東京急行電鉄株式会社が株主優待を一部変更すると、2017年5月26日に発表した。
東京急行電鉄は、民間鉄道大手で多大な輸送人員数を誇る。他にも不動産業や生活サービス事業など、幅広く事業を手掛けている。
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東京急行電鉄の従来の株主優待は、9月末と3月末の年2回実施されており、内容は「1000株以上保有する株主に、グループ系列施設などで利用できる『株主優待券』のセットが贈呈されるほか、保有株数や継続保有期間に応じて、東京急行電鉄の交通機関で利用できる『電車・東急バス全線きっぷ』『電車全線パス』『電車・東急バス全線パス』を贈呈」というもの。
今後も、基本的な株主優待の内容には変更はないが、以下の点が変更される。
(1)「株式併合(2株⇒1株に併合)」の割合に応じ、株主優待の配布基準変更(長期継続保有の優遇や、家族合算株主優待制度の配布基準も変更へ)。
(2)「単元株式数の変更(1000株⇒100株)」に伴い、「200株以上500株未満」保有の株主に向けた優待を新設。
(3)株式併合後に「1万2000株以上」保有の株主優待として、事前申請によりり『株主優待乗車証(電車全線パスもしくは電車・バス全線パス)』または『東急ホテルズツインルーム宿泊券』を選択できる制度を新設。
なお、東京急行電鉄のグループ施設で割引などの優遇が受けられる優待券セットの、1冊あたりの内容は以下のとおり。
◆「東急百貨店」買物10%割引券⇒10枚
◆「東急ストア」買物50円割引券⇒40枚
◆「東急ホテルズ」宿泊基本料金30%割引券⇒8枚
◆「東急ホテルズ」飲食代10%割引券⇒4枚
◆「東急病院」人間ドック基本料金10%割引券⇒1枚
◆「Bunkamuraザ・ミュージアム/五島美術館」共通招待券⇒4枚
ちなみに、東京急行電鉄は2万4000株以上保有する株主を対象として、「家族合算株主優待制度」というユニークなシステムを導入。対象者と2親等以内の家族の保有株数を合算し、5万7000株以上になる場合に、1人で5万7000株以上保有していた株主と同様の優待品(優待の中で最も豪華な「電車・東急バス全線パス1枚」)を受け取ることができるようになっている。この制度は今後も継続されるが、株式併合に伴って「2万4000株以上保有する株主⇒1万2000株以上保有する株主」、「合算して5万7000株以上になる場合⇒合算して2万8500株以上になる場合」に変更される。
この株主優待の変更は、2017年9月30日時点の株主名簿に記載または記録された株主から適用される。
東京急行電鉄の株主優待制度の詳細
東京急行電鉄の株主優待制度の詳細 ※株式併合と単元株変更後の詳細 | ||
基準日 | 保有株式数 | 株主優待内容 |
9月末/ 3月末 |
200株以上 | ◆電車・東急バス全線きっぷ2枚(×年2回)(※1) |
500株以上 | ◆株主優待券1セット(×年2回) ◆電車・東急バス全線きっぷ5枚(×年2回) |
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1500株以上 | ◆株主優待券1セット(×年2回) ◆電車・東急バス全線きっぷ10枚(×年2回) (※3年以上継続保有で、5枚(×年2回)上乗せ)(※2) |
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2500株以上 | ◆株主優待券1セット(×年2回) ◆電車・東急バス全線きっぷ20枚(×年2回) (※3年以上継続保有で、5枚(×年2回)上乗せ) |
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5000株以上 | ◆株主優待券1セット(×年2回) ◆電車・東急バス全線きっぷ40枚(×年2回) (※3年以上継続保有で、10枚(×年2回)上乗せ) |
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9500株以上 | ◆株主優待券1セット(×年2回) ◆電車・東急バス全線きっぷ80枚(×年2回) (※3年以上継続保有で、10枚(×年2回)上乗せ) |
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1万2000株以上(※5) | ◆株主優待券1セット(×年2回) ◆電車・東急バス全線きっぷ10枚(×年2回) (※3年以上継続保有で、10枚(×年2回)上乗せ) ◆電車全線パス1枚(×年2回)(※3) |
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1万4000株以上 | ◆株主優待券1セット(×年2回) ◆電車・東急バス全線きっぷ30枚(×年2回) (※3年以上継続保有で、10枚(×年2回)上乗せ) ◆電車全線パス1枚(×年2回) |
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2万8500株以上 | ◆株主優待券1セット(×年2回) ◆電車・東急バス全線きっぷ30枚(×年2回) (※3年以上継続保有で、10枚(×年2回)上乗せ) ◆電車・東急バス全線パス1枚(×年2回)(※4) |
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詳細 |
きっぷ、パス、株主優待券共に、9月株主には11月に発送し、有効期限は翌年5月31日まで。 3月株主には5月に発送し、有効期限は11月30日まで。 (※1)持参人1名が使用できる。1枚につき、東急線または東急バス片道1乗車に利用可能。 (ただし、高速乗合バスや深夜急行バスなど一部バス路線は利用不可。 また、深夜バス利用時は割増運賃が発生する) (※2)長期継続保有の優待については、当該基準日を含む直近7回の基準日 (3月31日・9月30日)に継続して記載された株主に対し、その7回の基準日に保有していた 最小株式数に応じて追加発行される。 (※3)記名式だが、記名人以外でも持参人1名に限り使用できる。東急線または 東急バスに利用可能。(ただし、高速乗合バスや深夜急行バスなど一部バス路線は 利用不可。また、深夜バス利用時は割増運賃が発生する) 事前の申請により東急ホテルズツインルーム宿泊券(エクセルホテル東急・ 東急REI ホテルブランド)に変更可能。 (※4)記名式だが、記名人以外でも持参人1名に限り使用できる。東急線または 東急バスに利用可能。(ただし、高速乗合バスや深夜急行バスなど一部バス路線は 利用不可。また、深夜バス利用時は割増運賃が発生する) 事前の申請により東急ホテルズツインルーム宿泊券(東急ホテル・エクセルホテル東急・ 東急REI ホテルブランド)に変更可能。 (※5)1万2000株以上保有の株主は、次回基準日に2親等までの親族の保有株数を合算し 2万8500株以上に達する場合、事前の申請により、2万8500株保有相当の株主優待が 贈呈される(家族合算株主優待制度)。 |
東京急行電鉄の株主優待は、割引券や、乗車区間・利用頻度によって料金が異なる電車やバスの乗車きっぷ・パスのため、利回りの計算は困難だ。今回の株主優待の変更は、基本的に「株式併合」と「単元株数の変更」によるもので、株主優待の内容自体は変わっていないが、新たに「200株以上~500株未満」という配布基準が新設された。これにより、従来は株主優待を受けるには最低でも85万3000円の投資が必要だったが、今後は34万1200円で株主優待の対象となることができる(どちらも6月2日時点の株価で計算)。株主優待のハードルが下がったので、個人投資家には朗報と言えるだろう。
なお、東京急行電鉄は東急グループに属する、鉄道・バス事業を展開する会社。東横線・目黒線・田園都市線などを擁し、交通機関のほか、都市開発なども手掛けている。2017年5月12日に発表した2017年3月期連結業績(通期)は、不動産賃貸業の好調や「東急レクリエーション」を前連結会計年度末に連結子会社化したことによる増加などにより、すべて前期比で営業収益が2.4%増、営業利益が3.3%増、経常利益が9.2%増、当期純利益が21.8%増。2018年3月期の連結業績予想(通期)も増収増益を見込んでいる。
■東京急行電鉄 | |||
業種 | コード | 市場 | 権利確定月 |
陸運業 | 9005 | 東証1部 | 9月/3月 |
株価(終値) | 単元株数 (2017年5月現在) |
最低投資金額 | 配当利回り |
853円 | 1000株 | 85万3000円 | 1.11% |
※株価などのデータは2017年6月2日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 |
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