株式投資の王道といってもいいのが、着実に利益が伸びている株を買うこと。ただし、増益率自体が伸びているかを見るのが最大のポイントだ。正しい銘柄の選び方&業績が拡大する攻めの銘柄を厳選!
売上げと利益が伸びれば株価は上昇していく!
数字自体の伸びに加え伸び率の変化に注目
株価は、短期では海外景気や為替、ニュースなどで上下するが、中長期で株価を動かす最大の要因は業績の変化。着実に利益が伸びている会社を買うのが、株式投資の王道といっても過言ではない。
例えば上の図はニトリHD(9843)の04 年以降の株価チャート。04年度の営業利益は147億円だったが、14年度予想は650億円。10年間で利益が4倍以上になった一方で、同じように株価も10年間で4倍になっているのだ。この間、日本株の代表的な指数であるTOPIXは約15%しか上昇していない。相場全体がどうであれ、中長期では、株価は利益の伸びを反映していくのだ。
業績は3カ月(四半期)ごとの決算発表で確認する。もっとも注目度が高いのは3月決算企業の場合、4月中旬から5月末にかけて発表される本決算。
新聞やネットのニュースでは、終わった期の数字が注目されがちだが、株価に影響を与えるのは今期の予想。特に「売上げ」と「営業利益」、「1株当たり純利益」が前期と比較してどうかに注目する。
各項目のチェックポイントは2つ。数字自体の伸びと、伸び率の変化だ。
大事なのは儲けが出ているかではなく、その額が伸びているかどうか。さらに、その伸び率が前年よりも高まると株価にはプラスになる。
一方で、利益が伸びていても、伸び率が大きく鈍化する銘柄は、株価が下落しやすい。成長がストップに向かい、近い将来に減益に転じるかもしれないと予想するからだ。
前述のニトリHDの場合でも、直近は増益率が鈍化してきている。株価は昨年はアベノミクス相場もあって順調だが、今後さらに利益成長が鈍化、あるいは減益に転じることがあれば、上昇トレンドは一旦終焉する可能性が高い。
また株の世界はサプライズが大好き。赤字に沈んでいた銘柄が黒字へ転換した場合は、一気に評価が変わり、株価が大きく上昇しやすい。減益傾向が続いていたり、成長を期待されていなかった銘柄が、新商品のヒットや業態変化、海外進出等で利益を大きく伸ばした時も同様だ。
事前の会社側の予想数字との比較も重要だ。予想を上回れば株価が上昇しやすく、下回ると失望から売られ株価が下落しやすい。
業績が拡大していく攻めの銘柄を厳選!
夢真ホールディングスは増益率が大幅にアップ!
ダイヤモンド・ザイでは、今期予想の営業利益と売上げがともに5%以上伸びる銘柄から、増益率が昨年以上に伸びる銘柄を中心にセレクト。13年度の日本企業の業績がよかっただけに、今期は成長が鈍化する銘柄が多いのだが、これから紹介する銘柄は今後さらに成長が加速する猛者ばかりだ。
売上げが伸びていることも条件に入れているのは、業績が拡大傾向にあるのかを判断するため。本業が拡大して、トップライン(売上げ)が伸びなければ、中長期的な利益増加にはつながらないのだ。
増益率の変化については、業績の進捗率や今後の上方修正期待も加味した。現時点では増益率の鈍化予想を出している会社でも、これから営業利益が上方修正されていけば増益率が高まるからだ。
アナリストには上記の条件の中で、株価水準や業界環境も考慮して、銘柄をセレクトしてもらった。当然ながら利益が伸びていても、株価が割高すぎる銘柄は選ばれていない。
成長株と言えば、時価総額の規模も小さめの新興企業とイメージが重なりがちだが、。意外にもバラエティに富んだ顔ぶれが揃った。
たとえば精密制御減速機器を製造するハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)は、16年も前に上場した企業だ。しかしながら、同機器に関して高い技術力を誇り、長く利益成長を持続。そのうえ、ロボットスーツの開発で話題のCYBERDYNE(7779)にも納入実績があることから、今期はさらに増益率が拡大する。
建設現場への人材派遣を手掛ける夢真ホールディングス(2362)のように、中長期的に特需が期待される企業が選ばれたのも特徴的だ。震災復興、国土強靱化計画やオリンピックに向けた準備と、案件が目白押しで建設現場の人手不足は顕著。4期連続の増収増益見込みだが、今期は売上げ、利益とも伸び率がさらに増える。3年前には50倍以上あったPERも順調に低下。来期の市場予想では20倍前後まで下がる見込みで、成長率から考えれば割安とも言える水準だ。
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