わずか5年で“億り人”になった個人投資家が実践する、決算発表直後に株価が上昇した銘柄に集中的に投資する「順バリ決算モメンタム投資」を解説!
発売中のダイヤモンド・ザイ7月号の大特集は「11人が成功の秘訣を大公開!【1億円】をつくるワザ」!「1億円」というと夢のように聞こえるかもしれないが、実はそんなことはない。忙しい人でも、元手が少ない人でも、あるいは特別な知識がない人でも、資産1億円を達成することはできる! この特集では、もともと普通の人だった”億り人”11人が登場。資産1億円につながった投資手法を惜しげもなく公開しているので、投資の参考になるはずだ。
今回はこの特集から、試行錯誤の末に「順バリ決算モメンタム投資」にたどりついた個人投資家・kenmoさんの実例を紹介!
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当初は「新高値ブレイク投資術」で順調に資産を増やすも、
その後スランプに陥り、トライ&エラーを繰り返すことに……
kenmoさんは40代の会社員。2012年に300万円の元手から投資を始めて、5年後の2017年には資産1億円を突破し、”億り人”になっている。
kenmoさんが初期に実践していた投資法は「新高値ブレイク投資術」。株価が過去1年半の高値を上回ったタイミングで買いに入る、という戦術だ。当時はアベノミクスで市場が盛り上がっていたため、この戦術は大当たり。元手300万円を約2年で3000万円強まで増やすことができた。
ところが、その後1年間は思うように勝てず、「やり方を変えてみよう」と思い立つ。そこから、長きにわたる投資法改良の道が始まった。
2015年頃、“優待株の桐谷さん”が話題になると「優待先回り投資(※株主優待株は権利確定日に向かって上昇する傾向にあるので、これを利用して値上がり益を狙う手法)」にトライ。だが、これでは資産が増えないと感じ、「新高値ブレイク」に決算や財務分析も加味する投資に移行した。
財務諸表を読むため、中小企業診断士の資格試験の勉強に励み、四季報を独自の読み方で通読。それを元に「長めに持つ」投資を実践したものの、2018年に再びスランプに陥ってしまう。ここで、上場直後の値上がりで大きな利益を狙う「IPOセカンダリー投資」に挑戦。しかし、その矢先にコロナ・ショックが押し寄せた。
「四季報を通読しても、激変する世の中の動きはわからない」と痛感したことから、後述する「順バリ決算モメンタム投資」に行き着き、ようやく安定的に利益を積み上げられるようになる。今日があるのは、投資法を改良し続けた努力の賜物なのだ。
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株価上昇の始まりを捉えて、決算期だけに集中して投資する
「順バリ決算モメンタム投資」の売買ルールとは?
kenmoさんが今、メインで実践しているのは、業績と株価の上昇に乗る「順バリ決算モメンタム投資」。これはkenmoさん独自の、決算シーズンに集中して投資する手法だ。
決算シーズンに集中して投資する理由は、過去に新高値ブレイク投資で経験を積んだ結果、「新高値を付けるのは、決算発表時に材料が出たときが多い」ということに気づいたためだ。
投資判断に使うのは「企業の開示情報」のみ。狙うのは、決算でインパクトの大きい好材料が出て、株価が上向きに動いた銘柄だ。上方向に動けば、必ずしも新高値でなくてもOKというルールにしている。
投資期間は1~6カ月間が目安。その間、上昇トレンド中は保有し続け、トレンドが崩れたと思ったらすぐに売る。絶対ルールとして、決算期以外は買わない。
この手法に行き着くまで、kenmoさんはチャートでスクリーニングし、新高値を付けた銘柄を常にウオッチしていた。ところが、この方法では買いと売りのタイミングが明確なるので「やること」と「やらないこと」がはっきりしたという。また、銘柄に対するこだわりがなくなり、「どんな銘柄でも儲けることができる」と、kenmoさんは話す。
上昇トレンドの波に乗る順バリなので、下落トレンドに転換すると、おのずとキャッシュの割合が増えていく仕組みでもある。このため、大暴落時に資産が守られるというメリットも。決算シーズン以外は買い注文を入れない分、決算期は全力投球。そのために有給休暇を取ることもあるほどだという。
ちなみに、kenmoさんは投資家のタイプを2つに分けている。1つは業績分析を重視する「投資家タイプ」、もう1つは値動きを重視する「トレーダータイプ」だ。
ロスカットが得意で、長い期間、銘柄の様子を見ながら保有し続けるのが苦手だというkenmoさんは「自分はトレーダー寄り。一時期、業績分析で銘柄を選んでいく投資家像に憧れたけれど、結局合わなかった」と語る。
今、実践している「順バリ決算モメンタム投資」はトレーダータイプの手法で、全体の投資額の60%を売買している。ただ、さまざまな手法を試した過程で業績分析の手法も身につけたことは、普通のトレーダーにはない強みになっている。試行錯誤も、決してムダにはならないのだ。
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