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「Visa payWave」が日本に本格的に上陸か!?海外で使えるポストペイ(後払い)型の電子マネーが2020年の東京オリンピック開催を背景に普及の兆し

【第25回】 2016年3月5日公開(2022年3月29日更新)
岩田昭男
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 「Visa payWave」をおすすめする2つめの理由は、以下のとおりです。

②日本でも利用できる場所が増加する見込み

「Visa payWave」は2007年に海外で発行され、日本でも取り扱われるようになったのは、2012年末からです。日本でほとんど使えないのに導入されたのは、“電子マネーを海外で利用したい人”をターゲットとしていたからです。

 2012年末に「Visa payWave」が導入されてからも、日本は相変わらず「FeliCa」搭載の電子マネーが全盛で、街中の店舗に設置されたカードリーダーも「FeliCa」対応のものばかり。2016年現在も、国際標準規格のNFC「TypeA/B」を読み取る端末を置いた店舗はほとんどありません。

 ですが、最近になって「FeliCa」一辺倒の状況は少しずつ変化しています。

 まず、国際標準規格のNFC「TypeA/B」が搭載されたスマホなどのデバイスが、日本でも当たり前に販売されるようになりました。例えば「iPhone6」や「iPhone6Plus」には、「TypeA/B」のチップが搭載されています(「iPhone」以外にも対応しているスマホはあります)。

「Type A/B」のサービスを利用するのに必要なSIMカード

 また、その前からNTTドコモは「Felica」と「TypeA/B」の両方の規格をスマホに搭載できる仕組みをすでに導入しています(対応機種で、ドコモUIMカードがピンク色の場合に限る。UIMカードはドコモショップの窓口で変更可能)。実は運転免許証や「taspo」(たばこの自販機用電子マネー)も「TypeA/B」のチップが搭載されています。

 時代は少しずつ「FeliCa」一辺倒から国際標準規格のNFCである「TypeA/B」も徐々に利用できる場所を拡大していっているのです。

 それに、2020年には「東京オリンピック」が開催されます。すでに、折からの円安によって、外国人観光客が増加していますが、2020年の東京オリンピックの開催時には、いまとは比較にならないほど大勢の外国人が訪日するでしょう。

 オリンピックに向けて、日本では交通機関の整備など、さまざまな取り組みが成されていますが、その一環として、国際標準のNFC「TypeA/B」決済導入も、急ピッチで進められるものと考えられます。海外でも多くの人が電子マネー決済をする時代ですが、他の国では手持ちの電子マネーが使えたのに、日本では使えないとなると「日本は遅れている」「日本は不便」――ということになってしまうからです。

 実際、2012年に「ロンドンオリンピック」の開催地となったイギリスでは、開催前までに約14万店(地下鉄やタクシーも含む)もの「Visa payWave」加盟店ネットワークを整備したと言われます。また、「VISA」は東京オリンピックのオフィシャルスポンサーでもあるため、国内で「Visa payWave」の加盟店が爆発的に増加する可能性は高いでしょう。

 日本で今後「Visa payWave」が普及していくとすれば、私たち日本人も十分「Visa payWave」を保有する意味があると言えます。

今すぐ持つなら、年会費実質無料&海外旅行保険が充実した
「Orico Card Visa payWave」がおすすめ

 国際標準規格のNFC「TypeA/B」が利用できる場所が拡大しても、今普及している「FeliCa」搭載の電子マネーが急に使えなくなることはないでしょう。ですが、今ある電子マネーも、もしかしたら「FeliCa」から国際標準の「TypeA/B」に乗り換えるところが出てくるかもしれません。今すぐに焦って「Visa payWave」を保有する必要はありませんが、海外旅行や出張の予定がある人は、今からでも作っておくといいでしょう。

 今のところ、日本で発行されている「Visa payWave」搭載のクレジットカードは数枚しかありません。留学生向けカードなど、利用者の限定されるカードを除いた主な「Visa payWave」搭載カードは、以下の2枚です。

◆OricoCard Visa payWave
◆ジャックスカード Visa payWave

 まず、「OricoCard Visa payWave」は、海外旅行傷害保険が非常に充実しており、最高2000万円の保障が自動付帯となっています。年1回でも利用すれば年会費が無料になる「実質」質年会費無料のクレジットカードとしては、最高レベルの保険の充実度と言っていいでしょう。

 また、オンライン申し込みだと最短8営業日で発行されるため、旅行前に思い立って、急いで作りたい人にもうってつけです。「Visa payWave」がついて、海外旅行傷害保険も充実しているわけですから、海外に年1回でも行く人は、作っておいて損はありません。

OricoCard Visa payWave
 還元率  0.5~1.0%
OricoCard Visa payWaveフェイス
 発行元  オリコカード
 国際ブランド  VISA
 年会費(税抜)  初年度無料、2年目以降1250円
(ただし、年1回利用すれば次年度以降も年会費無料になる)
 家族カード  あり(年会費無料)
 ポイント付与対象の
 電子マネー
 モバイルSuica、ICOCA

 一方、「ジャックスカード Visa payWave」も、「OricoCard Visa payWave」と同じく、最高2000万円の海外旅行傷害保険が自動付帯となっています。ただし、「ジャックスカード Visa payWave」の場合、初年度は年会費が無料ですが、次年度以降は1250円(税抜き)かかります。

 ただ、別にジャックスが発行するクレジットカードを保有していて、ジャックスのポイントプログラム「ラブリィポイント」を貯めている人などであれば、ジャックスカードで統一して保有するのも悪くないと思います。

 また、三井住友カードでは、同社が発行する「VISA」ブランドのクレジットカードをすでに保有している人で、NTTドコモの「TypeA/B」に対応する一部のスマホを利用(かつ、ドコモUIMカードがピンク色)していれば、「三井住友カードVisa payWave」を使うことができます。カードではなく、スマホで電子マネーを使いたい人には便利です。

三井住友カード(旧・三井住友クラシックカード)
還元率 0.5~7.0%
※セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどの対象のコンビニ・飲食店で、Apple PayやGoogle PayによるVisaのタッチ決済またはMastercardタッチ決済を利用すると還元率7.0%(一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可)
「三井住友クラシックカード」のカードフェイス
発行元 三井住友カード
国際ブランド VISA、Master
年会費(税込) 初年度無料(オンライン入会の場合)
2年目以降1375円
(「マイ・ペイすリボ」に登録かつリボ払い手数料を年1回でも支払うと次年度以降も無料。「Web明細書サービス」利用で550円引き)
家族カード(税込) あり(1枚目は初年度無料、2枚目以降は年会費440円)
ポイント付与対象の
電子マネー
iD
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MasterCard派には「PayPass」という選択肢も
「iD」は設定次第で「PayPass」加盟店でも使える!

  ここまで「Visa payWave」を紹介してきましたが、「VISA」と同じく国際ブランドとして知られる「MasterCard」でも、同じように「TypeA/B」を利用した電子マネー「PayPass」を発行しています。海外で幅広く使えるという点では、「Visa payWave」と変わりません。

「MasterCard」のクレジットカードに電子マネーを付帯させたい人は、「PayPass」という選択肢もアリでしょう。オリコカードやジャックスカードでも「PayPass」付帯のクレジットカードを発行しています。

 なお、ポストペイ式電子マネー「iD」を手がけるNTTドコモは、数年前から「MasterCard」と提携し、海外で利用できる「iD/NFC」のサービスを展開しています。

 従来の「iD」はFeliCa端末でしか読み取れませんが、ドコモの「NFC(FeliCa+TypeA/B)」対応のおサイフケータイ(iPhone不可・カード型iD不可)を所有していて、「ドコモUIMカード」も変更していれば、海外の「PayPass」加盟店で利用できます。

 最後に、「Visa payWave」を選択するか「PayPass」を選択するかで、悩む人もいるかもしれません。それは、国際ブランドのVISAとMasterCardのどちらがいいのか悩むのと同じですが、基本的にはどちらでも構わないと思います。使い勝手はそれほど変わらないからです。

 ただ、海外ではVISA加盟店のほうがMasterCard加盟店よりも多少多く、国際カードブランドとしてもVISAは第一人者なので、最初に持つなら「Visa payWave」のほうをおすすめします。

「Suica」や「nanaco」「WAON」など、すでに日本では電子マネーはとても身近な存在になっているので、今後「Visa payWave」を利用できる店舗が拡大すれば急速に浸透する可能性を秘めています。皆さんも国際標準規格の電子マネーをぜひ活用してみてください。

(取材・構成/元山夏香)

◆国際標準規格の電子マネー「Visa payWave」が使えるカードはコレ!

OricoCard Visa payWave
還元率  0.5~1.0%
OricoCard Visa payWaveフェイス
発行元 オリコカード
国際ブランド VISA
年会費(税抜) 初年度無料、2年目以降1250円
(ただし、年1回利用すれば次年度以降も年会費無料になる)
家族カード あり(年会費無料)
ポイント付与対象の
電子マネー
モバイルSuica、ICOCA

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還元率、年会費etc.で比較! 人気のおすすめクレジットカード

還元率 年会費
(税込)
ブランド 電子マネー対応
(ポイント付与対象)
カード
フェイス

 ◆三井住友カード(NL)

0.5~7.0% 永年無料 VISA
Master
iD
三井住友カード(NL)の公式サイトはこちら
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】
券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※)する! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力!
※ 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。
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 ◆楽天カード

1.0~3.0% 永年無料 VISA
JCB
Master
AMEX
楽天Edy
(楽天Edyへの
チャージ分は
還元率0.5%)
楽天カード公式サイトはこちら
【楽天カードのおすすめポイント】
楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強
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 ◆イオンカードセレクト

0.5~1.0%

永年無料 VISA
JCB
Master
WAON
モバイルSuica
SMART ICOCA

モバイルSuicaと
SMART ICOCAへの
チャージ分は還元率0.25%)
イオンカードセレクトのカードフェイス
【イオンカードセレクトのおすすめポイント】
一般的な「イオンカード」ではポイントがつかない「WAON」チャージでポイントが貯まり、「ポイント2重取り」ができるのが最大のメリット。また、「イオンカードセレクト」の保有+月1回のカード(または搭載のWAON)決済+ネットバンキングに登録という3つの条件を満たすだけで「イオン銀行Myステージ」の「シルバーステージ」に到達し、「イオン銀行」の普通預金金利がアップするので、「イオンカードセレクト」以外の「イオンカード」保有者はすぐ切り替えよう! しかも「イオンカードセレクト」で年間50万円以上を利用すれば、年会費無料のゴールドカード「イオンゴールドカードセレクト」が手に入り、無条件で「イオン銀行Myステージ」が「ゴールドステージ」に! なお、2024年10月1日~12月8日に入会すると、カード発行後1カ月間は対象のイオンモール専門店での買い物が5%OFF(請求時)になるキャンペーンを開催中!
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還元率 年会費
(税込)
ブランド 電子マネー対応
(ポイント付与対象)
カード
フェイス

 ◆三井住友カード ゴールド(NL)

0.5~7.0%

5500円
(ただし、年100万円以上の
利用で次年度から永年無料
VISA
Master
iD
三井住友カード ゴールド(NL)のカードフェイス
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】
券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード ゴールド(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得!
※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。
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 ◆JCB CARD W(ダブル)

1.0~10.5%
(※)
永年無料 JCB QUICPay
JCB CARD W(ダブル)公式サイトはこちら
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】
39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、スターバックスでは「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%、「Starbucks eGift」の購入で還元率10.5%に!
※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」に交換した場合の還元率。
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 ◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード

0.3~1.5%
(※1)
3万9600円 AMEX
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら
【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】
日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールドダイニング by 招待日和」や、世界1400カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。
※貯まるポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算。
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