【今回のまとめ】
1.先進国の経済は加速、新興国は冴えない展開が続く
2.日本の消費税増税先送りは足下の景気にはプラス
3.ガソリン価格の下落で米国の消費者はウハウハ
4.ユーロ安でドイツ経済は息を吹き返す
5.中国における不動産バブル抑制策が新興国全体を不景気にしている
6.ブラジルで起きていることは80年代の南米債務危機とソックリ
先進国の経済は加速、新興国はダメ
私は、日本、アメリカ、欧州の先進国の経済成長は、ここから加速すると考えています。その一方で、新興国の経済成長は引き続き冴えない展開が続くと予想しています。
日本株、米国株、欧州株は、強気のスタンスで良いと思っています。新興国の株式は、処分すべきだと思っています(ただし先週紹介したアリババは例外です)。
日本の増税見送りはプラス
日本では消費税の増税見送りが話題になっています。財政政策面で、この判断が深慮に欠けるかどうかの議論はさておき、足下の景気に対する影響という意味では、増税見送りはプラスだと思います。
消費の好調=アメリカ経済の好調
アメリカ経済は、いまスイートスポットに入っています。失業率の大幅な改善は消費者のマインドにプラスに働きますし、折から全米平均レギュラー・ガソリン価格は$2.89まで下がってきています。

アメリカでは大半の人がクルマ通勤なので、ガソリン代は日本の感覚で言えば電車代と同じです。従ってそれが安くなると消費者のポケットに浮いたお金が入るわけです。1¢レギュラー・ガソリン価格が下落すると消費が10億ドル増えると言われるのはこのためです。
そのような理由から、今年のクリスマス商戦は、近年ではベストになると予想されています。
いま消費はアメリカ経済の70%を占めているため、消費の好調は、とりもなおさずアメリカ経済そのものの好調を意味します。
欧州はユーロ/ドルの急落で経営者のマインドが好転
さて、問題は欧州です。欧州大陸の経済は、ウクライナでの戦争の影響を受けて、すっかり勢いを失ってしまいました。

なかでもこれまで「欧州経済の機関車」の役目をはたしてきたドイツの減速は大きな誤算でした。
ドイツには機械工具などを作る中小企業がたくさんあります。それらの企業にとってロシアは最も重要なお客さんです。
オランダのスキポール空港を飛び立ったマレーシア航空のMH17便が7月半ばに撃墜され、それを契機として欧州連合がロシアに対する経済制裁の強化を決めたことは、したがってドイツ経済を直撃しました。
ウクライナでは停戦後、睨み合いが続いています。ただ、新しい交戦が始まる気配はありません。
ロシア経済は天然ガスの輸出に大きく依存しており、西欧は上得意のお客さんです。これから冬場の需要期に入り、ロシアは取り崩してしまった外貨準備を修復する必要があります。その観点からもいまは穏便に事を運んだ方が良いのです。
このところのユーロ/ドルの急落で、欧州の輸出業者はずいぶん楽になっています。

そのことから考えて、経営者のマインドはこれから回復に向かうと思われます。
夏以降、欧州中央銀行は、更なる利下げや量的緩和政策の強化などを通じて景気を支援してきました。5年債の利回りも極めて低い水準にあります。

これは欧州の株式も出直ることを示唆しています。
新興国はダメ
このように先進国の株式市場には先高の兆しが見えるのに対して、新興国はリスクが大きいです。
その一因は中国にあります。中国は不動産バブルを抑え込もうとしており、その目的達成のために景気を犠牲にしています。鉱工業生産は低い伸びにとどまっています。

中国が昔ほどコモディティを消費しなくなったので、中国にたいして鉄鉱石や石炭などを提供していた国々は輸出が振るわなくなっています。
特に最近の原油価格の下落はロシアやブラジルなどの産油国に打撃を与えています。ブラジルの場合、政府が過半数株式を支配している国営石油会社ペトロブラス(ティッカーシンボル:PBR)に汚職があったのではないか? という捜査が進行中で、これまでに20人を超える逮捕者を出しています。帳簿に水増しがあった疑惑で、担当の公認会計士事務所が四半期決算をサインオフ(承認)しないという異常事態になっており、決算すら〆られない状況です。
ペトロブラスはリオデジャネイロ沖の大深水油田を開発するために過去に世界のどの大手石油会社も経験したことのない、莫大な先行投資を実施中です。その関係で同社のバランスシートには1000億ドルの借金があります。しかしプロジェクトは未だ半ばであり、今後4年間にさらに2200億ドルを調達する計画になっています。
決算もろくに〆られない会社に、世界の金融機関は喜んで融資するでしょうか?
古い話で恐縮ですが、1980年代に南米債務危機という事件がありました。1973年と1979年の2回のオイルショックで世界がインフレに見舞われたとき、コモディティを豊富に擁しているラテン・アメリカ諸国に投資ブームが起きました。しかし1980年代に入り原油価格が急落し、コモディティ価格も下落すると、南米諸国はいっぺんに不景気になり、借金を返せなくなってしまったのです。
いまブラジルで起きていることは、まるっきりその悪夢の繰り返しです。
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