世界投資へのパスポート
2017年10月23日 広瀬 隆雄

ゼネラル・エレクトリック(GE)は、業績悪化で
減配リスクが顕在化! 「凡ミス」による利益半減が
原因なので、来年早々に復活する可能性は高い!?

先週発表された
ゼネラル・エレクトリックの決算はメタメタ

 先週発表されたゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)の決算は、「ハッ!」と息を呑むほど悪い内容でした。

 EPSは、予想49セントに対し29セントにとどまりました。また営業キャッシュフローは、前年同期に比べて12億ドルも少なかったです。なお、売上高成長率が前年同期比+11%だったのは、ベーカー・ヒューズ(ティッカーシンボル:BHGE)を買収したためです。

 特に営業キャッシュフローが配当を払い出すのに必要な金額を下回っていたため、減配リスクが顕在化しました。

ゼネラル・エレクトリックの
営業キャッシュフローが悪化した理由

 ゼネラル・エレクトリックの営業キャッシュフローが悪化した理由は二つあります。

 まず、発電タービン部門から上がってくる営業キャッシュフローが、たいへん貧弱でした。同部門は、以前より少し出力の小さいタービンへと需要の中心が移っているという市場環境の微妙な変化を見落とした結果、生産の絞り込みが遅れ、大量の仕掛け品在庫を抱えてしまいました。

 次に、ゼネラル・エレクトリックは金融サービス事業であるGEキャピタルを処分しましたが、そのGEキャピタルからゼネラル・エレクトリックに対して支払われるべき配当が、今回は見送られました。その理由は、「損害保険の払い出しニーズがどのくらいあるのか?」を確定する作業が未だ済んでおらず、それが済むまでは配当を出せなかったという事情によります。

 GEキャピタルは、今年上半期、ゼネラル・エレクトリックに対して410億ドルの配当を払っているので、これが滞るとゼネラル・エレクトリックにとっても大きなインパクトがあります。

 なお、これは一時的な事情であり、保険払い出し額のリビューが終われば速やかに支払われると思われます。

 いずれにせよ現在の状況では、ゼネラル・エレクトリックは営業キャッシュフローが配当を下回る、いわゆる「タコ配当」の状況に陥っており、来る11月13日のアナリスト・デーで減配が発表されるリスクが高いです。

ゼネラル・エレクトリックの経営改革は
成功するのか?

 ここまでの説明だと、ゼネラル・エレクトリックは重症の病に罹っているように見えます。しかし同社の経営内容は、それほど絶望的ではないと思います。

 まず同社の売上構成は、下のチャートのようになっています。

 このうち発電タービンのビジネスだけが、今期売上高が前年比-4%、営業利益は前年比-51%とスランプに陥っています。しかしそれ以外の事業部は、前年比+5%~+8%の増収を確保しており、安定的に推移しています。

 次に、主要事業部の収益性を見ると、ジェット・エンジンのビジネスが最も儲かることがわかります。

 なお、去年の第3四半期の発電タービンの営業利益率は14%でしたので、同部門は利益率が半減していることになります。

 次に、各事業部がゼネラル・エレクトリックの影響にどれだけ貢献しているかを見ると、下のパイチャートのようになります。

 ジェット・エンジンとヘルスケアが利益の大半を稼いでいるわけです。つまり、発電タービンのビジネスがターン・アラウンドすれば、ゼネラル・エレクトリックの業績は急回復するのです。

業績改善のキーとなるのは
発電タービンのビジネス

 スランプに陥っている発電タービンのビジネスは、競争力の欠如が問題なのではありません。実際、世界の発電所の3割は同社のタービンによって駆動されており、市場支配力は申し分ありません。

 同社は既に発電タービン部門の経営トップを入れ替え、改革に乗り出しています。

11月13日に開催される
アナリスト・デーで予想されることは?

 今回のアナリスト・デーでは、包括的かつ抜本的な経営改革が打ち出されると思います。そこでは、結果重視で責任の所在を明確化する企業風土への脱皮が掲げられると思います。

 さらに営業キャッシュフローを最優先する経営に移行し、資本配分もリターンを生む事業への傾斜を強めることが予想されます。

 また、2年以内に200億ドル相当のビジネスを売却し、2018年中に営業費用を20億ドル圧縮することも正式発表されると思います。

【今週のまとめ】
ゼネラル・エレクトリックの事業立て直しは比較的容易
来年早々のターン・アラウンドを予想

 ゼネラル・エレクトリックの第3四半期決算は、メタメタに悪かったです。しかし問題は発電タービン部門に集中しており、しかもそれは需要を読み間違えるという「凡ミス」によるところが大きかったです。

 事業の立て直し、ならびに営業キャッシュフローを増やすことは、比較的容易だと思われます。目先は「タコ配当」になっているので減配リスクがありますが、来年早々にもターン・アラウンド(事業再生)が明確になると思われます。

ゼネラル・エレクトリック(GE)チャート/日足・1年ゼネラル・エレクトリック(GE)チャート/日足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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