【今回のまとめ】
1.ギリシャとフランスの選挙の結果はOK
2.ドイツ経済の暗転がひどい
3.中国経済はもう一段の利下げを必要とする
4.投資家はごく限られた、成長の見込める分野へ
欧州では選挙をめぐる不透明感が払拭されたが…
日本時間の6月18日早朝に大勢が判明したギリシャ再選挙では無事穏健派の新民主主義党(ND)が勝利し、連立政権を樹立することができる運びとなりました。
また同じ日に行われたフランスの国民議会総選挙では、オランド大統領の所属する社会党が大勝しました。このことは社会党を中心とする左派連合がオランド大統領を盛り立てる形で、強力に財政改革を進めることが出来ることを意味します。
このように先週の欧州情勢では、選挙にまつわる不透明感がきれいに払拭された点がまず指摘できます。
頼みのドイツ経済が暗転
その一方で、先週はドイツ経済に関するニュースにとても暗いものがありました。
6月の製造業購買担当者指数(速報値)は予想の45.2に対して、44.7という悪い数字でした。

また6月のサービス業購買担当者指数(速報値)も予想の51.5に対して50.3にとどまりました。

さらにZEW(独欧州経済研究センター)の景況感調査でも、ドイツ経済の現況が2011年8月以来の大幅な悪化を示しました。

そのうえ、中国でも経済成長の停滞がよりはっきりとしてきています。
中国経済も減速中。政府の対応が後手後手に
先々週政策金利の利下げを発表した中国ですが、引き続き景気を巡るニュースには暗いものがあります。
下は、先週発表された香港上海銀行による製造業購買担当者指数ですが、48.1と5月よりもさらに悪化しました。

とりわけ不吉な予兆として、政策金利の利下げが発表されたにもかかわらず上海総合指数が下がっているのが気になります。これは中国人民銀行が後手に回ってしまっていることを示唆しており、急いで追加的な措置を取ることが求められています。

希少な“成長の象徴”フェイスブックが立ち直る
ドイツ、中国という世界の製造業のリーダー的存在がこのようにボロボロになっているのを見て、成長鈍化を危惧する声が世界的に強まっています。
このような相場環境では、「成長」に対してプレミアムが付く可能性が高まっていますが、事実、上場当初はつまずいたフェイスブック(ティッカー:FB)の株価は出直ってきています。

当面は、値動きが改善したフェイスブックをはじめとする、米国のネット関連株が見直されることになるでしょう。
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