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日経平均株価は「二番底」をつけるのか、「バブル化」するのか? 株式市場の今後のシナリオと、株価を左右する新型コロナ、米中の対立激化などの懸念材料を解説

2020年6月19日公開(2022年3月29日更新)
ザイ編集部
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日経平均株価の「二番底」はいつ来るのか? 株式市場の今後のシナリオと、株価を左右する“懸念材料”をわかりやすく解説!

6月19日発売のダイヤモンド・ザイ8月号の大特集は、「損を減らす! 下落で儲ける! 急落で勝てる【38のワザ】」!  新型コロナウイルスの影響で、世界的に株価の動きが読みづらく、油断できない相場が続いている。そこで、この大特集では、急落時こそ守るべき“投資の基本”や、トレンドを見極めるためのチャートの読み方、損失を小さくする投資手法などをピックアップ。全部で38の“ワザ”として紹介している。

今回は、この大特集のプロローグを抜粋! 過去の経験則も踏まえながら、今後の株式市場に影響を与える懸念材料についてわかりやすく解説しているので、投資の方針を立てる際に役立ててほしい!
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コロナ・ショック後に急反発で“壁”を突破した日経平均株価だが、
根本的な不安要素が払拭されておらず、二番底のリスクは高い

 「コロナ・ショック」で、2020年2月から急落した日経平均株価は、2020年3月19日の1万6552円を底として急反発。6月8日には、早くも2万3000円台を回復した。新型コロナウイルスの感染者数が一時期よりも減少し、緊急事態宣言が解除されて、経済活動が再開し始めたことが、早期回復の要因と考えられる。

 通常、下がりすぎた株価が、投資家の不安の後退によって自然に戻る“自律反発”には、限界がある。下落幅の「半値戻し」を達成するラインや、「PBR1倍(超えたら割高)」のライン、「200日移動平均線」などが壁となることが多いが、今回、日経平均株価はこれらの壁を軽々と突破(下のチャートを参照)。そのため、市場では楽観論が強まっている。

 しかし、経済活動が再開したといっても、景気や企業業績が回復するのは、まだまだ先になるだろう。足元の株価は“期待”で上がっている状態であり、実態とは乖離しているため、アナリストなどの相場のプロの多くは「二番底」を警戒している。

 実際、過去の「ショック」と呼ばれる局面を振り返ると、反発後に二番底をつけたケースは多い。なぜなら、いったんパニック状態が収まっても、問題の根本が解決していないと、いずれ不安がぶり返すからだ。

 その好例が、2008年9月の「リーマン・ショック」と、2015年8月の「チャイナ・ショック」だ。どちらも一番底から約6カ月後に、二番底をつけている。「チャイナ・ショック」の場合、原油の暴落なども連鎖して、一番底よりも二番底のほうがずっと深くなった。さらにその後、英国のEU離脱(ブレグジット)による下落も起きている。

 「コロナ・ショック」に関しても、世界中で感染再拡大のリスクが懸念されており、ワクチンの投入は、最速でも2020年の年末頃になると予想されていることから、問題はまったく解決していない。つまり、これまでの「ショック」と同様、新型コロナウイルスの大規模な感染再拡大などをきっかけに、二番底をつけるリスクは極めて高いとみられる。
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金融緩和の影響で株価が上昇してバブル化したり、
新型コロナが予想外に早期収束したりするシナリオも視野に

日本株の懸念材料とは?

 将来的な株価の下落要因はほかにもある。代表的なのは米中関係だ。新型コロナウイルスの影響による景気の急激な減速と、格差の拡大によって、米国では国民の不満が増大している。2020年11月に大統領選挙を控え、再選を目指すトランプ大統領は、国民の不満をそらすために、中国への批判を強める可能性が高い。もし、そこから2019年に起きたような貿易戦争に発展すれば、多くの企業が深刻な打撃を受け、相場が混乱するリスクがある。

 新型コロナウイルスの問題と、火種を抱えた米中関係だけでも、株価がどこかで大幅に落ち込むことは不可避のように思えるが、第2のシナリオも想定しておかなければならない。それは、いくつもの壁を乗り越えた株価が、これからさらに上昇を続けるというものだ。
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 世界各国の中央銀行は、新型コロナウイルスのおかげで失速した景気を下支えするため、大規模な金融緩和を行っており、それが株価をさらに押し上げる可能性はあるだろう。ただ、実体のないバブル的な上昇であるため、いずれ弾けることも覚悟しなければならない。また、予想以上に順調に新型コロナウイルスが収束し、景気と企業業績の回復が“期待”に追いついて、株価が高値を維持するという、ベストシナリオも考えられる。

 だが、たとえベストシナリオになったとしても、相場が今後ずっと上昇トレンドを続けることは考えにくい。過去を振り返ると、数年に一度は大規模な株価の急落局面が訪れているからだ。次の“ショック”がいつ訪れるかは誰にもわからないが、投資をするのであれば、常に次の“ショック”への備えをしておくべきだろう。

 さて、ここまでダイヤモンド・ザイ8月号の大特集「損を減らす! 下落で儲ける! 急落で勝てる【38のワザ】」から、日本株の今後の見通しや、さまざまな懸念材料について抜粋した。大特集では、懸念が的中して再び急落相場に突入した際、リスクを抑えながらベストな行動をとるためのワザを紹介!「コロナ・ショック」の暴落で思うように行動できなかった人は、ぜひ誌面も併せてチェックしてほしい。
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