先週発表された
ゼネラル・エレクトリックの決算はメタメタ
先週発表されたゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)の決算は、「ハッ!」と息を呑むほど悪い内容でした。
EPSは、予想49セントに対し29セントにとどまりました。また営業キャッシュフローは、前年同期に比べて12億ドルも少なかったです。なお、売上高成長率が前年同期比+11%だったのは、ベーカー・ヒューズ(ティッカーシンボル:BHGE)を買収したためです。
特に営業キャッシュフローが配当を払い出すのに必要な金額を下回っていたため、減配リスクが顕在化しました。
ゼネラル・エレクトリックの
営業キャッシュフローが悪化した理由
ゼネラル・エレクトリックの営業キャッシュフローが悪化した理由は二つあります。
まず、発電タービン部門から上がってくる営業キャッシュフローが、たいへん貧弱でした。同部門は、以前より少し出力の小さいタービンへと需要の中心が移っているという市場環境の微妙な変化を見落とした結果、生産の絞り込みが遅れ、大量の仕掛け品在庫を抱えてしまいました。
次に、ゼネラル・エレクトリックは金融サービス事業であるGEキャピタルを処分しましたが、そのGEキャピタルからゼネラル・エレクトリックに対して支払われるべき配当が、今回は見送られました。その理由は、「損害保険の払い出しニーズがどのくらいあるのか?」を確定する作業が未だ済んでおらず、それが済むまでは配当を出せなかったという事情によります。
GEキャピタルは、今年上半期、ゼネラル・エレクトリックに対して410億ドルの配当を払っているので、これが滞るとゼネラル・エレクトリックにとっても大きなインパクトがあります。
なお、これは一時的な事情であり、保険払い出し額のリビューが終われば速やかに支払われると思われます。
いずれにせよ現在の状況では、ゼネラル・エレクトリックは営業キャッシュフローが配当を下回る、いわゆる「タコ配当」の状況に陥っており、来る11月13日のアナリスト・デーで減配が発表されるリスクが高いです。
ゼネラル・エレクトリックの経営改革は
成功するのか?
ここまでの説明だと、ゼネラル・エレクトリックは重症の病に罹っているように見えます。しかし同社の経営内容は、それほど絶望的ではないと思います。
まず同社の売上構成は、下のチャートのようになっています。
このうち発電タービンのビジネスだけが、今期売上高が前年比-4%、営業利益は前年比-51%とスランプに陥っています。しかしそれ以外の事業部は、前年比+5%~+8%の増収を確保しており、安定的に推移しています。
次に、主要事業部の収益性を見ると、ジェット・エンジンのビジネスが最も儲かることがわかります。
なお、去年の第3四半期の発電タービンの営業利益率は14%でしたので、同部門は利益率が半減していることになります。
次に、各事業部がゼネラル・エレクトリックの影響にどれだけ貢献しているかを見ると、下のパイチャートのようになります。
ジェット・エンジンとヘルスケアが利益の大半を稼いでいるわけです。つまり、発電タービンのビジネスがターン・アラウンドすれば、ゼネラル・エレクトリックの業績は急回復するのです。
業績改善のキーとなるのは
発電タービンのビジネス
スランプに陥っている発電タービンのビジネスは、競争力の欠如が問題なのではありません。実際、世界の発電所の3割は同社のタービンによって駆動されており、市場支配力は申し分ありません。
同社は既に発電タービン部門の経営トップを入れ替え、改革に乗り出しています。
11月13日に開催される
アナリスト・デーで予想されることは?
今回のアナリスト・デーでは、包括的かつ抜本的な経営改革が打ち出されると思います。そこでは、結果重視で責任の所在を明確化する企業風土への脱皮が掲げられると思います。
さらに営業キャッシュフローを最優先する経営に移行し、資本配分もリターンを生む事業への傾斜を強めることが予想されます。
また、2年以内に200億ドル相当のビジネスを売却し、2018年中に営業費用を20億ドル圧縮することも正式発表されると思います。
【今週のまとめ】
ゼネラル・エレクトリックの事業立て直しは比較的容易
来年早々のターン・アラウンドを予想
ゼネラル・エレクトリックの第3四半期決算は、メタメタに悪かったです。しかし問題は発電タービン部門に集中しており、しかもそれは需要を読み間違えるという「凡ミス」によるところが大きかったです。
事業の立て直し、ならびに営業キャッシュフローを増やすことは、比較的容易だと思われます。目先は「タコ配当」になっているので減配リスクがありますが、来年早々にもターン・アラウンド(事業再生)が明確になると思われます。

※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます。
拡大画像表示
【今週のピックアップ記事!】 | |
■ | カリフォルニア北部の大規模山火事により急落したパシフィック・ガス&エレクトリックは、今が買い? 世間の「悪者探し」の標的になり投げ売り状態に! |
■ | 資産1億円超の投資家3人が「サラリーマンでも1年で資産倍増」できる極意を伝授!「資産倍増」を可能にする売買ルールや銘柄選び、2018年の大化け株とは? |
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
【2023年1月4日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
5300銘柄以上 | 約定代金の0.495% ※最低手数料0米ドル、上限手数料22米ドル |
【マネックス証券のおすすめポイント】 5300銘柄以上の米国株を取り扱っており、銘柄数はトップクラス! 買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)なので、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」対象13銘柄は実質手数料無料(キャッシュバック)で取引が可能。米国株は、時間外取引に加え、店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。なお、NISA口座なら日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」が無料で利用できる。 |
|
【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約5900銘柄 | 約定代金の0.495% ※最低手数料0米ドル、上限手数料22米ドル |
【SBI証券のおすすめポイント】 ネット証券最大手だけあって、米国、中国(香港)、韓国、ロシアからアセアン各国(ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア)まで、外国株式のラインナップの広さはダントツ! 米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能で、一部米国ETFは手数料無料で取引できる。米ドルの為替レートは「片道25銭」と他の証券会社と同じレベルだが、住信SBIネット銀行の外貨預金口座から入金すれば「片道4銭」で両替可能。差額の21銭は1ドル=108円なら約0.19%に相当するので、かなりお得だ。あらかじめ設定した金額か株数(口数)で定期的に買付する「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。 NISA口座なら、日本株の売買手数料だけでなく、海外ETF(米国・中国・韓国)の買付手数料も無料に。米国企業情報のレポート「One Pager」、銘柄検索やソートに使える「米国株式決算スケジュールページ」や「米国テーマ・キーワード検索」、上場予定銘柄を紹介する「IPOスピードキャッチ!(米国・中国)」など情報サービスも多彩。また、2021年4月から米国株式取引専用の「米国株アプリ」が登場した。インドネシアやタイなどのアセアン各国に関しては、主要約70銘柄の個別企業レポート「ASEANアナリストレポート」を提供している。 |
|
【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
5200銘柄以上 | 約定代金の0.495% ※最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル |
【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)と、幅広い銘柄がそろっているうえ、海外ETFの取り扱い数も、米国ETF約350本を含む、約400本と業界No.1! 所定の米国ETF9銘柄については買付手数料が無料で取引ができる。米国株式の注文は、最大90日先まで指値注文が有効で、「約定通知メール」サービスとあわせて利用すると便利。米国株の注文受付時間が、土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。アセアン株式の情報も充実。財務分析でよく使われるPERなどの主な指標、過去5年間の業績推移や今後2年間の業績予想もチェックが可能だ。NISA口座なら買付手数料が無料(売却時の手数料は必要)なのもメリットだ。取引から情報収集までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名。さらに、スマホ向けトレードアプリ「iSPEED」でも米国株取引が可能になった。ツール内では日経新聞の記事を無料で読むこともできる。 |
|
【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
◆DMM.com証券(DMM株) ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約2500銘柄 | 無料 |
【DMM.com証券おすすめポイント】 2019年12月に米国株の売買手数料を完全に無料化したことで、取引コストに関しては一歩リード!ただし、配当金が円に両替される際の為替スプレッドが1ドルあたり1円と高いので、割り狙いで長期保有する人は注意が必要だ。取扱銘柄数は少なめだが、FAANGなどの有名IT株やバンガードなどの人気ETFは、きちんと網羅されている。他社と違う点としては、外貨建ての口座がなく、売却時の代金や配当が自動的に受け付けから円に交換されること。その後で持っておきたい人にはデメリットだが、すべて円で取引されるため初心者にとってはわかりやすいシステムと言えるだろう。また、米国株式と国内株式が同じ無料取引ツールで一元管理できるのもわかりやすい。米国株の情報として、米国株式コラムページを設置。ダウ・ジョーンズ社が発行する「バロンズ拾い読み」も掲載されている。 |
|
【関連記事】 ◆DMM.com証券「DMM株」は、売買手数料が安い!大手ネット証券との売買コスト比較から申込み方法、お得なキャンペーン情報まで「DMM株」を徹底解説! ◆【証券会社比較】DMM.com証券(DMM株)の「現物手数料」「信用取引コスト」から「取扱商品」、さらには「最新のキャンペーン情報」までまとめて紹介! |
|
【米国株の売買手数料がなんと0円!】 |
※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |