IPO株の銘柄分析&予想

「アルヒ」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の住宅ローン貸付、モーゲージバンク企業との比較や予想まで解説![2017年12月26日 情報更新]

2017年11月7日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 アルヒ
市場・コード/業種 東証一部・7198/その他金融業
上場日 12月14日
申込期間(BB期間) 11月28日~12月4日
おすすめ証券会社 SMBC日興証券大和証券SBI証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 1270円(-2.31%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

アルヒのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 11月27日
ブックビルディング(抽選申込)期間 11月28日~12月4日
売出価格決定 12月5日
購入申込期間 12月7日~12月12日
払込日 -月-日
上場日 12月14日

アルヒのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2017年12月8日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
SMBC日興証券
[最短3日で取引可能]
3.4
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大和証券
[最短翌日に取引可能]
3.4
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SBI証券
[最短翌日に取引可能]
5.7
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野村證券(主幹事証券) 24.4  
みずほ証券(主幹事証券) 18.7  
UBS証券(主幹事証券) 6.8  
※海外売出し分 37.7  

アルヒのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定売出価格(※1) 1340円
仮条件
[予想PER(※2)
1150~1340円
9.0倍~10.5倍]
売出価格 1300円
初値 1270円
初値騰落率 -2.31%
予想トレーディングレンジ(※3) 1000円~2000円
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2017年11月22日終値の株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 12.1倍
全国保証<7164> 15.8倍
日本モーゲージ<7192> 12.8倍
アサックス<8772> 7.7倍

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割安と判断できる。

アルヒの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 3608万600株(予定)
公開株式数 売出1804万300株
(オーバーアロットメントによる売出108万2500株)
想定公開規模(※1) 256.2億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定売出価格で計算。

アルヒはモーゲージバンク事業の大型案件

「アルヒ」の公式サイトより

 フラット35を中心とする住宅ローンの貸付及び回収を行うモーゲージバンク事業を展開する。同事業を核として、顧客の家探しから住宅購入後の日々の暮らしまで、ライフステージに合わせた様々な商品・サービスを提供している。

 同社は大型のIPO案件であるうえ、投資ファンドの出口案件との見方から警戒ムードが広がる可能性がある。

 公開規模については200億円を超える見込み。投資ファンドが発行済株式の9割近くを保有しており、上場時の売出しに係る放出株控除後も1354万8400株(上場時発行済株数の37.6%)が残る。

 また、12/14はエル・ティー・エス<6560>が同時上場するほか、公開規模1000億円超と今年最大級のIPOであるSG HD<9143>の上場翌日ということもあり、需給環境の厳しさも懸念材料となろう。

【関連記事】
フラット35で最低金利の「アルヒ」なら、通常のフラット35よりも、金利が0.1%低い! 頭金2割の優良顧客を狙う、アルヒの戦略に注目

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アルヒの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2015/3
(―)
▲ 2,512
(―)
▲ 2,513
(―)
2016/3
(―)
▲ 1,015
(―)
▲ 1,017
(―)
2017/3
(―)
▲ 553
(―)
▲ 553
(―)
2018/3予
(―)

(―)

(―)
■連結業績推移(単位:百万円・% )
決算期 営業収益
(伸び率)
税引前利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2016/3 16,904
(―)
3,104
(―)
1,204
(―)
2017/3 21,472
(27.0%)
4,864
(56.7%)
3,227
(168.0%)
2018/3予 20,084
(-6.5%)
4,924
(1.2%)
4,625
(43.3%)
2017/9 2Q 10,370
(―)
3,139
(―)
3,372
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:-円 連結:128.19円/135.40円
予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの

アルヒの業績コメント

 2018年3月期の業績は、営業収益が前期比6.5%減の200.8億円、税引前利益が同1.2%増の49.2億円と減収増益の見通しとなっている。

 足元では、同社グループが属する住宅関連業界については、雇用・所得環境の改善に加え、政府による住宅取得支援制度の継続や日本銀行による金融緩和政策等の影響により住宅ローン金利が低水準で推移していることを背景として、住宅取得需要は底堅く推移している。

 また、同社グループの主力商品である「フラット35」については、融資金利が過去最低水準を維持して推移しており、新規借入需要が堅調に推移している。一方、住宅ローン金利の低下局面で昨年度に急速に高まっていた借換需要は落ち着いた動きを見せている。

 このような経済状況のもとで、同社グループは代理店運営法人に対する採用・育成支援制度を導入するなど代理店運営体制の強化、同社グループの独自商品である「ARUHIスーパーフラット」の販売及び銀行代理業者として取扱いをしている変動金利型商品の直営店舗による販売体制の強化に注力している。

 また、媒介方式にて取扱いをしている投資用マンションローンについては、比較的堅調に推移している需要の取り込みに努めている。借換については、昨年度からの反動により大きく減少しているものの、借換メリットが見込める顧客に対しては引き続きマーケティング活動による集客を継続している。

 なお、通期計画に対する第2四半期末時点における進捗率は、営業収益103.7億円で51.6%、税引前利益31.3億円で63.7%となっている。

アルヒの詳細情報

■基本情報
所在地 東京都港区六本木一丁目6番1号
代表者名(生年月日) 代表取締役会長兼社長 CEO 兼 COO 濵田 宏(昭和34年5月30日生)
設立 平成26年5月20日
資本金 34億7100万円(平成29年11月7日現在)
従業員数 新規上場会社290人 連結会社290人(平成29年9月30日現在)
事業内容 フラット35を中心とする住宅ローンの貸付及び回収を行うモーゲージバンク事業
■売上高構成比率(2017/3期 実績)
品目 金額 比率
融資実行業務 14,791 百万円 68.9%
債権管理回収業務 2,190百万円 10.2%
保険関連収益 816 百万円 3.8%
ファイナンス業務 3,459 百万円 16.1%
その他業務 214 百万円 1.0%
合計 21,472 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 CJP CSM Holdings, L.P. 3078万200株 85.31%
2 SBIホールディングス株式会社 362万1200株 10.04%
3 東京海上メザニン1号投資事業有限責任組合 80万8500株 2.24%
4 濵田 宏 55万株 1.52%
5 アルヒグループ社員持株会 6万9200株 0.19
6 五十川 毅 4万5000株 0.12%
7 細野 恭史 4万1000株 0.11%
8 井上 明大 4万500株 0.11%
9 荻野 大輔 4万株 0.11%
10 市川 裕康 2万9000株 0.08%
合計   3602万4600株 99.84%
■その他情報
手取金の使途
関係会社 アルヒマーケティング株式会社 (連結子会社) 住宅ローン事業
VC売却可能分(推定) 1社  80万8500株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 -年-月-日
割当先
発行価格
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アルヒの銘柄紹介

 同社グループは、同社及び同社の子会社であるアルヒマーケティング株式会社により構成されており、住宅ローンを核に、顧客の家探しから住宅購入後の日々の暮らしまで、顧客のライフステージに合わせた様々な商品・サービスを提供している。

 同社グループの住宅ローン事業は、主に貸金業法に基づく「貸金業者」として、証券化を資金調達手段とした住宅ローンのオリジネート(貸付)とサービシング(回収)を行う、いわゆるモーゲージバンク事業である。

 加えて、提携金融機関等の住宅ローン商品等の媒介や、銀行法に基づく「銀行代理業者」として提携金融機関等の住宅ローン商品を代理で販売している。すなわち、同社グループが融資実行した住宅ローンの債権は原則として債権譲渡され、媒介又は代理で販売した住宅ローン商品等は同社グループのバランスシートに計上されないため、同社グループの住宅ローン事業はバランスシートリスクが最小化されたフィービジネスとしての特徴を有している。そのため、顧客の要望に応じた住宅ローン商品の紹介から適切なタイミングでの借換の提案まで、顧客本位の各種サービスを提供することが可能となっている。

 このような特徴を活かして、同社グループは年間約20兆円という巨大な住宅ローン市場で、金融危機や東日本大震災などの外部環境にも大きく左右されず着実な成長を実現してきた。同社グループは、7年連続シェアNo.1を獲得している「ARUHIフラット35」をはじめ、銀行代理商品(変動金利商品・固定金利商品)等の住宅ローン商品、「ARUHIフラットつなぎ」や「諸費用・リフォームローン」等の住宅ローン補完商品、投資用マンションローンや「ARUHI買取再販ローン」、さらには各種保険の取り扱いなど、顧客の多様なニーズに多岐にわたる商品ラインナップで応えると共に、全国128の店舗やWebチャネルを活用し、フルライン×オムニチャネルでの事業展開を行っている。

 加えて、不動産購入者事例のビッグデータを活用し、Webで家賃や年齢など、簡単な質問に答えるだけで、現在の家賃をベースにしたおすすめエリア、物件種別及び条件に合う物件の提示や住宅ローンのシミュレーションを行う「ARUHI家の検索」や、住宅購入後の豊かな住生活の実現を手伝うため、様々な優待特典を67社(2017年9月30日現在)の提携企業とともに提供する「ARUHI暮らしのサービス」など、顧客の理想の家探しから住宅購入後の生活に至るまで、住宅ローン事業の川上・川下領域への事業展開を行っている。

アルヒの投資のポイント

 同社は大型のIPO案件であるうえ、投資ファンドの出口案件との見方から警戒ムードが広がる可能性がある。2015年以降の東証1部直接上場案件で公開規模が100億円以上1000億円未満だった11社の公開価格に対する初値騰落率は平均-4.1%となっており、ツバキ・ナカシマ<6464>を除く10社がマイナスだった。

 また、投資ファンドが大株主の案件もマクロミル<3978>スシローグローバルHD<3563>など公開価格を下回る初値形成が相次いでいる。投資ファンドにとって出口案件となるため、公開価格がフェアバリューに近い設定となりやすいことが理由として考えられる。

 前期実績で営業収益の68.9%を占める融資実行業務は、フラット35をはじめ様々な住宅ローン商品を住宅ローン顧客に提供する。当業務における主な収入は同社が融資した際に受領するオリジネーション・フィー売上で、主な費用はFC運営法人への支払手数料。

 同10.2%を占める債権管理回収業務は、同社が実行した住宅ローン債権について、住宅金融支援機構や信託銀行などの金融機関から委託を受けて、債権譲渡後の住宅ローンに関する債権の管理・回収を行う。

 同16.1%を占めるファイナンス業務は、住宅ローンの融資実行により発生した貸付債権を対象として、債権流動化・証券化を実施することで資金調達を行い、債権譲渡時に発生する貸付債権流動化関連収益及び同社で保有する貸付債権から発生する利息収入が主な収入となる。

 業績面について、2018年3月期営業収益は前期比6.5%減の200.8億円、税引前利益が同1.2%増の49.2億円と減収増益の見通しとなっている。17年4-9月累計での借換を除いた新規借入件数は1万1250件となっており、通期で2万4140件を見込んでいるなかで概ね順調に推移している。主力商品である「フラット35」について、融資金利が過去最低水準で推移いることから、新規借入需要は堅調である。

 なお、通期計画に対する第2四半期末時点における進捗率は、営業収益103.7億円で51.6%、税引前利益31.3億円で63.7%となっている。想定仮条件水準の今期予想PERは10倍程度となり、類似企業とされる日本モーゲージサービス<7192>などと概ね同水準のバリュエーションとなっている。

 公開規模については200億円を超える見込み。投資ファンドが発行済株式の9割近くを保有しており、上場時の売出しに係る放出株控除後も1354万8400株(上場時発行済株数の37.6%)が残る。ロックアップは上場日後180日経過で解除される内容となっており、将来的な需給懸念として意識されそうだ。12/14はエル・ティー・エス<6560>が同時上場するほか、公開規模1000億円超と今年最大級のIPOであるSG ホールディングス(佐川急便)<9143>の上場翌日ということもあり、需給環境の厳しさも懸念材料となろう。

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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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