インテルは、CPUの製造に特化したことで、
PC市場をほぼ独占する巨大企業に成長!
インテル(ティッカーシンボル:INTC)は、1968年にボブ・ノイス、ゴードン・ムーアらによって設立された半導体企業です。
当初はメモリーを作っていましたが、日本の半導体企業との競争にさらされ、企業戦略を根本から見直した結果、1970年代からCPU(マイクロプロセッサ)に特化した企業へと変身しました。CPUへの集中は見事に功を奏し、インテルはPC市場で独占に近いマーケットシェアを誇るまで成長しました。
時代の流れに乗り遅れたインテルは、
“PC中心”の会社から“データ中心”の会社へと脱皮を図る
しかし、その後、スマートフォンの出現で人々のコンピュータとの接触の仕方が大きく変わり、その流れに乗り遅れたインテルは業績が足踏みしました。
そこで近年、インテルは再び企業戦略を見直し、それまでのPC中心の会社からデータ中心の会社への脱皮を図っています。2018年には、PC中心の売上高とデータ中心の売上高がちょうど半々になりました。
データ中心のビジネスは、将来の成長の余地が大きいです。その反面、キャッシュフローという面では、ゼロ成長の分野であるPC中心の市場にもいまだ妙味は残っています。
したがって、すぐにPC中心の事業を止めてしまうのではなく、PC中心の事業から生まれる潤沢なキャッシュフローをデータ中心の新分野へ積極的に投入することで、バランスのとれた成長を狙う考えです。
データ中心の新分野というと、具体的にはデータセンターで使用される人工知能、FPGA、オプテイン・メモリ、3D NAND、ネットワークで使用されるNFV、5G向けチップ、エッジ向けチップ、IoTで使用される人工知能、自動運転車向け半導体、ビデオ・チップ、MaaS/DATAなどを指します。
これらの新分野の市場規模を、インテルは2200億ドルだと考えています。そして、その市場は年率7%で成長すると予想されます。
一方で現在、インテルが支配的地位を保っているPC中心の市場規模は680億ドルです。その市場は、年率-1%のペースで縮小しています。
これまでインテルは、PC中心の市場を他社との競争から守ることを主眼に経営されてきました。そこではベストの製品を作ることを心がけ、「良い製品は自然に売れてゆく」という価値観が支配的でした。
しかし新しいインテルは、自分たちのマーケットシェアは低いけれど高い成長を見せている市場に積極的に攻める経営へと転じており、顧客のニーズに耳を傾ける経営に舵を切っています。
半導体を製造するプロセス技術では、
ライバル企業の後塵を拝する
現在、インテルは、14ナノメートル(=10億分の1メートル)の線幅の半導体が主力となっています。しかしライバルである台湾セミコンダクターはすでに10ナノメートル、7ナノメートルの線幅へと移行中ですので、後塵を拝しているわけです。
実際、線幅の縮小は、過去においては約2年ごとに起こっていたのですが、現在はそのサイクルが3年以上に伸びてしまっており、プロセス技術の面でインテルが苦労していることが浮き彫りになりました。
インテルは、今年中にPC向け10ナノメートルの製品を出荷し、2020年の上半期までにはサーバ向け10ナノメートルの製品を出す予定です。そして、2021年までには7ナノメートルの製品を発売したい考えです。つまり、再び2年ごとの線幅の縮小のペースに戻ってゆく考えなのです。
先日発表されたインテルの第3四半期決算では、グロスマージンが58.9%でした。この数字は前年同期の64.5%より低かったです。
グロスマージンは、「インテルの生産ラインの品質管理がどのくらい上手く行っているか?」の指標と言えます。なぜなら、半導体の製造において新しい線幅に挑戦する際は、当初不良品が出やすく、その分グロスマージンが低下してしまうからです。
決算カンファレンスコールでは、今期58.9%だったグロスマージンは来期58%へ、そして究極的には57%まで低下した後、急角度で60%へ向けて戻っていくという考え方を経営陣が示しました。
その意味するところは、これから14ナノメートル、7ナノメートルなどの最先端技術の生産ラインをいよいよ立ち上げてゆくので、歩留まりは一時的に低下を余儀なくされるということです。
しかし、最近は歩留まりの改善に対する経営陣の自信が深まっており、それゆえに一旦下がったグロスマージンはまた上昇してゆくというガイダンスになっているのだと思います。
直近に発表された第3四半期決算は、
非常に満足のいく内容
第3四半期決算では、EPSが予想1.24ドルに対して1.42ドル、売上高が予想180.7億ドルに対して192億ドル、売上高成長率が前年同期比+0.1%でした。
クライアント・コンピューティング売上高は前年同期比+5%の97億ドル、データセンター売上高は+4%の64億ドル、IOT売上高は+9%の10億ドル、ADAS(モービルアイ)は+20%の2.3億ドル、メモリーは+19%の13億ドル、プログラマブルは+2%の5.1億ドルでした。
第4四半期のEPSは予想1.21ドルに対して新ガイダンス1.24ドルが、売上高は予想188.3億ドルに対して新ガイダンス192億ドルが提示されました。
2019年のEPSは予想4.38ドルに対して新ガイダンス4.60ドルが、売上高は予想694.7億ドルに対して新ガイダンス710億ドルが提示されました。
また、インテルは200億ドルの自社株買戻しプログラムを発表しました。
全体的にたいへん満足の行く決算だったと思います。
【今週のまとめ】
第2の変革期を経て、新たに生まれ変わろうとしている
インテルの成長に期待しよう!
インテルは、いま2度目の大きな事業戦略の変革を試みている最中です。そこでは、これまでのPC中心の戦略を捨て、後発でも市場規模が大きく、なおかつより急成長しているマーケットへ果敢に攻めこむ方針が採用されました。
インテルは、プロセス技術の面でライバルに先を越されましたが、今急速にキャッチアップしているところです。
これらの要因を考え合わせるとインテルへの投資は今がちょうどよいタイミングだと思われます。

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