金のままだったとしても10年で届きそうですが、もっと早く達成したい。資産額よりも配当金の額を重視していますが、それでも1億円を達成したら家族には誉めてもらいたいです(笑)。

ゆうと 株価は自分でコントロールできないので、資産額は目標にしていないです。結果は後からついてくると信じて、自分の手法で投資を続けていくだけですね。力んで周りが見えなくなるのが怖いので。

──ツイッターなども情報収集に使いますか?

適時開示情報などの一次情報を重視!

ゆうと 実はSNSより、一次情報にあたることを重視しています。企業の適時開示情報、有価証券報告書、半期報告書、大量保有報告書。一般に公開している情報から企業分析を進め、カタリストを見つけますね。

エース ゆうとくんがすごいのは、株式投資に関するルールを熟知しているところ。

ゆうと 他人が見ていないものまでしっかり読み込めば差がつけられる。エッジが立った手法を確立するのが大事だと思っています。

「2022年は成長株に逆風の年でしたが、今年はチャンスもあるはず。
決算を見て、割安感のある銘柄を拾っていきます」(長田淳司さん)

ショウ 私はツイッターもけっこう見ています。ほかの個人投資家が注目しているものも、自分で調べ直して納得できたら買います。

エース 以前はツイッターを見ていましたが、2022年はほとんど見ていません。株価の変動が大きい銘柄を持っていて、周りに流されて売りたくなってしまうのは避けたいので。

 自分は業界の「中の人」の情報を大事にしています。たとえばINTLOOPはIT人材の派遣をやっていますが、「単価が高くていい仕事が回ってくる」といった話を知り合いのプログラマーから聞いていました。まだ一般的な知名度はないけれど、業界ではこれだけ浸透しているなら期待できると考え、思い切って集中投資できました。

投資家同士の交流も!

──名古屋では投資家同士の交流も盛んですよね。

エース 株仲間に救われたことは何度もあります。主催している「KabuLink」は、注目している銘柄をプレゼンしあう会。自分が見えてなかった懸念点を指摘してもらうことも多いです。他人から何をツッコまれても説明できるくらい調べて、考えようと心掛けています。

──2023年はどう挑みますか?

長田淳司 2022年は米国の金利上昇が逆風でしたが、それが落ち着けば成長株にチャンスが巡ってくるはず。決算をしっかり見て、割安感のある銘柄を拾っていきます。

ゆうと 相場全体より、個別企業の業績を重視しますね。とくに自分が買っているバリュー株は成長性や収益性に劣りがち。コスト高を価格転嫁できるか、受注残は豊富かといった点を注視していきたいです。

ショウ 私もあまり先読みはしないです。新NISAで24年から非課税枠が拡大して無期限になるので、高配当株を新NISAで買うための資金を準備しておきたい。2023年は現行の一般NISAの最終買付になるので、こちらでは成長株を4銘柄ほど買ってみたいです。
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