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このままでは「下流老人」へまっしぐら!家族構成別の金持ち老後への注意点と対策術とは?

2015年12月23日公開(2022年3月29日更新)
ザイ編集部
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今のままでは老後はドツボ。アナタの生活にも老後破綻のリスクが忍び寄ってきてはいませんか。独身だから悠々自適で大丈夫。大企業に勤めているから老後は安心。共稼ぎだから余裕たっぷり。こんな考えの裏にこそ潜んでいる老後破綻のリスクと対策術を教えます。

独身や主婦は生活費を把握し
貯める習慣を身につけるべし

 まずは独身の男女。彼ら、彼女らについて何よりも生活費の管理が甘い点が問題と専門家たちは指摘する。自身がリストラされた経験のあるFPの花輪陽子さんは、40代までに貯める力をつけないとその先はジリ貧と警告。

◎自由でノーテンキな金銭感覚が「 中高年貧乏」の悲劇を生む!
既婚世帯と比べ、自由になるお金が多いのは強み。だが、せっかくの貯蓄ポテンシャルも、いつまでも「使えるお金=小遣い」の感覚が抜けなければ意味なし。独身者は会社に何かあった場合、家族持ちよりクビを切られやすい。転職に時間がかかると、手薄な貯蓄では生活費が足りず、中年フリーターになり下がる可能性が一気に高まる。また、面倒だからと自炊せず、外食に頼りすぎて健康を害すると、高い医療費のツケを払わされる結果に。

 「買い物やグルメ、自己投資にお金を使う生活を続けていると、中年以降に改めるのは難しい。貯蓄が十分でないまま50代を迎え親の介護や自分の病気で働けなくなると、老後前に困窮しかねません」(花輪さん)

◎自分磨きやご褒美はほどほどによかれと思った支出が老後を蝕む
独身女性はリスク意識が高いのはいいが、なんでも投資のつもりでお金をかけすぎてしまう点に注意が必要。働けなくなったら怖いからと医療保険に入りすぎる、老後が不安でマンションを買う、さらに年に一度は海外旅行をしていては、手元の現金は少なくなる一方だ。女性は長寿ということを忘れてはいけない。自由に動かせる貯蓄が少ないまま、定年を迎えると、その先長ければ30年以上の貧乏老後が待ちうけているのだ。

 また、基本的な生活費である毎月の家賃や食費、水道光熱費、通信費がいくらなのか、すぐに言えない場合は黄色信号。自分がいくら貯蓄に回せるのかがわからないと、「余ったら貯めよう」という甘い考えになり、結局貯蓄ができないからだ。

 「収入が低いから貯蓄ができないと言うのはウソ。生活費を把握し予算意識を持てば誰でも貯められます。予算意識がないとどんなに稼いでも貯まりません」(江原さん)

 1カ月に最低必要な生活費が把握できれば、貯蓄に回せる額、浪費していい額もハッキリする。よくわからない保険や投資にお金をつぎ込むより、まずは足元の家計を見直して先取り貯蓄の仕組みを作ることが、身を守る武器になるのだ。

既婚者は必ず支出の“大筋”を
夫婦で合意しておくことが不可欠

 独身はお金の使い道を100%自分の意思で決められるが、夫婦になるとそうはいかない。自分はマイホームを買うつもりでいたのに、相手は実家に戻るつもりだったなど、住宅や教育費の価値観がかみあわないと、最悪離婚に至ることもあり、貧乏老後を過ごすハメに。FPの氏家祥美さんは、専業主婦、共稼ぎともに、少なくとも教育費と住居費、老後のお金だけは、夫婦で話し合っておくことが必要と次のように話す。

◎今は年金や控除の恩恵があるが夫と一蓮托生が最大のリスク!
専業主婦は夫が生命線。夫が元気で働いてくれているうちはいいが、病気などで働けなくなった場合、住宅ローンや教育費の負担が一気に襲いかかるリスクがある。また、厚生労働省のデータによれば、日本ではおよそ3組に1組は離婚(※)。別れた場合は死別と違い、遺族年金や生命保険が入らない。さらに長年のブランクが足かせとなり、簡単に職も見つからない。三食昼寝つきと言われた時代は過去のもの。一寸先は窮地と心得よう。※厚労省平成26年人口動態統計の年間推計
 

 「家は買うのか、教育費はどう貯めるのかなど、大筋の方向性さえ合意していれば、途中でトラブルがあっても軌道修正がしやすい。普段は別財布の共稼ぎも貯蓄だけは共有を」

 
◎ゆとりある収入への過信がトラブルに脆弱な家計に!
経済的には最も安定感のある共稼ぎは、その過信が仇となる。例えば、夫婦別財布で家賃は夫、食費は妻と分担している場合。各々余裕で払えるだけに、家計に危機感がなく、残りを使ってしまいやすい。互いに“相手が貯めているはず”と思い込み、実は貯金がないパターンが多いのだ。また、2人分の収入を前提に住宅ローンを組んでしまうのもリスク。どちらかがリストラ、または子育てや親の介護などで仕事を減らしたら、即赤字に転落だ。

 どんなライフステージでも、現金さえしっかり貯めていれば、ほとんどの“ドツボ”は回避できると専門家たちは断言。シャープや東芝の例を用いるまでもなく、大企業に勤めていれば生涯安泰だった時代は終わった。1日でも早く貯蓄を始めた者が、最後に笑うのだと肝に銘じよう。

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