来週の日経平均株価の予想レンジを発表!

来週(11/25~29)の日経平均株価の予想レンジは、3万7800~3万8800円! ウクライナ情勢と27日の米PCEの結果次第で「200日移動平均線」突破の可能性も

2024年11月22日公開(2024年11月22日更新)
ラカンリチェルカ(村瀬 智一)
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今週の日経平均株価は、エヌビディアの決算待ちのなか、
ロシアとウクライナを巡る地政学リスクが重荷となって下落

 今週(11月18〜22日)の日経平均株価は、決算シーズンを通過したことで手掛かり材料に欠けるなか、米国市場の動向など外部要因の影響を受ける形で下落し、最終的に最終的に先週末と比べて359.06円(0.93%)安い3万8283.85円で終えました。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 週明け11月18日は、エヌビディア(NVDA)の新たな人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」について「サーバー接続時の過熱問題が発生しており、投入遅延の懸念が生じている」との報道を受けて、日経平均株価への影響度が高い“値がさ(株価水準が高い)半導体株”が下落。また、トランプ次期政権でワクチン反対派とされるロバート・ケネディ・ジュニア氏が厚生長官に起用されると伝わり、前週末15日の米国市場で医薬品株が下落したことで、東京市場においても医薬株の弱さが目立ちました。

 その後も11月20日発表のエヌビディアの決算を見極めたいとする買い控えの動きが継続。また、ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学リスクへの警戒から積極的な売買が手控えられました。

 なお、ウクライナ軍は11月19日、米国が供与した長距離ミサイルでロシア西部の軍事施設を攻撃。これに対してロシアのプーチン大統領は、核抑止力の国家政策指針(核ドクトリン)を改定し、核兵器の使用基準を緩和しました。さらに、20日にウクライナ軍が英国製の巡航ミサイルをロシア領内に向け発射したことで、その報復としてロシア軍は新型の中距離弾道ミサイルを使用したと明らかにしました。そうしてロシア・ウクライナ情勢が新たな局面に突入するなか、日経平均株価は下落し、一時3万8000円を割り込む場面も見られました。

 週末の11月22日は、無事に決算を通過したエヌビディアが買われたことが安心感につながり、日経平均株価も反発して終えました。

来週の日経平均株価は、米国の感謝祭明けから本格化する
クリスマス商戦が好調なら上昇トレンドへの転換も!

【来週の日経平均株価の想定レンジ】
 3万7800 ~ 3万8800円

 
 来週(11月25〜29日)の日経平均株価は、引き続きロシア・ウクライナ情勢をにらみながらも、ややリバウンドを意識した展開が期待されます。

 米国では毎年11月の第4木曜日がサンクスギビング(感謝祭)の祝日で、今年は28日になります。この感謝祭の翌日の金曜日が小売店などで大規模なセールが実施される「ブラックフライデー」で、その翌週の月曜日からオンライン上の大規模セール「サイバーマンデー」が開催されます。米国では、感謝祭明けからクリスマス商戦が本格化してくることになるため、個人消費の動向を見極めるうえでも売り上げ動向が注目されます

 また、11月27日に10月の米・個人所得と10月の米・個人消費支出(PCE)の発表が予定されており、ここで良好な個人消費が確認されるようだと、センチメント(投資家心理)を明るくさせそうです。

 日経平均株価は、今週に入って3万8000~3万8500円辺りのレンジでの推移が続いており、チャート上では75日移動平均線(11月22日時点で3万7929.42円)が下値支持線として意識される一方、200日移動平均線(同3万8582.34円)に上値を抑えられています。11月27日発表の米・個人消費支出が予想を上回り、さらに地政学リスクへの過度な警戒感が落ち着いて来るようだと、200日移動平均線の突破を試す展開が期待できます。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 また、東証グロース250指数は10月末以降、緩やかな上昇が続いており、75日移動平均線が下値支持線に変わりました。200日移動平均線が位置する660辺りをターゲットとした上昇が意識されやすく、日経平均株価が膠着感を強めてくるようだと個人投資家の資金は中小型株に向かいやすいでしょう。

■東証グロース市場250指数チャート/日足・3カ月
東証グロース市場250指数チャート/日足・3カ月東証グロース市場250指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
フェイスが+164.71%で値上がり率トップ!

 ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。

 今週の値上がり率ランキングのトップはフェイス(4295)でした。11月14日、マネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるGenesis1(京都府京都市)による同社株の公開買い付け(TOB)に関して賛同の意見を表明し、株主に対してTOBへの応募を推奨すると発表。TOBの買付価格は1株につき1220円で、これにサヤ寄せする形で上昇しました。

 値上がり率2位のリミックスポイント(3825)は11月21日、総額5億円の暗号資産(仮想通貨)の追加購入が完了したと発表。トランプ次期大統領が仮想通貨政策に特化したポジションをホワイトハウスに設置することを積極的に検討しているとの報道が伝わるなか、ビットコイン相場の上昇への思惑が強まったようです。

 値上がり率3位のリニューアブル・ジャパン(9522)は11月14日、マネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる東急不動産ホールディングス(3289)傘下の東急不動産による同社株の公開買い付けに関して賛同の意見を表明。さらに株主に対してTOBへの応募を推奨すると発表しました。TOBの買付価格は1株につき1250円で、これにサヤ寄せする形となりました。

 一方、今週の値下がり率ランキング1位はジンジブ(142A)。11月14日に、2025年3月期通期の営業利益を従来の2億4000万円から800万円(前期比97.0%減)に下方修正すると発表したことが嫌気されました。

 値下がり率2位のインスペック(6656)は明確な材料は確認できませんでしたが、調整が続くなか、9月の安値720円を割り込んだ辺りから換金売りの動きが強まりました。

■今週の値上がり率 トップ5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 +164.71 フェイス(東S・4295)
2 +103.92 リミックスポイント(東S・3825)
3 +95.14 リニューアブル・ジャパン(東G・9522)
4 +78.22 カイオム・バイオサイエンス(東G・4583)
5 +65.10 ID&Eホールディングス(東P・9161)
■今週の値下がり率 ワースト5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 −19.63 ジンジブ(東G・142A)
2 −18.71 インスペック(東S・6656)
3 −18.59 コレックホールディングス(東S・6578)
4 −18.34 ぷらっとホーム (東S・6836)
5 −18.06 ピクセルカンパニーズ(東S・2743)
■今週の出来高 トップ5
順位 出来高(株) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 1,067,848,600 ジャパンディスプレイ(東P・6740)
2 632,268,000 NTT(東P・9432)
3 517,773,700 大黒屋ホールディングス(東S・6993)
4 515,296,900 ランド(東S・8918)
5 262,974,200 三菱重工業(東P・7011)

【来週の主要イベント】
米国の個人消費支出とFOMC議事要旨、ブラックフライデー、
国内のTerra Droneなどの3社のIPO(新規上場)に注目!

 来週は以下のようなイベントが予定されています。

<11月25日(月)>
◆独11月IFO企業景況感指数
◆決算:ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)

<11月26日(火)>
◆決算:ダイドーグループホールディングス(2590)
◆10月企業向けサービス価格指数
◆米7-9月期四半期住宅価格指数
◆米10月新築住宅販売件数
◆米11月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) 
◆米11月リッチモンド連銀製造業指数
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
◆決算:アナログ・デバイセズ(ADI)ベスト・バイ(BBY)メーシーズ(M)

<11月27日(水)>
◆決算:カシオ計算機(6952)
◆米12月GFK消費者信頼感調査
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米7-9月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値
◆米10月耐久財受注
米10月個人所得
米10月個人消費支出(PCE)
◆第9回 "日本の食品" 輸出EXPO WINTER(29日まで)

<11月28日(木)>
ククレブ・アドバイザーズ(276A)東証グロース上場
◆欧11月消費者信頼感(確定値)
◆独11月消費者物価指数(CPI)速報値
◆サンクスギビングデーの祝日で米国市場は休場

<11月29日(金)>
グロービング(277A)東証グロース上場
Terra Drone(278A)東証グロース上場
◆決算:トリケミカル研究所(4369)
◆10月失業率
◆11月東京都区部消費者物価指数(CPI)
◆10月鉱工業生産
◆10月百貨店・スーパー販売額(既存店)
◆10月新設住宅着工戸数
◆独11月失業者数
◆欧11月消費者物価指数(HICP)速報値
◆米11月シカゴ購買部協会景気指数
米ブラックフライデー

【来週の注目銘柄】
「太平洋セメント」「ジーニー」「ジャフコ グループ」
の3銘柄をピックアップ!

 来週、注目したい銘柄は、この3つです。

太平洋セメント(2024年11月22日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
ガラス・土石製品 東P・5233 3698円 7.5倍 0.67倍
大型再開発工事や半導体関連工場の新設工事での需要に期待
セメント事業は国内出荷数量シェアで国内トップ。2025年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比6%増の4436億7600万円、営業利益が同105%増の363億8900万円でした。セメント国内需要は、北海道新幹線の札幌延伸工事や大型再開発工事、半導体関連工場の新設工事などにより一定の需要が見込めます。株価は9月前半以降、緩やかなリバウンドが続いており、直近で上値抵抗線として機能していた200日移動平均線を突破。今後は8月の急落部分を埋めて4000円を超えてくる展開が期待されます。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)
ジーニー(2024年11月22日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
サービス業 東G・6562 1525円 12.3倍 2.15倍
ソーシャルワイヤーの子会社化によるシナジー効果を評価
広告主に対して広告収益や効果を最大化させるプラットフォームを提供しています。既存事業が堅調に推移しているほか、7月に子会社化したソーシャルワイヤー(3929)との事業シナジーを考慮し、11月11日には売上収益と各段階利益において業績予想を上方修正しました。株価は足元で上昇の勢いを強め、75日移動平均線を突破した後、9月13日につけた年初来高値1524円を更新。中長期的には2023年3月の高値2320円を意識した展開が期待されます。
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ジャフコ グループ(2024年11月22日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
証券業 東P・8595 2151.5円 16.5倍 0.36倍
上場株式と未上場株式の売却でキャピタルゲインが増加
未上場企業に対する投資や育成を行うベンチャーキャピタル大手。2025年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比85.3%増の159億9700万円、営業利益が同231.6%増の64億2100万円でした。上場株式と未上場株式の売却に加え、未上場株を組み入れた投資信託の提供開始に伴い、投資信託に対して自社の持分の譲渡を行った結果、キャピタルゲインが対前年同期比で増加しました。株価は年初以降、順調な上昇トレンドが継続。長期的には2022年11月の高値2580円や、2021年5月の高値2753.3円(分割考慮済)が次第に意識されてくることが考えられ、押し目を拾いたいところでしょう。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)

【※今週のピックアップ記事!】
日経平均株価の2025年12月末までの値動きを予想! 米国の“トランプリスク”はあるが、2025年も高値を更新して「4万3000~4万6000円」まで上昇する見通し!

【日本株】通期の業績予想を上方修正しそうな「業績進捗率が高い株」2銘柄! AI関連のテーマ株「日東電工」、エムスリー子会社で業績好転の「シーユーシー」に注目

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