来週の日経平均株価の予想レンジを発表!

来週(12/15~19)の日経平均株価の予想レンジは、5万~5万1500円! 金融政策決定会合で利上げが確実視される中、SBI新生銀行などのIPOラッシュに注目

2025年12月12日公開
ラカンリチェルカ(村瀬 智一)
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日経平均株価は「5万〜5万1000円」のレンジで推移!
ソフトバンクGが急落するも、日経平均株価は底堅さを見せる

 今週(12月8〜12日)の日経平均株価は5万〜5万1000円のレンジでの推移が続き、最終的に先週末と比べて344.68円(0.68%)高い5万836.55円で終えました。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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 週の前半は12月9~10日開催の米・連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ちのなか、積極的な売買は手控えられたものの全体的に底堅さが見られました。

 12月10日には、米・連邦準備理事会(FRB)が予想通り0.25%の利下げを決定。利下げが景気を下支えするとの見方やパウエルFRB議長の会見内容が評価されました。

 しかし、同じく12月10日に米国のオラクル(ORCL)が発表した決算で、売上高が予想を下回ったほか、設備投資額が従来見通しから増える方針が明らかになり、過剰投資への警戒から時間外取引で急落。その影響から、翌12月11日の日本市場では、オラクルなどと共同でAIデータセンターを構築する「スターゲートプロジェクト」を進めるソフトバンクグループ(9984)が下落し、他のAI関連株へも持ち高調整の動きが広がりました。日経平均株価も反落し、一時5万円を割り込む場面も見られましたが、5万円近辺での押し目買い意欲の強さが意識されました。

 週末の12月12日の日経平均株価は反発。ただ、5万1000円を超えた辺りで戻り待ちの売りが控えており、5万〜5万1000円のレンジを上抜けることはできませんでした。

来週の日本市場は、クリスマス休暇でレンジ相場が続くなか、
SBI新生銀行などIPO銘柄への日替わり的な物色が中心に!

【来週の日経平均株価の想定レンジ】
 5万 ~ 5万1500円

 
 来週(12月15〜19日)の日経平均株価は、引き続き5万〜5万1000円辺りでの推移になりそうです。

 市場の関心は、日銀が12月18~19日に開催する金融政策決定会合になります。ただ、植田総裁は最近の講演で追加利上げを示唆する発言を行っており、政府もこれ容認していると伝えられていることから、今回の会合ではサプライズはなく、予想通り政策金利が0.75%に引き上げられると考えられます。

 FOMCを通過したことで海外投資家は本格的にクリスマス休暇に入りました。国内でも年末ムードのなかで積極的にポジションを傾けてくる動きは期待しにくいところです。ただ、米国のオラクルの設備投資の増額がAI関連株への過剰投資への警戒につながっており、これまで上昇が目立っていたAI関連株の利益を確定する動きには要注意です。
【※関連記事はこちら!】
「AIデータセンター」関連銘柄を紹介! オープンAIがソフトバンクGやオラクルなどと提携して「巨大AIデータセンター」建設を発表するなど、世界中で需要拡大!

 また、来週から、大型IPOとして注目の集まるSBI新生銀行を筆頭にIPOラッシュとなるため、IPO銘柄を対象とした日替わり的な物色が活発化しそうです。
【※関連記事はこちら!】
「SBI新生銀行」のIPO情報総まとめ! スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の総合金融サービス企業との比較や予想まで解説!
▶ IPOスケジュール一覧[2025年]IPOの申込日や幹事証券、注目度などの最新情報を随時更新中!

【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
PostPrimeが+100.00%で値上がり率トップ!

 ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。

 今週の値上がり率ランキングのトップはPostPrime(198A)でした。12月5日、お金に関する情報が集まるプラットフォーム「PostPrime」において、オンライントレード初心者がリスクなく投資体験できる新機能「デモトレード」をリリース。8日は一時140円と上場来安値を更新後、一転してストップ高をつけるなど強い上昇を見せています。創業者である高橋ダニエル圭氏の資産管理会社ダン・タカハシの保有割合が減少したことも買いにつながったようです。

 値上がり率2位のカルナバイオサイエンス(4572)は12月9日、第67回アメリカ血液学会年次総会において、開発中の次世代型BTK阻害剤に関する発表が行われたと発表。これが材料視されました。

 値上がり率3位のピクセルカンパニーズ(2743)は、内部管理体制などに依然として改善すべき重大な問題が残存しているとして特別注意銘柄への指定が続いていますが、11月27日には監理銘柄(審査中)にも指定されました。不透明な状況ですが、リバウンド狙いの投機的な資金が入ったようで先週末には上場来安値を更新しました。

 一方、今週の値下がり率ランキングの1位はヘリオス(4593)。12月9日にARDSおよび脳梗塞急性期治療薬「HLCM051」に関する開発・申請方針を発表。2025~2026年早期の申請資料のローリングサブミッション(※早期審査が可能な申請プロセス)を行わず、引き続き規制当局との協議を行うこととしたことが嫌気されました。

 値下がり率2位のvisumo(303A)は流動性の低い銘柄ですが、先週は商いが膨らみ週間で40%を超える上昇を見せました。今週はその反動安となったようです。

■今週の値上がり率 トップ5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 +100.00 PostPrime(東G・198A)
2 +53.94 カルナバイオサイエンス(東G・4572)
3 +48.15 ピクセルカンパニーズ(東S・2743)
4 +47.81 KLab(東P・3656)
5 +46.52 ソラスト(東P・6197)
■今週の値下がり率 ワースト5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 −32.24 ヘリオス(東G・4593)
2 −28.31 visumo(東G・303A)
3 −22.02 アール・エス・シー(東S・4664)
4 −20.54 POPER(東G・5134)
5 −20.16 plusezero(東G・5132)
■今週の出来高 トップ5
順位 出来高(株) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 1,360,446,300 ジャパンディスプレイ(東P・6740)
2 1,178,471,600 ランド(東S・8918)
3 816,516,000 NTT(東P・9432)
4 467,658,600 東京電力ホールディングス(東P・9501)
5 397,652,300 オンコセラピー・サイエンス(東G・4564)

【来週の主要イベント】
日銀金融政策決定会合、米国の雇用統計とマイクロンテクノロジー決算、
米欧独のPMI、NSグループやSBI新生銀行など7社のIPOに注目!

 来週は以下のようなイベントが予定されています。

<12月15日(月)>
AlbaLink(5537)東証グロース上場
◆決算:パーク24(4666)サンバイオ(4592)
◆10-12月期日銀短観
◆中11月小売売上高
◆中11月鉱工業生産
◆欧10月鉱工業生産
◆米12月ニューヨーク連銀製造業景気指数

<12月16日(火)>
NSグループ(471A)東証プライム上場
独12月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
独12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆独12月ZEW景況感調査
欧12月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
欧12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆欧12月ZEW景況感調査
米11月雇用統計
米12月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
米12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
米12月総合購買担当者景気指数(PMI)速報値

<12月17日(水)>
SBI新生銀行(8303)東証プライム上場
◆11月貿易統計
◆10月機械受注
◆独12月IFO企業景況感指数
◆欧11月消費者物価指数(HICP)改定値
◆米11月小売売上高
◆決算:マイクロン テクノロジー(MU)

<12月18日(木)>
ミラティブ(472A)東証グロース上場
日銀金融政策決定会合
◆イングランド銀行(BOE)金利発表
◆欧州中央銀行(ECB)政策金利
◆米11月消費者物価指数(CPI)
◆米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
◆米11月景気先行指標総合指数
◆決算:ナイキ(NKE)

<12月19日(金)>
パワーエックス(485A)東証グロース上場
ギミック(475A)東証スタンダード上場
辻・本郷ITコンサルティング(476A)東証スタンダード上場
◆決算:西松屋チェーン(7545)
日銀金融政策決定会合、政策金利発表
植田和男日銀総裁会見
◆11月全国消費者物価指数(CPI)
◆独11月生産者物価指数(PPI)
◆米7-9月期四半期実質国内総生産(GDP)確定値
◆米11月個人所得
◆米11月個人消費支出(PCE)
◆米12月ミシガン大学消費者態度指数 確報値

【来週の注目銘柄】
「ハーモニック・ドライブ・システムズ」「本田技研工業」
「トライアルホールディングス」の3銘柄をピックアップ!

 来週、注目したい銘柄は、この3つです。

ハーモニック・ドライブ・システムズ(2025年12月12日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
機械 東S・6324 3950円 287.6倍 4.86倍
「ハーモニックドライブ」など遊星減速装置を提供する「フィジカルAI」関連の一角
減速機、モーター、センサー、ドライバー、コントローラーなどのメカトロニクス製品や、「ハーモニックドライブ」「アキュドライブ」といった遊星減速装置など、産業用ロボットの可動部に組み込まれる部品を提供。世界市場で高いシェアを獲得しており、フィジカルAI関連の一角として注目されています。株価は11月後半から強い上昇が続いており、短期的には過熱感が警戒されますが、週足で見るとようやくボトム圏からの本格的なリバウンドを見せてきたところです。2月26日につけた高値5350円が射程に入ってきたので、押し目を狙いたいところです。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)
本田技研工業(2025年12月12日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
輸送用機器 東P・7267 1600円 20.7倍 0.52倍
米国の規制緩和による日本の軽自動車の需要増加に期待
米国のトランプ大統領は12月5日、「米国での超小型車(TINY CARS)の製造を承認した」と自身のSNSに投稿。すぐに生産を始めるよう呼びかけ、超小型車の市場拡大を目指す考えを示しました。日本で普及している軽自動車を高く評価しているようです。現在の米国では超小型車の走行が規制されていますが、トランプ大統領は規制緩和を行うよう、ダフィー運輸長官に指示したと伝えられており、米国で日本の軽自動車の需要増加が期待できます。株価は、9月5日につけた高値1730円をピークに調整が続いていましたが、ゆるやかに上昇する52週移動平均線を下値支持線にリバウンドを見せ、足元で13週移動平均線を突破。底入れからの上昇トレンドへの転換が意識されます。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)
トライアルホールディングス(2025年12月12日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
小売業 東G・141A 2657円 649.6倍 2.63倍
11月の月次売上高が2カ月連続で前年同月を上回る
ディスカウントストア「トライアル」を全国展開する流通小売事業と、セルフレジの機能を搭載したスマートショッピングカートなどの店舗用デバイスを開発・販売するリテールAI事業を手掛けています。7月に子会社化した西友の一部店舗でトライアルのPB(プライベートブランド)商品を先行導入し、販売が伸びています。12月10日に発表した11月の月次売上高速報では、トライアルの既存店売上高が前年同月比5.5%増(10月は1.7%増)となり、2カ月連続で前年同月を上回りました。株価は直近で上昇の勢いが強まっており、短期的には過熱感は警戒されるものの8月28日につけた高値2965円が射程に入ってきました。この高値を突破してくるようだと、2024年9月の高値3685円がターゲットになるでしょう。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)

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