2017年の中小型株「株価上昇率ベスト10」&「株価下落率ワースト10」を発表!
ダイヤモンド・ザイでは、特集「2018年『株』全予測」を掲載。日本株全体の値動きの予測や業種別の値動き、為替の動向予測、タイプ別の狙い目株の検証、2018年に「買い」の投資信託なども取り上げている。
今回は特集内の「タイプ別の狙い目株」をピックアップ。誌面では「大型株」「中小型株」「IPO株」「高配当株」といったタイプ別に、2017年に上がった株と下がった株をランキング形式で紹介し、2018年の注目銘柄を検証している。ここでは「中小型株」のランキングの一部を抜粋!
上昇率ランキング上位銘柄は、割高感が高い上に玉石混淆!
ダイヤモンド・ザイでは、時価総額3000億円未満の「中小型株」で、2017年の株価上昇率が高かった銘柄を、ランキング形式で取り上げている。誌面では20位までランキングを掲載しているが、ここでは上位10位までを抜粋して紹介しよう。
2017年の中小型株「上昇率」ベスト10 | |||||
上昇率 | 株価(12/1) | 年初来安値・日付 | 投資判断 | 最新の株価 | |
1位 | ◆ペッパーフードサービス(3053・東1) | ||||
1078% | 6870円 | 583円・2/3 | 強気 | ||
【分析コメント】「いきなり!ステーキ」出店拡大で投資増も売上好調。PERではやや割高感があるが、一段の成長期待が支えに。 | |||||
2位 | ◆アイケイ(2722・東J) | ||||
1070% | 5840円 | 499円・1/12 | 強気 | ||
【分析コメント】WEB・テレビショッピングルートでの雑貨・化粧品の売上が好調。ROEは高水準で、PB強化でさらなる向上に期待。 | |||||
3位 | ◆大興電子通信(8023・東2) | ||||
792% | 1605円 | 180円・1/4 | 弱気 | ||
【分析コメント】富士通の特約店で、同社グループとの連携で営業利益は拡大基調だがややスローペース。株価はやや行き過ぎの懸念も。 | |||||
4位 | ◆北の達人コーポレーション(2930・東1) | ||||
784% | 1099円 | 124.3円・1/4 | 買い | ||
【分析コメント】化粧品や健康食品のネット通販。財務・利益率ともに良好だが、株主優待の新設で株価は急騰。25日平均線で狙いたい。 | |||||
5位 | ◆グレイステクノロジー(6541・東M) | ||||
728% | 1万760円 | 1300円・1/12 | 強気 | ||
【分析コメント】マニュアルのコンサルティング会社で製造業からの需要が拡大。通期は営業益、純利益とも3割増の見通し。 | |||||
上昇率 | 株価(12/1) | 年初来安値・日付 | 投資判断 | 最新の株価 | |
6位 | ◆五洋インテックス(7519・東J) | ||||
717% | 833円 | 102円・1/4 | 売り | ||
【分析コメント】カーテンなどインテリア専門商社。業績は赤字で推移。新規に医療分野も。今期は黒字回復の見込みだが、不透明感も。 | |||||
7位 | ◆ASJ(2351・東M) | ||||
587% | 2309円 | 336円・4/13 | 売り | ||
【分析コメント】クラウドサービスが堅調に推移して株価は急騰。業績回復は株価に織り込んだ印象で、現在の株価はやや高水準か。 | |||||
8位 | ◆串カツ田中(3547・東M) | ||||
574% | 6160円 | 913.3円・1/4 | 弱気 | ||
【分析コメント】株式分割で実質5円の増配、足元の業績は絶好調だが、株価は上昇を続けて、PERは200倍台と超割高水準。 | |||||
9位 | ◆夢展望(3185・東M) | ||||
572% | 1485円 | 221円・2/6 | 買い | ||
【分析コメント】女性向けの衣料ネット販売。RIZAPグループの支援で業績は急回復しており、株価水準も割安。長期のスタンスで買い。 | |||||
10位 | ◆ジーンズメイト(7448・東1) | ||||
562% | 1245円 | 188円・1/4 | 中立 | ||
【分析コメント】RIZAPグループの子会社となり、構造改革中。9月の既存店売上高は19.2%増と大幅改善。株価は過熱感も。 | |||||
※投資判断と分析コメントは、グローバルリンクアドバイザーズの戸松信博さん。 |
1位に輝いたのが、「いきなり!ステーキ」を運営する「ペッパーフードサービス(3053)」。立ち食いスタイルで、原価率55%の分厚いステーキが食べられるお得さが受けてブレイクした。低糖質という時流にも乗り、株価は2月の安値からなんと12倍にも跳ね上がった。
同じく8位の「串カツ田中(3547)」も炭水化物を一緒に食べなければ“低糖質銘柄”と言える。しかし、両銘柄ともにPERは100倍超と過熱感あり。小型株は、勢いに乗って株価が急騰すると、その後に急落しやすいので、気をつけたい。
その他の銘柄でも「小型株で上昇した銘柄は、業績がよくて伸びたものと、仕手筋などに投機的に買われたものに分かれます。ですから、よく中身を検証することが大事です」(戸松さん)。
上の一覧で、投資判断が「買い」や「強気」のものは、押しなべて業績が堅調だ。一方で、「売り」や「弱気」判断になっているものは、投機的に買われており、必ずしも業績の中身が伴っていないので、注意したい。
下落要因は「業績悪化」なので注目銘柄は限定的
一方、中小型株で2017年に下落率が大きかった銘柄のランキングも紹介しておこう。
2017年の中小型株「下落率」ベスト10 | |||||
上昇率 | 株価(12/1) | 年初来高値・日付 | 投資判断 | 最新の株価 | |
1位 | ◆ウェッジホールディングス(2388・東1) | ||||
-78% | 349円 | 1597円・2/14 | 中立 | ||
【分析コメント】タイ子会社GLのCEOが偽計及び不正行為で、調査を受けるとの報道で株価が急落。ここにきて業績成長もスローダウン。 | |||||
2位 | ◆シャノン(3976・東M) | ||||
-70% | 2190円 | 7370円・2/3 | 中立 | ||
【分析コメント】営業関連のクラウドサービス。利益は伸び悩み気味。業績動向を見極め、株価が上向いてきてから購入しても遅くない。 | |||||
3位 | ◆サイバーステップ(3810・東2) | ||||
-70% | 2411円 | 7980円・6/27 | 弱気 | ||
【分析コメント】ゲームのヒットで株価が上昇したが、その後大きく調整。ヒット作の予兆が出て、株価が上昇したときに乗ればよい。 | |||||
4位 | ◆JMC(5704・東M) | ||||
-68% | 1024円 | 3240円・2/28 | 売り | ||
【分析コメント】3Dプリンターの出力・鋳造。7月に大幅下方修正。売上高が予想を下回り、今後も厳しい局面が続く可能性。 | |||||
5位 | ◆旅工房(6548・東M) | ||||
-67% | 912円 | 2790円・4/26 | 売り | ||
【分析コメント】ネット専業の旅行会社。地域専門の担当者による提案販売が強み。競合激化で通期を大幅下方修正。厳しい局面が続く。 | |||||
上昇率 | 株価(12/1) | 年初来安値・日付 | 投資判断 | 最新の株価 | |
6位 | ◆エムアップ(3661・東1) | ||||
-67% | 1385円 | 4235円・6/2 | 中立 | ||
【分析コメント】歌手などのファンサイトを運営。業績は緩やかに拡大。株価は底ばいが続いており、ここからの下落の可能性は少ない。 | |||||
7位 | ◆昭和ホールディングス(5103・東2) | ||||
-65% | 104円 | 298円・2/8 | 弱気 | ||
【分析コメント】老舗ゴムメーカーで工業用など製造。ウェッジHDを連結化しており、タイGLのCEO捜査で急落。業績は横ばい。 | |||||
8位 | ◆マイネット(3928・東1) | ||||
-63% | 1873円 | 5090円・2/1 | 弱気 | ||
【分析コメント】スマホゲームを開発・運営。株価は底ばいで下値リスクは小さいが、タイトル数増による業績拡大は株価に織り込み済み。 | |||||
9位 | ◆リミックスポイント(3825・東2) | ||||
-63% | 673円 | 1820円・6/19 | 中立 | ||
【分析コメント】ビットコイン関連として注目され、6月に株価が急騰した反動で下落。取引所手数料収入は伸長している。 | |||||
10位 | ◆エルテス(3967・東M) | ||||
-62% | 2076円 | 5500円・3/3 | 強気 | ||
【分析コメント】1リスクに特化したビッグデータ解析技術をもとにソリューションを提供。新規事業を立ち上げ、売上高は高成長。 | |||||
※投資判断と分析コメントは、グローバルリンクアドバイザーズの戸松信博さん。 |
中小型株の下落率ランキング上位銘柄の場合、基本的な下落要因は「業績悪化」なので、安くなったからといって、積極的に「買い」を推奨するものは乏しい。ビッグデータ解析の技術を持つ「エルテス(3967)」くらいだ。
戸松さんによると、いまは中小型株よりも大型株のほうが割安感があるという。
「PERはNYダウが20倍を超えているところ、いまだ日経平均株価は15倍程度です。今期、再来期も増益が見込めることから、まだ値上がりの余地はあります。過熱気味の小型株よりも、2018年は大型株をおすすめしたいです」(戸松さん)
(※関連記事はこちら!)
⇒2017年の大型株「上昇率」&「下落率」ランキング!株価上昇率の高かった半導体、ロボット関連株など2017年の傾向から2018年に「買い」の銘柄を探せ!
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