配当利回りの高い、高配当株ランキング! 「配当成長率」や「連続増配」に注目して「買い」の高配当株を探せ!
ダイヤモンド・ザイの特集「2018年『株』全予測」では、今後の日本株の動きをプロ100人が大予測! 為替や注目業種、投資信託についても徹底分析し、2018年に「買い」の株&投資信託を大公開している。
今回はその中から、2018年に「買い」の高配当株について、抜粋して紹介しよう!
配当成長率が高い中でも、本業が好調な株を狙え!
企業業績の拡大を受け、今期配当も東証1部全銘柄の平均では4.8%増、日経平均株価に採用されている銘柄の平均では10.7%増となる見通しだ。日本企業はROE(株主資本利益率)改善などのために、株主還元を積極化する可能性が高く、今後も安定した配当の伸びが期待できる。
こういった環境下でも、特に前期比での配当成長率が高かった高配当株が下の銘柄。配当成長率50%以上の銘柄を、配当利回りの高い順でランキングにした(ダイヤモンド・ザイでは15位まで掲載しているが、ここでは10位までを抜粋)。
配当成長率50%以上の銘柄の「配当利回り」ランキング ベスト10 | |||||
株価(12/1) | 配当利回り | 配当成長率 | 投資判断 | 最新の株価 | |
1位 | ◆KG情報(2408・東J) | ||||
834円 | 5.02% | 116% | 売り | ||
【分析コメント】主力のフリーペーパー市場縮小で本業は伸び悩み。増配は投資有価証券売却益によるもの。 | |||||
2位 | ◆バロックジャパンリミテッド(3548・東1) | ||||
955円 | 3.98% | 280% | 中立 | ||
【分析コメント】女性向け衣料のSPA。業績悪化も中国事業の成長で、株価反発が期待できるが競争は激化。 | |||||
3位 | ◆合同製鐵(5410・東1) | ||||
2183円 | 3.66% | 100% | 強気 | ||
【分析コメント】棒鋼、線材など建設用鋼材に強み。東京五輪などによる鋼材需要の高まりが追い風に。 | |||||
4位 | ◆タマホーム(1419・東1) | ||||
712円 | 3.66% | 73% | 強気 | ||
【分析コメント】注文住宅や都市部の戸建分譲事業の強化により増収増益が続く。増配も業績好調に伴うもの。 | |||||
5位 | ◆UKCホールディングス(3156・東1) | ||||
1946円 | 3.08% | 100% | 強気 | ||
【分析コメント】ソニー製の半導体・電子部品向けの専門商社。自動車の電子化・自動化やIoTの進展が追い風。 | |||||
株価(12/1) | 配当利回り | 配当成長率 | 投資判断 | 最新の株価 | |
6位 | ◆エクセル(7591・東1) | ||||
2543円 | 2.95% | 121% | 強気 | ||
【分析コメント】独立系エレクトロニクス商社。成長分野のEV用充電スタンド販売も事業化する予定。 | |||||
7位 | ◆東京エレクトロン(8035・東1) | ||||
2万795円 | 2.91% | 72% | 買い | ||
【分析コメント】半導体成膜装置やエッチング装置で高シェア。上期時点で営業利益は倍増。 | |||||
8位 | ◆黒谷(3168・東2) | ||||
1040円 | 2.88% | 100% | 弱気 | ||
【分析コメント】銅中心の非鉄金属事業者。同社業績は銅価格や為替動向次第。借入が多い点にも注意。 | |||||
9位 | ◆ヒロセ電機(6806・東1) | ||||
1万6700円 | 2.87% | 100% | 買い | ||
【分析コメント】コネクター大手。IoTの進展やEVへのシフト、工場の自動化などで高成長中。財務基盤も強い。 | |||||
10位 | ◆セーラー広告(2156・東J) | ||||
369円 | 2.71% | 100% | 中立 | ||
【分析コメント】四国4県、山陽、北部九州が地盤の広告代理店。上場10周年配の実施も、将来性は不透明。 | |||||
※投資判断と分析コメントは、グローバルリンクアドバイザーズの戸松信博さん。 |
こういった配当成長率が高い銘柄は、業績が急伸したものも多いので、高い利回りだけでなく、値上がり益も期待できるのが特徴だ。その中でも、特に有望な株を選ぶには、今後も業績が伸びるビジネスを展開しているかどうかをチェックすべきだと、グローバルリンクアドバイザーズの戸松信博さんはアドバイスする。
「重要なのは、主力事業の利益が伸びたことで、大幅増配したような株を選ぶことです。例えば、1位で配当利回り5.02%の『KG情報(2408)』は、投資有価証券の売却益が増配の原資です。しかし、それは一過性の利益でしかなく、今後も増配が続けられるかどうかは不透明です。一方で、半導体製造装置を展開する7位で配当利回り2.91%の『東京エレクトロン(8035)』は、半導体市況の好調が続くとの見通しの中、今後も高い利益成長とともに高い配当成長が続くでしょう」
安定配当を狙うなら、連続増配株をチェック!
配当成長率が50%以上の銘柄の「配当利回りランキング」に入った銘柄の多くが、景気に連動するような業種であるため、業績の急改善や配当増加は期待できるが、安定感に乏しい。長期で安定配当を狙いたい人におすすめなのが、連続で増配を続ける株だ。
ダイヤモンド・ザイでは、前掲の「配当利回りランキング」と一緒に「連続増配年数ランキング」を掲載している。そのランキングでは、28年連続で増配を続ける「花王(4452)」をはじめ、15年以上連続増配を続ける株ばかりが揃っている。こういった連続増配株は、安定した利益成長を続けることができる事業を展開している。これは、高いブランド力や商品力などで、他社がなかなかマネできないような技術力を持っているからだ。一見、地味な商品を展開しているように見えるが、実は高い技術力で世界で評価されている企業もある。製造業をはじめ、機械や、化学関連などの企業に毎年100社以上取材するIMSアセットマネジメントの清水秀和さんは次のように言う。
「ガス給湯器を展開する『リンナイ(5947)』(連続増配年数16年)は、グローバル展開しており、米国や中国などで、販売が好調です。同社が販売する給湯器は、その高い省エネ性や品質などが評価されています。経済成長が著しい中国でも、環境規制が厳しくなっているため、同社製品が伸びる余地は大きい。こういった地味ながら高い技術力を持つ企業こそ、配当を着実に得ながら、長期保有するのにおすすめです」
連続増配を続けるような株は、その収益の安定性と利回り狙いの買いで、日本株全体が下落するような局面でも下がりにくいのも利点だ。
さらに、複数銘柄に分散して投資すれば、安定性はさらに高まるので、配当成長率が高い株と連続増配株を組み合わせて買うことで、高い利回りを得つつ、値下がりリスクを小さくすることも可能なのだ。
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