AKB48の4人が持つ投信の成績に差がつき始めた！～第9回　成績の良いメンバーから学ぶ、しっかり利益を稼ぐための投資信託の絶好の買い時とは？～

2016年9月～10月、日経平均株価が1万7000円をなかなか突破できず、売買のタイミングがつかみにくい状況が続く中で、NISAでの投資信託の運用バトルに挑戦するAKB48メンバー4人。最初は横並びだった成績も、ここへ来て差がつき始めた。投資金額はほとんど同じになっているが、投資信託を買い増したタイミングがポイントに…。正しい買い時を話し合った4人の結論は？ （10月21日発売のダイヤモンド・ザイ12月号から転載。最新の記事はダイヤモンド・ザイ1月号掲載中）

4人の投資金額はほぼ横並びだが、成績には大きな差が…
急落時に買った2人が成績上位を維持！

中村麻里子（以下、麻里子） 投資信託の積み立てを始めてから、そろそろ半年になるんだね。

中西智代梨（以下、智代梨） 投資額はほとんど同じなのに、どうして成績に差がついてきたのかな。

小嶋菜月（以下、菜月） みんなプラスなのに、私はマイナス…。9月に日本株の投資信託を買い増ししたのに、どうして？

武藤十夢（以下、十夢） 投資している額が、みんなほとんど同じということは、買い増した時期が影響しているのかもね。

――投資信託を買い増ししたタイミングを振り返ってみて、成績の差の原因を検証してみたらどうですか？

菜月 そうしよう！ この先、どこで買ったらいいかがわかるかも。十夢がトップなのはどうしてかな？

十夢 私が投資信託を買い増したのは、確かイギリスがEU離脱を決めた時だから、日経平均も大きく下がっていたよね。

麻里子 確かに。私は十夢みたいに、1万円分を買い増したわけじゃないけど、積み立て額をそのタイミングで増やしたんだよね。

智代梨 6月に大きく下落した時に、菜月と私は投資信託の買い増しをしなかった…。

菜月 ＥＵ離脱の問題が、大きなニュースになってたし、まだまだ株価が下がりそうな感じもしたから…。

十夢 そうそう。でも、積み立て投資のゴールは、かなり先だし、目先の利益に惑わされないのが大事。株価が下がってる時は、投信の口数が多く買えるから、買い増す絶好のチャンスなんだよね。

麻里子 積み立て額を増やしたから、口数が多く買えるし、私はもっと下がっても、いいかもって思ったくらい。

智代梨 でも、その後すぐに株価が回復したから、成績に差がついたんだよね。

菜月 私は積み立てを始めるのが、1カ月遅かったから合計の投資額も少なくて、利益も一番少なかったんだよね。

智代梨 私も2人に追いつきたくて、7月に投資信託を買い増したんだけどな。

麻里子 智代梨が買い増した時の日経平均を見ると、そんなに株価が高いわけじゃないよね。今よりは株価も低かったわけだし…。

――智代梨さんが買った投資信託は、先進国株全体に投資するものだったので、日経平均と同じ動きをするわけじゃないんです。でも、最近は日本株とほぼ同じ動きをしていますね。

積み立てで自動的に安値で買えたことが勝因！
「さらに下がるのが怖い」と思ってしまった2人は買い増せず

十夢 私と麻里子さんが買った時って、日経平均が1万5000円まで下げてたんだ。

麻里子 そう。でも、私は日本株投信の積み立て額を2000円分増やしただけだよ。みんなも、ほとんど同じ時期に購入日を設定してるから、積み立てで買った分は安値で買えてるってことだね。

智代梨 本当だ、積み立てで買った分は、安値付近で買えてる。

菜月 智代梨と私は、株価が下がってる時に、もっと、下がるのを心配して、買い増しできなかった。でも、積み立てをしていたから、そういう感情抜きで、自動的に安値で買えてるんだ。投資信託の積み立てって、やっぱりスゴイかも。

智代梨 そうだね。でも、あの時に投資信託を買い増そうって、思ったんだけど、止めちゃったんだよな…。やっぱり、買い増せばよかった…。ほとんど利益が出てないから、悔しい。

――日本株は年初から、低迷が続いているので、大きく損をしている投資家が多いはずです。そんな中で、この成績だったら、みなさん優秀です。

麻里子 というか、積み立て自体が優秀なんだよね。

1万5000円で下げ止まった理由を分析
大暴落の後に買い増しの好機が待っている!?

菜月 6月末は株価が下げ止まったからいいけど、もっと下がったかもしれないよね。

麻里子 株価チャートを見ると、今年の2月にも、1万5000円付近で、株価が下げ止まって、再び上昇してるね。

智代梨 この、株価チャートの下にある棒グラフって、何？ 下げ止まっている時に、この数字が大きく増えてる。

菜月 本当だ。2月と6月に急激に増えてる。

――これは、出来高といって、どれくらい日本株が売買されたのかを表しています。急落時は、恐怖で焦ってわれ先にと売りが増え、連鎖的な売りが増えるんです。

十夢 その時は株を売ったほうがいいってこと？

麻里子 でも、株を持っている人の多くが売ると、いずれ売りたい人がいなくなるよね。

――そうです。売りが増えることで起こる大暴落のことを「セリング・クライマックス」といいますが、この後に、株価が反発するケースが多い。

智代梨 じゃあ、そこが投資信託を買い増す絶好のチャンスってことなんだ。

十夢 次に投信を買い増すなら、1万5000円付近まで下がった時がよさそうだね。

菜月 私が買い増しした時は1万6000円台だったから、9月に投資金額を増やしたのに、利益が少ないのか…。

智代梨 早く1万5000円まで下落しないかな？

十夢 でも、2016年1月からの株価チャートを見ると、1万5000円まで下がったのは、2回だけなんだね。

麻里子 確かに。6月末は、イギリスのEU離脱で株価は急落したけど、1月から2月の急落って、どうしてなんですか？

――日本の企業は輸出企業が多いので、ドルに対して、円高になると、株価が下落しやすいんです。年初の1ドル＝120円から110円まで円高が進んだことで、株価が急落しました。

智代梨 それって、あまりないことなんですか？

――ここまで急激に円高が進んだのは、6年ぶりです。

株価の本格上昇は株価チャートの「Ｗ」の形に注目！
安値で投資信託を買い増す代わりに、個別株投資も検討！

菜月 日経平均の株価チャートを見ると、前に教えてもらった「W」の形になってるね。

麻里子 「Ｗ」の真ん中の山を、株価が上回ったら、上昇が開始するサインだったよね。

十夢 投資をしてる多くの人が、その形を意識してるから、上昇しやすいんだよね。

智代梨 4月末の高値は1万7600円くらいか。

菜月 今は1万6000円台（※）だからこれを超えるのは、カンタンじゃなさそう…。（※編集部注：2016年9月時点の株価です）

麻里子 それに6月以降は、なかなか1万7000円も超えていないね。

十夢 9月には、1万7000円をちょっと超えたけど、すぐに下がってるしね。

智代梨 日本株の上昇は、まだまだ先なのか…。

菜月 しかも、1万5000円まで下がりそうな感じもないし、成績は当分ビリのままか…。

麻里子 ただ、現金も貯まってきてるし個別株も買えそうだよ。

菜月 よし。個別株の勉強をして逆転を狙う！

（※第10回「移動平均線のチェックだけで売買タイミングがわかる！」は、11月21日に発売されたダイヤモンド・ザイ1月号に掲載中）