IPO株の銘柄分析&予想

「エヌ・シー・エヌ」のIPOの情報の総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の木造設計企業との比較や予想まで解説![2019年3月22日 情報更新]

2019年2月7日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 エヌ・シー・エヌ
市場・コード/業種 JASDAQスタンダード・7057/サービス業
上場日 3月14日
申込期間(BB期間) 2月26日~3月4日
おすすめ証券会社 野村證券SBI証券SMBC日興証券カブドットコム証券DMM.com証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 1214円(+51.75%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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エヌ・シー・エヌが3月14日にIPO(新規上場)!

「エヌ・シー・エヌ」の公式サイトより

 エヌ・シー・エヌは、2019年2月7日、東京証券取引所に上場承認され、同年3月14日にIPO(新規上場)することが決定した。

 エヌ・シー・エヌは1996年12月11日に設立された。木造耐震設計事業を主たる事業とする。木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するための独自の建築システムである「SE構法」を、工務店を中心としたSE構法登録施工店ネットワークを通じて提供している。

【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

エヌ・シー・エヌのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 2月22日
ブックビルディング(抽選申込)期間 2月26日~3月4日
公開価格決定 3月5日
購入申込期間 3月6日~3月11日
払込日 3月13日
上場日 3月14日

エヌ・シー・エヌのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2019年2月25日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
野村證券(主幹事証券) 90.4
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SBI証券
[最短翌日に取引可能]
2.6
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SMBC日興証券
[最短3日で取引可能]
0.9
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カブドットコム証券
[最短4日後に
取引可能]
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DMM.com証券
※委託販売の配分がなかったため取扱中止
 
みずほ証券 2.6%  
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 2.6%  
エイチ・エス証券 0.9%  

エヌ・シー・エヌのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 700
仮条件
[予想PER(※2)
700~800円
11.7倍~13.4倍]
公募価格 800円
初値 1214円
初値騰落率 +51.75%
予想トレーディングレンジ(※3) 600円~1000円
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2019年2月21日ザラバの株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 18.0倍
細田工<1906> 14.7倍(連)
構造計画<4748> 14.2倍
HyAS&Co.<6192> 25.2倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割安と判断できる。

エヌ・シー・エヌの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 306万9000株(予定)
公開株式数 公募56万株  売出24万株
(オーバーアロットメントによる売出12万株)
想定公開規模(※1) 6.4億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

エヌ・シー・エヌはJQ上場、木造耐震設計を提供

 木造耐震設計並びにその設計に基づく構造部材の販売を行う。木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するための同社独自の建築システムである「SE構法」を、工務店を中心とした登録施工店ネットワークを通じて提供している。登録施工店数は2018年3月末時点で514社。

 建設関連のIPOは人気が高まりづらく、昨年上場した田中建設工業<1450>香陵住販<3495>はいずれも初値が伸び悩んだ。ただ公開規模が小さいうえにベンチャーキャピタルの保有株もなく、需給面の懸念材料は少ない。下値不安の乏しさから一定の初値買いが期待できるだろう。

 公開規模については6億円強となる見込みで、需給面は良好だろう。またIPOラッシュとなる3月だが、3/14に同時上場する企業はない。

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エヌ・シー・エヌの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2015/3 5,621
(―)
98
(―)
71
(―)
2016/3 5,533
(-1.6%)
199
(102.4%)
107
(51.2%)
2017/3 5,869
(6.1%)
169
(-14.8%)
133
(23.5%)
2018/3 6,056
(3.2%)
198
(16.7%)
136
(2.5%)
2019/3予
(―)

(―)

(―)
■連結業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2017/3 5,894
(―)
163
(―)
126
(―)
2018/3 6,083
(3.2%)
229
(40.1%)
169
(34.4%)
2019/3予 6,510
(7.0%)
257
(12.1%)
183
(8.0%)
2018/12 3Q 4,880
(―)
254
(―)
190
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:-円 連結:59.63円/23.00円
予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの

エヌ・シー・エヌの業績コメント

 2019年3月期の業績は、売上高が前期比7.0%増の65.1億円、経常利益が同12.1%増の2.5億円と増収増益の見通しとなっている。

 同社グループが属する住宅業界においては、雇用・所得環境が改善したことに加え、低水準の住宅ローン金利や政府による継続的な住宅取得支援策等の効果で、今第3四半期累計期間(2018年4~12月)における新設住宅着工戸数は堅調に推移した。

 同社グループの主な活動としては、今後注力していく集合住宅や病院・保育園等の非住宅分野での事業展開に向けて、2018年4月に大規模木造建築セミナーを開催した。また、現在の住宅施策において、住宅に使われるエネルギーを減らす「ゼロエネルギー住宅」が推奨されており、同社グループはその基本となる住宅の一次エネルギー消費量を計算するサービスを前期より本格的にスタートさせている。

 なお、通期計画に対する第3四半期末時点における進捗率は、売上高48.8億円で74.9%、経常利益2.5億円で98.8%となっている。

エヌ・シー・エヌの詳細情報

■基本情報
所在地 東京都港区港南一丁目7番18号
代表者名(生年月日) 代表取締役社長執行役員 田鎖 郁夫(昭和40年10月9日生)
設立 平成8年12月11日
資本金 1億3727万円(平成31年2月7日現在)
従業員数 新規上場会社85人 連結会社87人(平成30年12月31日現在)
事業内容 木造耐震設計並びにその設計に基づく構造部材の販売
■売上高構成比率(2018/3期 実績)
品目 金額 比率
木造耐震設計事業(住宅分野) 5,553 百万円 91.3%
木造耐震設計事業(非住宅分野) 248 百万円 4.1%
その他 281 百万円 4.6%
合計 6,083 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 (有)田杉総行 66万株 26.31%
2 田鎖 郁夫 57万8000株 23.04%
3 杉山 恒夫 41万株 16.34%
4 双日建材(株) 20万株 7.97%
5 杉山 義久 19万9000株 7.93
6 山河 和博 9万株 3.59%
7 伊東 洋路 8万株 3.19%
8 山川 裕史 5万株 1.99%
9 鈴間 浩 3万5000株 1.39%
10 飯島 靖 2万6000株 1.04%
合計   232万8000株 92.79%
■その他情報
手取金の使途 事業拡大を見据えた設備資金等に充当する予定
関係会社 SE住宅ローンサービス(株) (連結子会社) 住宅ローン事業
(株)MAKE HOUSE (連結子会社) BIM事業
(株)MUJI HOUSE (持分法適用関連会社) 木造耐震設計事業
VC売却可能分(推定) 株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 2016年3月4日
割当先 山河和博、飯島靖、松延隆行、中川勝人、福田浩史
発行価格 234円 ※株式分割を考慮済み
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エヌ・シー・エヌの銘柄紹介

 同社及び連結子会社2社(SE住宅ローンサービス株式会社、株式会社MAKE HOUSE)並びに持分法適用関連会社1社(株式会社MUJI HOUSE)により構成される同社グループは、「日本に安心・安全な木構造を普及させる。」「日本に資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくる。」ことを目標としている。

 また、主たる事業である木造耐震設計事業において、木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するための同社独自の建築システムである「SE構法」を、工務店を中心としたSE構法登録施工店ネットワークを通じて提供している。

(1)木造耐震設計事業

 施主よりSE構法による木造建築を受注した登録施工店に対して、設計段階で構造計算書を出荷するとともに、建設段階で構造加工品等を販売している。また登録施工店からは登録料及び月会費を受領している。

・同社の構造計算の特徴

 一般の木造住宅ではほとんど構造計算は実施されていないが、SE構法では、鉄骨造やRC造と同じ手法である許容応力度計算による構造計算を実施している。構造計算においては、構造図面作成用CADと連動した立体解析による構造計算プログラムを使用することで、構造図と構造計算の整合性を確保する形で安全性を検証している。

・同社の構造加工品供給の特徴

 SE構法では、構造部材として強度にばらつきのある無垢材ではなく、構造品質が高く一定の強度が保たれた構造用集成材(構造加工品)を採用している。また、接合部には独自開発した金物(SE金物)を採用するとともに、耐力壁や床材には構造用合板を採用している。これにより高い耐震性と大空間を実現させることが可能となっている。

 同社では、構造計算の際に作図される構造データを指定構造加工工場がそのまま加工データとして利用できるシステムを構築しており、正確に加工された構造加工品を供給するとともに、合わせてSE金物や構造用合板も供給することで、木造建築の耐震性と安全性を実現している。

 木造耐震設計事業では、物件の規模に応じて住宅分野と大規模木造建築(非住宅)分野に区分するとともに、住宅分野については、工務店ネットワークを通じて展開するネットワーク展開と、持分法適用関連会社である株式会社MUJI HOUSE等を通じて展開するハウスメーカー対応に分類して事業展開をしている。

(2)その他

 同社グループでは、木造耐震設計事業を主軸としながら「日本に資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくる。」という目標を実現するため、温熱計算サービスや長期優良住宅認定の代行サービス等、住宅の資産価値向上に向けた様々なサービスを手掛けている。

1.新規事業

 同社において、温熱計算サービス、長期優良住宅認定代行サービス等を提供している。

2.住宅ローン事業

 同社の連結子会社であるSE住宅ローンサービス株式会社において、SE構法による住宅専用の住宅ローンを代理販売しており、住宅購入者を資金面でバックアップする仕組みを整えている。

3.BIM事業

 同社の連結子会社である株式会社MAKE HOUSEにおいて、木造住宅に対して3次元CADデータ生成技術を普及促進する事業を行っている。

エヌ・シー・エヌの投資のポイント

 建設関連のIPOは人気が高まりづらいものの、公開規模が小さいうえにベンチャーキャピタルの保有株もなく、需給面の懸念材料は少ない。最近の建設関連のIPOでは、昨年12月に上場した田中建設工業<1450>が公開価格2400円に対し初値2570円(+7.1%)となったほか、9月に上場した香陵住販<3495>は公開価格1700円に対し初値1970円(+15.9%)といずれも伸び悩んだ。今年10月の消費増税や東京五輪後の不動産市況の悪化懸念などもその背景にあるとみられる。

 一方で公開規模5~10億円のIPOは昨年32社あったが、公開価格に対する初値騰落率は平均+151.8%と好調だ。同社は人気化こそ想定しにくいものの、下値不安の乏しさから一定の初値買いが期待できるだろう。

 同社は、セブン工業<7896>と日商岩井(現双日<2768>)の合弁会社として設立された。木造耐震設計事業において、木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するための同社独自の建築システムである「SE構法」を、工務店を中心としたSE構法登録施工店ネットワークを通じて提供している。

 施主よりSE構法による木造建築を受注した登録施工店に対して、設計段階で構造計算書を出荷するとともに、建設段階で構造加工品等を販売している。また登録施工店からは登録料及び月会費を受領している。登録施工店ネットワークの登録施工店数は2018年3月末時点で514社。前期実績で売上高の19.8%がアールシーコア<7837>向け。持分法適用関連会社のMUJI HOUSEは良品計画<7453>との合弁会社。

 業績面について、2019年3月期は売上高が前期比7.0%増の65.1億円、経常利益が同12.1%増の2.5億円と増収増益の見通しとなっている。国の住宅耐震化率引き上げや木材利用の促進といった政策が追い風となっているようだ。一方で、今年10月の消費増税前後には駆け込み需要や反動減が想定される。

 想定仮条件水準の今期予想PERは11~12倍程度となる。ジャスダック上場企業と比較すると、細田工務店<1906>や建築構造・防災支援等を手掛ける構造計画研究所<4748>をやや下回る。なお、マザーズ上場で住宅関連コンサルティングのハイアス・アンド・カンパニー<6192>は20倍を超える水準となっている。期末配当は1株当たり23.0円を予定しており、想定仮条件水準の予想配当利回りは3%強となる。

 公開規模については6億円強となる見込み。田鎖社長や杉山会長、及び関連会社とその他役員で発行済株式の大半を保有しており、前述のとおりベンチャーキャピタル保有株はない。このため需給面は良好だろう。またIPOラッシュとなる3月だが、3/14に同時上場する企業はない。

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[データ提供・銘柄分析]フィスコ 

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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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